39 / 39
第三十九話 決闘
しおりを挟む
ーー冒険者ギルド訓練所
「ガキィ~覚悟はいいだろうなァ~?」
「ガキじゃない、ラルフだ」
これからブラインとの決闘が始まる。
さて、どうやってぶっ飛ばしてやろうか。
「兄貴ィ~!地獄を見せてやってくだせェ~!」
「おうプライン!こいつの泣きっ面ァ、しっかり目に焼き付けとけよォ~!」
プラインは、さすが兄貴と騒いでいる。
一体何がさすがなのだろうか。
「もう始めていいか?さっきも言ったが、お前如きと遊んでる暇はないんだ」
「ハッ!本当にお前は気に食わねぇ奴だぜェ~……」
ブラインはニヤリと汚い笑みを浮かべる。
そして、そのまま臭い口を大きく開けて叫び出した。
「言われなくても始めてやるよォ~!筋肉戦車!!〈マッスルタンク〉」
するとブラインの身体が、みるみるパンプアップしていく。
自慢の革ジャンが、今にもはち切れそうなほどだ。
「ハァァ~……50%だァ~、AランクがFランクのガキ相手に本気出しちゃぁ世話ねぇからよォ~手加減してやるぜェ~」
ブラインの見事な筋肉からは、蒸気が上がっている。
「へぇ、見事な肉体だね」
ナイジェルを含めた冒険者達も、ブラインの筋肉に感嘆の声をあげている。
「うぇ……きもいですぅ……」
その一方、ルーナを筆頭に現場の女性陣は確実に引いている。
「パワーで勝負ってか?受けてたってやるよ」
「ハッハァー!ガキには酷だったかァ~?最初の一発はお前に譲ってやるよォ~、ほ~ら!どこにでも打ち込んでこい!」
完全に俺の事をなめているな。
ブラインは俺を見下ろしながら、ニヤニヤとポージングを決めている。
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
後悔するなよ?
俺は右手に魔力を込める。
「お……おい!なんか揺れてねぇか?」
「本当だ……地震か!?」
俺が右手に魔力を集中させると、空気がビリビリと揺れだした。
そこらの冒険者達とは、実力に差がありすぎるのだろう。
俺の魔力を感じ取ることすら出来ていないようだ。
「どうしたァァ~?早く打ち込んでみろォ~!」
だがブラインは、そんな事も気にしていない様子だ。
得意げに左の頬を俺に差し出している。
こいつにAランクの実力がある様には見えないな。
「いいぞブライン~!あんまりいじめてやんな~!」
「おら坊主~!びびってんのか~?」
観衆からヤジが飛び交う。
どいつもこいつも、程度の低い冒険者ばかりだな……
「お前を殺す気はないが……ぶっ飛ばしたいとは思っているからな、これくらいでいいか」
俺は右手に魔力を込め終わると、ブラインの方へゆっくりと歩き出す。
相変わらずブラインは、打ち込んでこないのか?と煽り続けている。
「オラオラどうしたァ!さっさと打ち込んできやぶぁぉぉぁぁあ!?!?」
俺はブラインの左頬をぶん殴って、耳障りな煽り声を強制的に終了させた。
ブラインは見事な曲線を描いて、訓練所の壁まで吹っ飛んでいく。
「少し強すぎたか」
飛んで行ったブラインの方に目を向けると、頭から壁に突き刺さり下半身だけが飛び出ていた。
「おい……まじかよ」
「仮にもブラインはA級だぜ……?」
冒険者たちはA級冒険者であるブラインが、F級の俺にぶっ飛ばされて唖然としている。
「あ……兄貴ィィィィ!」
すかさずプラインが、ブラインの元へ駆け寄り壁からズボッと引っこ抜く。
「兄貴!しっかりしてください!……ダメだ気絶してる!」
ブラインは完全に気を失っており、白目をむいて泡を吹いていた。
「その様子だと、俺の勝ちって事でいいよな?」
俺はプラインに問いかける。
「うぐぐ……覚えてろよ!」
プラインは小さな身体でブラインを背負い、走り去っていった。
訓練所にいる人間は静まり返っている。
だが数秒後、その静寂は崩れ去った。
「うおおおおおお!!すげえ!なんだあいつ!」
「とんでもねぇ奴が現れたぞ!」
F級冒険者の下剋上が達成された事によって、冒険者たちは大盛り上がりである。
「ラルフさんさすがですぅ~!スカッとしました~!」
「僕もスカッとしたよ」
ルーナとナイジェルが、賞賛の言葉をかけながら近づいてくる。
「ちょっとやりすぎたけどな、あいつも痛い目を見て、ちゃんと反省してほしいもんだ」
捻くれた奴だったからな、リベンジとか言ってこなければいいが。
「さぁ、そろそろ鑑定も終わった頃だと思うよ。受付に戻ろうか」
「あぁ、そうだな」
ブラインを無事にぶっ飛ばして、俺たちは受付へと戻るのだった。
「ガキィ~覚悟はいいだろうなァ~?」
「ガキじゃない、ラルフだ」
これからブラインとの決闘が始まる。
さて、どうやってぶっ飛ばしてやろうか。
「兄貴ィ~!地獄を見せてやってくだせェ~!」
「おうプライン!こいつの泣きっ面ァ、しっかり目に焼き付けとけよォ~!」
プラインは、さすが兄貴と騒いでいる。
一体何がさすがなのだろうか。
「もう始めていいか?さっきも言ったが、お前如きと遊んでる暇はないんだ」
「ハッ!本当にお前は気に食わねぇ奴だぜェ~……」
ブラインはニヤリと汚い笑みを浮かべる。
そして、そのまま臭い口を大きく開けて叫び出した。
「言われなくても始めてやるよォ~!筋肉戦車!!〈マッスルタンク〉」
するとブラインの身体が、みるみるパンプアップしていく。
自慢の革ジャンが、今にもはち切れそうなほどだ。
「ハァァ~……50%だァ~、AランクがFランクのガキ相手に本気出しちゃぁ世話ねぇからよォ~手加減してやるぜェ~」
ブラインの見事な筋肉からは、蒸気が上がっている。
「へぇ、見事な肉体だね」
ナイジェルを含めた冒険者達も、ブラインの筋肉に感嘆の声をあげている。
「うぇ……きもいですぅ……」
その一方、ルーナを筆頭に現場の女性陣は確実に引いている。
「パワーで勝負ってか?受けてたってやるよ」
「ハッハァー!ガキには酷だったかァ~?最初の一発はお前に譲ってやるよォ~、ほ~ら!どこにでも打ち込んでこい!」
完全に俺の事をなめているな。
ブラインは俺を見下ろしながら、ニヤニヤとポージングを決めている。
「それじゃあ、お言葉に甘えて」
後悔するなよ?
俺は右手に魔力を込める。
「お……おい!なんか揺れてねぇか?」
「本当だ……地震か!?」
俺が右手に魔力を集中させると、空気がビリビリと揺れだした。
そこらの冒険者達とは、実力に差がありすぎるのだろう。
俺の魔力を感じ取ることすら出来ていないようだ。
「どうしたァァ~?早く打ち込んでみろォ~!」
だがブラインは、そんな事も気にしていない様子だ。
得意げに左の頬を俺に差し出している。
こいつにAランクの実力がある様には見えないな。
「いいぞブライン~!あんまりいじめてやんな~!」
「おら坊主~!びびってんのか~?」
観衆からヤジが飛び交う。
どいつもこいつも、程度の低い冒険者ばかりだな……
「お前を殺す気はないが……ぶっ飛ばしたいとは思っているからな、これくらいでいいか」
俺は右手に魔力を込め終わると、ブラインの方へゆっくりと歩き出す。
相変わらずブラインは、打ち込んでこないのか?と煽り続けている。
「オラオラどうしたァ!さっさと打ち込んできやぶぁぉぉぁぁあ!?!?」
俺はブラインの左頬をぶん殴って、耳障りな煽り声を強制的に終了させた。
ブラインは見事な曲線を描いて、訓練所の壁まで吹っ飛んでいく。
「少し強すぎたか」
飛んで行ったブラインの方に目を向けると、頭から壁に突き刺さり下半身だけが飛び出ていた。
「おい……まじかよ」
「仮にもブラインはA級だぜ……?」
冒険者たちはA級冒険者であるブラインが、F級の俺にぶっ飛ばされて唖然としている。
「あ……兄貴ィィィィ!」
すかさずプラインが、ブラインの元へ駆け寄り壁からズボッと引っこ抜く。
「兄貴!しっかりしてください!……ダメだ気絶してる!」
ブラインは完全に気を失っており、白目をむいて泡を吹いていた。
「その様子だと、俺の勝ちって事でいいよな?」
俺はプラインに問いかける。
「うぐぐ……覚えてろよ!」
プラインは小さな身体でブラインを背負い、走り去っていった。
訓練所にいる人間は静まり返っている。
だが数秒後、その静寂は崩れ去った。
「うおおおおおお!!すげえ!なんだあいつ!」
「とんでもねぇ奴が現れたぞ!」
F級冒険者の下剋上が達成された事によって、冒険者たちは大盛り上がりである。
「ラルフさんさすがですぅ~!スカッとしました~!」
「僕もスカッとしたよ」
ルーナとナイジェルが、賞賛の言葉をかけながら近づいてくる。
「ちょっとやりすぎたけどな、あいつも痛い目を見て、ちゃんと反省してほしいもんだ」
捻くれた奴だったからな、リベンジとか言ってこなければいいが。
「さぁ、そろそろ鑑定も終わった頃だと思うよ。受付に戻ろうか」
「あぁ、そうだな」
ブラインを無事にぶっ飛ばして、俺たちは受付へと戻るのだった。
0
お気に入りに追加
35
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ちゃんと面白かった