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第3章 王女篇
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しおりを挟むデビット兄様の子供が生まれてから1週間が経った。
世間では公爵家に跡取り息子が生まれたことで、貴族で同じ年頃の娘が居る者や今現在妊娠しているもの達が牽制しあっていて、ちょっと騒がしくなっている。
デビット兄様の従姉妹である私の所にも沢山の貴族が、デビット兄様と会えるように仲を取り持って欲しいと言う人で賑わっている
クラスメイトの中にも姉や兄にお願いされたのか、私をチラチラ様子を伺いながらどうお願いしよう困ってる人も居るみたいね。
「エレーナさん大変ね。従兄弟に子供が生まれたことで、エレーナさんも巻き込まれてここ最近落ち着かないでしょ?」
「レイチェルさんおはよう。確かにデビット兄様の子供が生まれてから、話したことない人に話し掛けられるようなって大変ですね。まぁ、私よりティモシー先生の方が大変でしょうけど」
「あぁ、確かにティモシー先生はデビット様とご兄弟ですものね。今も一緒の家に住んでますし」
家は違うけど同じ敷地内に住んでるから同じ家に住んでるようなものよね。
「デビット兄様には誰に頼まれたとしても、断って構わないって言われてますから気は楽ですわ」
「あら?断るように言われてるんですか?」
「そうなんですよ。デビット兄様は婚約者は子供自身に選ばせるって言ってましたから、数人の婚約者候補は選ぶみたいですけど、絶対にその中から選ばないといけないって訳ではないみたいですね。ですからしつこくして来る人の子供は候補から外すつもりみたいですね」
私はそう言ってチラッとクラスメイトや、私に話し掛けようとしている他クラスの人達を見ると、数人顔色を悪くしている人たちがいる
これで諦めてくれるかしら?
周りに気付かれないように息をつくと、レイチェルさんとナディアさんがクスクス笑っている
「やりますわね。クリスティー公爵と縁を持ちたい高位貴族が多いここで言えば、明日には貴族全体にこの話が広がりますわね。エレーナさんやティモシー先生にしつこく声をかけていた人達は絶望的でしょうね」
「デビット兄様の子供が婚約者候補から選ぶとは限らないから希望はまだありますよ」
「そうは言っても、婚約者候補とその他の人達では、会える機会が桁違いですから絶望的ですわよ。それに公爵家や侯爵家で婚約者候補に成って無いなんて、その家に何か問題あると言ってるようなものだから、婚約者を選ぶ本人だって警戒しますわ」
確かにそうよね。
公爵家や侯爵家に同じ年頃の娘がいたら、普通なら絶対に婚約者候補に選ばれるわよね
「そう言えばウェンディ様は母国に送還される事が決まったみたいですね。デビット様の話で盛り上がってるせいで、ウェンディ様が学校に来なくなったのに、皆さんあまり心配させていないみたいですわね」
「あぁ、私もお父様から聞きました。クリスティー家で問題を起こしたと聞きましたが」
そう言えばウェンディ様が学校に来なくなってから1週間経つけど、誰も私に理由聞いてこなかったわね。
普通なら我が家に滞在してるのは有名な話だから、1週間も学校に来なかったら何かあったか聞いて聞いても、おかしくないのに人気がない証拠かしら?
まぁ、昨日やっとウェンディ様が何をしたか話していい許可が下りたところだから、昨日までに聞かれたとしても誤魔化すしか無かったのだけど
ウェンディ様が正式にこの国から出て行くことが決まって、やっと周りに何をしたか話す許可が陛下から下りたのよね
「ウェンディ様は妊娠しているシャーロットお姉様に危害をくわえようとしたので、例え隣国の王女とは言えこれ以上看過できないと判断されたんです」
「まぁ!?シャーロット様に危害をくわえる!?ウェンディ様は何を考えてますの」
「まるで野生児みたいですわね。シャーロット様のお腹には公爵家の跡取りが居ますのに、そんな方に襲い掛かるなんて普通ならしませんわ。例え気に入らないことがあったとしても、やってはいけない事と理性が働くものですのに、襲いかかった理由はなんですの?」
野生児………、とんでもない例えたけどすごく納得出来るわね。
ウェンディ様は本当に野生児だったもの。
気に入らないことがあったらすぐに物にあたり、自分以外の者が目立つのを許せない方だったわよね
「1週間前の事なんですけど、シャーロットお姉様に会いにクリスティー家に遊びに行ってたんですけど、そこにウェンディ様が乗り込んできたんです。その場にティモシー兄様も居たんですけど、シャーロットお姉様をティモシー兄様の恋人と思ったみたいで、ティモシー兄様の子供を妊娠してると思った、ウェンディ様はシャーロットお姉様に襲いかかったんです」
「信じられない。ティモシー先生に付き纏ってるって聞いてたけど、勘違いでそんな野蛮なことをするなんて、シャーロット様とお腹の子が無事でよかったわ」
「一応は怪我など無かったんですけど、シャーロットお姉様はそのまま産気づいてしまったんです」
ウェンディ様からの謝罪は一切ないのよね。
普通は直接謝るのは無理でも、手紙や伝言で謝ったりするわよね
「だからウェンディ様は隣国に送還が決まったんですね」
「えぇ、本人に反省する意思はありませんし、隣国の王族とは言え、公爵家の者に危害を加えようとしたってことで、今後はこの国への立ち入りを禁止することが決まったって、お父様が陛下から聞いてきました」
「当たり前の結果でしょうね。これで学校ないも平和になりますわね。ウェンディ様に媚びを売ってた人は、過ごしづらくなるでしょうけど自業自得ですわ」
ウェンディ様の取り巻きはウェンディ様に便乗して好き放題にしていたから、周りから避けられても仕方ないわね
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