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第七章 高速飛行レースバトル!

第二十三話 最近地震が多いのはなぜ?

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 オレ達の授業が終わり、その日の午後は、またダンジョンの冒険が開始される。

「はあ、また午後はダンジョン攻略か。
アタシの仕事も昨日で終わったから良いけど……。
ちっ、短いフリーの仕事だったな。

この調子じゃあ、剣冴とアイドル解散は無理か。
一応、『バトルナイツ』のアイドルメンバーに入りたいって奴がいると、芸能プロダクションの方には伝えておいたけど……」

アイドルの仕事が終わり、姫野真槍ちゃんは機嫌が悪かった。
どうやら仕事の手応えがあまり良くなかったらしい。

「久し振り真槍、私の将来のお姉さん。
仕事内容は、どんな物だったのかしら?」

イカとオバケをこよなく愛する少女の磯辺霊子が近付いて行く。

「ああ、剣冴の彼女? よろしく」

すんなりカタナちゃん(バトルナイツの一人で芸名、本当は男の子で剣冴という)の彼女になっているけど、オレは認めてないぞ! 
カタナちゃんは、オレが納得するまでオレの彼女だ! 

その辺の奴にそう易々と嫁がせるわけにはいかない。
たとえ磯辺霊子が美少女であったとしてもだ。

こいつもオレの嫁候補、ちょっとオレに惚れている節もあるし、オレが能力を発動する条件としても外せない。

今の所、オレがカッコいい所を見せる目的で、異次元の能力が発動できるのは、数人しかいない。
美少女である以上、磯辺霊子も加えておく。

オレは一人でそう考え、霊子とカタナちゃんの間に割って入る。
所で、真槍ちゃんが昨日やって来た仕事とは何だろうか? 
真槍ちゃんは、ピンク色の唇を開いて言う。

顔を起き上がらせた時に、オッパイがぷるんと揺れ、オレは一瞬緊張してしまった。
昨日見ていなかっただけに、その威力はすごい。

「ああ、クイズ番組のゲストよ。
なんか、いろいろクイズの質問を聞いて、答えを述べるだけよ。

内容自体は、他のゲストも多いし、それほど難しい物じゃなかったけど、マネージャーに駄目だしされたわ。

こんな普通の答えじゃあ駄目だって……。
最悪、しばらくクイズ番組には参加できないかもだって! どうすりゃあ良いのよ」

「なんて質問されたんですか?」

「ああ、最近地震が多いのは、なぜですかって質問よ。
普通に答えたつもりなんだけどね」

「姉さんは、なんて答えたの?」

カタナちゃんも真槍ちゃんが心配の様だ。
一刻も早くアイドルとして一人立ちしてくれないと、ずっと女の子のままでいなければいけないからね。

「大陸プレートが少しずつ動いて、それが地震を引き起こしているって答えたわ!」

「つまんないですわ」

「高校生アイドルがそんな普通の回答を言ってもね。
科学の知識なんて無いに等しいの分かっているのに。
学者並みに答えられるのならともかく……」

「このクソアイドル!」

みんなの容赦ないツッコミが入る。
とりあえず、最後の一言に白羽の矢が立った。

ちなみに、最後にコメントしたのは、変態少女の夕景ゆたかである。
真槍ちゃんをライバル視しているのか、コメントに殺気が籠っている。
当然、真槍ちゃんに首を絞められていた。

「ゆたか、クソアイドルはあんたも一緒でしょう! あんたならなんて答えるのよ?」

首絞めから解放され、ゆたかは一瞬考える仕草をする。

「う、大陸プレート同士でエッチしている」

「そうか、だから最近活動が活発なのですね!」

みんながなんか納得していた。

「アイドルの答えとしては、アウトでしょ?」

真槍ちゃんは、激しく批判をして、みんなの同意を期待していた。
カタナちゃんは、ゆたかを擁護する。

「まあ、そういう売りでやっているって定着させれば良いのかも……。
あ、もちろん枕営業しているって意味じゃなくて、エロいアイドルって感じで……」

「アタシは、健全な感じのアイドルを目指したいのよ!」

「え、売れなくなったら、どうせ脱ぐのに?
女優に転向してやって行こうなんて、一部の天才しか続かないよ。

どうせ、コネが必要で枕営業しなきゃ生きていけないんだから、最初からエロい路線で売ればいいじゃない。
まあ、私は好きな人の前じゃないと脱がないけどね♡」

ゆたかが顔を赤くして、オレの方を恥ずかしそうに見る。
今さら、恥じらい路線をアピールしても遅いだろうけど……。

 ゆたかのコメントが終わると、真槍ちゃんは、新人アイドル候補の磯辺霊子につっかかって来た。

「じゃあ、霊子はどうやって回答するの? どんな売りか見せてもらうわ!」

その質問を聞き、霊子の雰囲気が変わる。

さっきまでは、ツインテールの髪型でお嬢様の様な雰囲気だったのに、髪の毛を解いて、顔を髪の毛で隠し、威圧感を出す。
当然、オレを瞬殺した黄泉津大神の顔に変身した。

「グヘヘヘヘ、最近地震が多いのは、地の底を怨霊達が蠢いているからだ。
グへへへ、新たな犠牲を求めて、人々に襲いかかっているのですわ!」

「ふーん、オカルトマニア売りか……」

「え? ちょっと、もう少しリアクションしてくださいよ。
この前まで、完全にチートキャラだったのに……」

空気を読めない真槍ちゃんにより、恐怖が全く相殺された。
真槍ちゃんは、空気読めないキャラで行けば良いのに……。
とにかく、真槍ちゃんの前では、恐怖演出で無敵を誇った霊子も、一瞬でやられてしまう。

「ふぇーん、頑張って怖がらせようと思ったのに……」

人を怖がらせる霊子も、心は繊細だった。
メンタル面がかなり弱い。
オレが励ましてやるから、そんな顔で泣くな。マジで怖いから。

 真槍ちゃんは、霊子ちゃんを完全に無視して、カタナちゃんに尋ねる。

「じゃあ、剣冴はどう答えるのかしら? ちゃんと美少女アイドルの回答をしなさいよ!」

「はいはい。じゃあ、カタナの時のカチューシャだけするね」

カタナちゃんは、髪の毛をカチューシャでセットし、美少女アイドルになった。
どうやら、このカチューシャで、男と女のスイッチを入れ替えているらしい。

偶に、男の時でも、女の子モードになるのは、見なかった事にしてあげよう。
カタナちゃんは変身し、顔だけ美少女アイドルになった。

「えーと、最近地震が多いのは、私の魅力にドキドキして、地球の鼓動が激しくなっているからだよ。
あーん、私の鼓動もドキドキしちゃう♡」

手の振りと、顔の表情まで変え、完全にアイドル化していた。
オレ的にはOKだが、女性陣には大不評だった。

「ちっ、男がぶりっ子ぶってんじゃね―よ。
キモいんだよ! この玉無し野郎!」

「私が玉の確認をしたからね。玉はあるよ。ちょっと小さかったけど……」

真槍ちゃんとゆたかは、もうアイドルではありえないほどの暴言を吐きまくる。
本来なら、軽く受け流すカタナちゃんだが、アイドルモードの為、対応もアイドルみたいな感じだ。

「ふぇーん、私、頑張っているのに酷い!」

カタナちゃんは泣き出してしまった。早く、美少女アイドル化を止めろ! 
オレは、カタナちゃんが普通の男子に戻る日が遠い事を悟った。
まあ、もう少しくらいアイドルでいてもらおう。

 昼の休憩が終わり、光子先生が課題を発表する。
本来は、ダンジョン攻略に駆り出されるが、今回はちょっと内容が違うようだ。

「今回のダンジョン攻略は無くし、校外を利用したマシンレース大会を企画します。
大会のルールは至ってシンプル。
どんな方法でも良いので、校外に設置されたコースを通過し、一番でゴールする事です。

一応、教師陣は二名で、UFO型の飛行マシーンでゴールを目指します。
担当のギンロウ先生とインキュバス先生が、UFOの開発に成功したので、ぜひ飛行を楽しみたいという事で企画されました。

大会予定日は明日、皆さんも何らかのマシ―ンを使って大会に参加してください。
では、これ以降の時間は、準備期間とします。

マシーンの無い人は、他のあるチームと一緒に参加するか、棄権してください。
では、明日の朝十時に大会を開始致します。
さようなら」

「さようなら」

こうして、ホームルームは終わり、みんな解散する。
準備期間が一日という事は、ほとんど飛行マシーンを持っている事を前提にしている。
オレは、飛行マシーンを持っていないから、誰かと一緒に参加するしか方法がない。

幸いにも、オレはすぐに参加の相手が見付かった。
ゆたかと霊子が飛行マシーンを持参しており、そのどちらかに参加する。

「じゃあ、私と姫野真槍、光宮守君のチームと、磯辺霊子と姫野剣冴(カタナちゃん)のグループで決まりだね。
人数が多過ぎても、動きが遅くなるだけだし、これがベスト人数でしょう」

「そうね。でも、私は本気でゆたかを潰しに行くわよ。覚悟してね」

「うん、私も手加減しないよ」

こうして、ゆたかと霊子のメンバー取り合いで、チームが決定した。
まあ、マシーンを持っていない以上、口をはさむ事も出来ない。
運命の飛行レーシングが開始しようとしていた。

オレも参加する以上、コ―スの確認くらいしておくか。
最初は、海岸から出発して、海側を通って山岳地帯に突入する。
ここは、どうやら鉱山の後で岩場が多いらしい。

そして、その後は、森林コース、海と小島が並ぶコースを通り、ゴールとなる。
コースを見た限りでは、やはり飛行マシーンが必要の様だ。
オレ達のチーム以外に、参加する生徒はいるのだろうか?
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