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第一章 『秘められた異次元(シークレットディメンション)』への扉!

第12話 オレの必殺技開発!

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 オレは、ドワーフの工場に帰る前から、ずっと考えていた。
どうやったら、最強に等しいドワーフを倒すことができるのだろうか? 
現状、ナイフしか扱えないオレが、修行をしたとしても一週間後に勝てるわけもない。

なんとか、日本の技術の範囲内で勝てる方法はないだろうか? 
オレは、ドワーフの特徴を調べていると、ある特徴に気付いた。
彼らは、プライドが高く、負けを認めるよりも名誉ある死を望むようだ。

ここが、ドワーフ攻略のカギかもしれないと感じる。
それ以外では、出生率が低いくらいしか弱点が無かった。
剣術や戦術にもたけ、手先も器用だ。

さらに、魔法に関しても、状況によっては、エルフをも凌ぐ魔法道具を作ることができるという。
いろいろな方法で戦おうとシュミレーションしたが、どの方法でも敵わないと思った。

オレの武器は、ナイフと言葉だけだ。
それだけで、最強格のドワーフと戦わなければならないのだ。
シュミレーションを重ね、ある程度までは互角に戦えるだろうが、わずかに及ばないだろうと感じていた。

(勝ち方のシナリオは出来ている。
しかし、後もう一つ強力な武器が欲しいな。
隠し武器では、避けられる危険もあるし、技術者同士なら見破られてしまう危険もある。
相手もただの剣士ではないだろうからな。
できれば、正攻法で勝って認められたい!)

 オレはそう思いながら街を歩いていると、ある物に眼が留まった。
日本では、そのままの状態で置いてある物ではないが、ここではあまり加工されていないようだ。
使い方次第によっては、かなりの武器になることが予想された。

「そうだ! これをうまく使えば、最強格にも勝てるかもしれない!」

オレはそう思い、ある物を大量に買い漁り、シルビアさんに頼んでおいた大量のナイフと組み合わせる。
武器の収納できる戦闘服も用意し、戦いやすい格好を追求した。
武器を扱い慣れていても、思わぬところで失敗し負ける危険があるのだ。
自分が使いやすいと感じるまで、武器の配列なども調節した。
これにより、目で見なくても自由自在に武器が取り出せるようになったのだ。

駅弁を売るナンバーワンの女性は、自分専用のエプロンを作り、ポケットから手を出すまでの一瞬の間に計算して小銭を渡すことが出来るのだ。
それによって売り上げは一位となり、ギネスにも載るほどの活躍を見せている。
オレもそれを見習い、各種の武器を一瞬で出せるように工夫した。
何度か実験を繰り返し、オレの新しい戦闘スタイルがようやく決まった。
このスタイルで、最強のドワーフに挑む。

 実践練習をシルビアさんの連れて来た相手と戦い、自信と経験が身に付いた。
あまり時間が無かった割には、オレは急速に成長していく。
もう一端の戦士のレベルになっていた。

オーク達では、もう束になっても勝てない。
もしも、ドワーフに勝てるのならば、オレは一躍、最強格へと上り詰めることだろう。
時間はあっという間に過ぎていき、ついにドワーフとの決戦の日が来た。

オレの新しい戦いのお披露目だ。
はやる闘争心を抑えながら、オレは馬車に乗り、決戦の地へと向かって行く。
決戦の場所は、ドワーフの工場町の中心にある闘技場だ。
オレの相手が相手なだけに、そこの場所を使うようだ。

 シルビアさんの紹介してくれた先生も、この世界でも有名らしく、多くのギャラリーが集まって来ていた。そのため、会場は自然ととてつもなく大きなスタジアムになる。
観客もぎっしりと席を埋め尽していた。

「これは、この国で一番大きな闘技場です。
あなたが剣の先生達を倒してしまったので、みなさんが注目していますよ! 
ほら、お金もこんなに……」

シルビアさんはそう言いながら、オレにお金を見せて来た。
どうやら、シルビアさんも思っていた通り、ちょっとお金に貪欲なタイプのようだ。
しかし、オレは思う。
場所などどうでも良い。
対戦相手が強く、オレと対等以上に戦えるのであればと……。

 スタジアムに着くと、大勢の観客にさすがのオレも驚いた。予想以上の規模だ。
みんなの声援に応えようと、手に汗を握って決戦の場所まで進んで行く。

すると、先に対戦相手が待ち構えていた。
オレ達は、遠い所で対戦相手を確認する。
すでにこの段階で、勝負は始まっているのだ。
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