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第2章 ざまぁ篇

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「エレーナは今の恋人と別れるつもりなんだよな?」

「そのつもりですよ。イワンも最近は諦めたんじゃないかしら?ちょっと前まではよく会いに来てくれてましたけど、最近はその回数も減りましたから」

「なら次の婚約者候補にラッセルはどうだ?ラッセルと結婚したら、ラッセルは俺の右腕だからいつでもシャーロットと会えるぞ。それにラッセルは俺の補佐だからそれなりに稼いでるし、女遊びもしない、三男だし、おじさんの出した条件にピッタリだろ。優良物件だぞ」

デビット兄様の提案はかなりありがたいけど、ラッセル様の意見は聞かないの?

ラッセル様は確かに私にとって理想的な相手かもしれない

デビット兄様がおすすめするぐらいだから、性格に難がある訳でもないだろうし、見た目もカッコイイ分類に入る

「デビット兄様、あまり1人で盛り上がらないでよ。ラッセル様は確かに素敵な人だけど、私とラッセル様は結構の年の差があるわよ。私みたいな小娘を婚約者にするなんて可哀想よ。それに好きな人が居るかもしれないのに」

「貴族なんだからこれぐらいの年齢差は大したことないだろ?お前自身はラッセルの事を嫌なのか?」

「別に嫌ではないけど………、でも私には一応、彼氏がいるんだからこの話はもうやめようよ」

「彼氏って言ってもどうせ別れるんだろ?お前は叔母さんに似てるから変な男に捕まりそうだからな、ラッセルで手を打っておけ、ラッセルはエレーナでは嫌か?」

デビット兄様に話をフラれたラッセル様は、ジーッと私を見始めた?

どうしたのかしら?

もしかして私の顔に何か付いてる?

それとも私がいる前では本音を話しづらいとか?

そりゃそうよね。

私に不満があっても、私がいる前では言いづらいわよね

デビット兄様はそういう所に気が回らないんだから

「俺はエレーナ嬢みたいな素敵な女性と婚約できるならありがたいが、エレーナ嬢は俺みたいなおっさんでは嫌だろ」

「お前な~、俺とお前は同い年なんだぞ。お前がおっさんなら俺もおっさんってことになるだろ」

「俺とエレーナ嬢は13歳差だから十分おっさんだろ」

「確かにおっさんなのかもしれないけど、言うなよ馬鹿、お前たちは確かに年の差があるけど、エレーナは同年代の子より大人っぽいからな年上の方がいいだろ。その方がエレーナも甘えられるだろうし」

デビット兄様はそう言いながら私をチラッと見た後に

「大人っぽいのは見た目じゃなくて、心の方だけどな」

「デビット兄様は一言余計なのよ」

デビット兄様は私の反応が面白いみたいで、私の事を揶揄う事がよくある

最初の頃はイラってしてたけど、今ではもう慣れたわね。

デビット兄様の可愛がり方って面倒臭いわよね

私が繊細な性格だったら、絶対にデビット兄様の事を嫌ってたと思うわ

デビット兄様を呆れながら見てると、ラッセル様がデビット兄様の頭を叩いた

「従姉妹が可愛いのはわかるけど、いい加減にそれやめないといつか嫌われるぞ」

「そうよね~、デビットの可愛がり方は特殊だから、私も最初の頃はよく同じことされたわ。デビットいい加減にやめましょうね。お腹の子が生まれて同じことしてたら、いつかお父様嫌いって言われるわよ」

将来の自分の子供に嫌いって言われるのを想像したみたいで、かなりテンションが下がっている

「娘に嫌われたくない。絶対にやめる」

「お腹の子は娘確定なんだ」

「娘なら嬉しいな。息子でも勿論、嬉しいけどな」

ふ~ん、いつもの仕返ししてもいいよね

私が悪い顔していたみたいで、私の顔をみたラッセル様が横を向いて肩を揺らしてる

私ってそんなに分かり易いかしら?

「デビット兄様、娘だといいね。だけど娘ならいつかお嫁に行っちゃうから、デビット兄様は寂しいわね。貴族は早く結婚する人は16歳だよね~、16年後にお父様今までお世話になりましたって言われるのか~」

案の定、その時の事を想像したらしいデビット兄様は魂が抜けたような顔をしている

シャーロットお姉様まで笑い始めた。

「デビットがいつも意地悪するから仕返しされたわね」

「娘は嫁にはやらん!!婿しか認めないからな!!嫌……、婿も認めん!!」

うわ~、面倒臭い父親だな

シャーロットお姉様とラッセル様も呆れてデビット兄様を見ていた
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