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好きな人 2
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翌日の昼休み。お兄ちゃんのクラスの教室のドアから様子を伺う。相変わらず、お兄ちゃんはたくさんの人に囲まれていた。恋の定番といえば、クラスメイトだよね。あの中にお兄ちゃんの好きな人がいるんだろうか。今お兄ちゃんに話しかけた、ショートカットの人とかどうだろう。うーん、でも、お兄ちゃんの表情が特に変わってないから違うかなぁ。じゃあ、あっちのセミロングの人とか?
「どうしたの、朱里ちゃん? 優に用事かな」
私がうんうんと唸っていると、冴木先輩に話しかけられた。
「あっ、冴木先輩!」
冴木先輩なら、お兄ちゃんの好きな人のことも知ってそうだよね。私が、とある人からお兄ちゃんとの仲を取り持ってほしいと言われたこと。けれど、彩月ちゃんによると、どうやらお兄ちゃんには他に好きな人がいるらしいと聞いたことを話した。
「仲を取り持つ……?」
でも、なぜか冴木先輩はお兄ちゃんの好きな人よりも、そこに反応した。
「はい。……でも、やっぱりお兄ちゃんに好きな人がいるなら難しいですよね」
お兄ちゃんがどの時点でヒロインこと愛梨ちゃんのことを好きになったのかも、他に好きな人がいたことも、漫画には書いてなかったからなぁ。
「ところで、冴木先輩は、お兄ちゃんの好きな人って、誰か知ってますか?」
「うん、まぁ。知っているというか、わかりやすいというか……。それなのに、なんでこんなにこじれたかな」
「知ってるんですね!」
冴木先輩から見てもわかりやすいのか。うーん、誰なんだろう。
「朱里ちゃん、悪いことは言わないから、仲を取り持つなんてことは──」
「朱里?」
冴木先輩が、何かをいいかけたところで、お兄ちゃんも私に気づいたようで、お兄ちゃんが近づいてきた。
「どうしたの?」
「あっ、お兄ちゃん!」
まさか、お兄ちゃんの好きな人が誰か探ってましたなんていうわけにもいかないし。
「えーっと、二年生の教室ってどんな感じかなぁ、と思って」
く、苦しい言い訳だ。
「教室……? そんなに一年生と変わらないよ」
案の定、お兄ちゃんにも不思議そうな顔をされた。
こうなったら、正直に言うしかないか。
「ごめん、うそ。お兄ちゃんに……会いたくて」
お兄ちゃんを探るためだけど、間違ってはないよね。でも、これ、かなり恥ずかしいな。
顔が真っ赤になるのを感じた。
「それだけ、だから! じゃあ」
早口でそう言って、教室に戻る。
結局、お兄ちゃんの好きな人、分からずじまいだったなぁ。一体誰なんだろう。
「どうしたの、朱里ちゃん? 優に用事かな」
私がうんうんと唸っていると、冴木先輩に話しかけられた。
「あっ、冴木先輩!」
冴木先輩なら、お兄ちゃんの好きな人のことも知ってそうだよね。私が、とある人からお兄ちゃんとの仲を取り持ってほしいと言われたこと。けれど、彩月ちゃんによると、どうやらお兄ちゃんには他に好きな人がいるらしいと聞いたことを話した。
「仲を取り持つ……?」
でも、なぜか冴木先輩はお兄ちゃんの好きな人よりも、そこに反応した。
「はい。……でも、やっぱりお兄ちゃんに好きな人がいるなら難しいですよね」
お兄ちゃんがどの時点でヒロインこと愛梨ちゃんのことを好きになったのかも、他に好きな人がいたことも、漫画には書いてなかったからなぁ。
「ところで、冴木先輩は、お兄ちゃんの好きな人って、誰か知ってますか?」
「うん、まぁ。知っているというか、わかりやすいというか……。それなのに、なんでこんなにこじれたかな」
「知ってるんですね!」
冴木先輩から見てもわかりやすいのか。うーん、誰なんだろう。
「朱里ちゃん、悪いことは言わないから、仲を取り持つなんてことは──」
「朱里?」
冴木先輩が、何かをいいかけたところで、お兄ちゃんも私に気づいたようで、お兄ちゃんが近づいてきた。
「どうしたの?」
「あっ、お兄ちゃん!」
まさか、お兄ちゃんの好きな人が誰か探ってましたなんていうわけにもいかないし。
「えーっと、二年生の教室ってどんな感じかなぁ、と思って」
く、苦しい言い訳だ。
「教室……? そんなに一年生と変わらないよ」
案の定、お兄ちゃんにも不思議そうな顔をされた。
こうなったら、正直に言うしかないか。
「ごめん、うそ。お兄ちゃんに……会いたくて」
お兄ちゃんを探るためだけど、間違ってはないよね。でも、これ、かなり恥ずかしいな。
顔が真っ赤になるのを感じた。
「それだけ、だから! じゃあ」
早口でそう言って、教室に戻る。
結局、お兄ちゃんの好きな人、分からずじまいだったなぁ。一体誰なんだろう。
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