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第1章 救出篇
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しおりを挟む私の家は王都にあるとはいえ端の方に建てられている
今日から通う学校は今は使ってない旧城を再利用している。
現在のお城は王都の中心に建てられているけど、昔は王都にある関所から一番離れた所に建てられていた
昔は今と違い、国同士の争いが多くてお城を王都の一番奥に建てて、敵の侵入を防いでいた
お城の後ろは高い山があるから後ろからの侵入はほぼ無理で、侵入できたとしても満身創痍でまともに戦うことは無理だった
隣国と平和条約を結んでからお城は平和の象徴として、王都の真ん中に移動されることに成った。
王都では身分によって家を建てる場所は決まっており、お城が移動しても家を建てるエリアは変わらなかった
王都の一番奥から代々騎士を輩出してる家系、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家、工業施設と商業施設、一般庶民の住居の順番でエリアがわかれている
旧城に一番近かったのが公爵家ではなく騎士家系だった理由は、隣国との戦争で騎士達が家族への心配で戦いに集中出来なくなるのを防ぐのと、休暇の騎士が緊急時にすぐに駆け付けられるようにって理由だった
今のお城は男爵家が家を建てるエリアと工業施設と商業施設エリアの境に建っている
同じエリアだけど我が家とお城はとても遠い、男爵は貴族の中で一番多いから仕方ないけど、
今は学校になってる旧城はもっと遠い、歩きだと1時間以上は掛かると思う。
今回は馬車が用意されているけど、明日から歩きで行かないと行けなくなったら大変よね。
同じ王都にあるのに1時間も掛かるのってどうなんだろう?
広すぎるわよね
監禁されるようになってから初めて出る外に感動しながら、夢中で馬車の窓から外を眺めてると、あっという間に学校に着いてしまった。
馬車の操作をしながらチラチラこちらを見ていた御者は、私に対して悲しそうな顔をしている
私に対して同情してるのかな?
人に同情されても嬉しくないわね。
今、初めて私はお父様の娘なんだと改めて実感したわ。
あまり嬉しくないけど・・・・・
私はお父様に似て、人に同情されるのは許せないみたい。
あの人に似てプライドが高いってことが、今知ったわ
あの屋敷では私やお母様に同情的な人は居なかった、逆にお父様と愛人親子の味方で、私やお母様を虐げる人ばかりだったから知らなかったわ
貴族としては全くプライドが無いのは問題かもしれないけど、プライドが高過ぎても問題よね。
今まで全く人と関わって来なかったから問題なかったかもしれないけど、これからは沢山の人と関わっていくのだから、傲慢な人間にならないように気を付けないといけないわね
それより学校は目の前にあるのに全然、馬車が進まないわね
「全然、馬車が進まないけどどうかしたの?」
「事故とかではないんですが、生徒は皆、馬車で登校するので校門の前で渋滞になっているみたいです」
あ~なるほど、今日は在校生と新入生と新入生の親が来てるから乗り降りに時間が掛かるのね。
もしかして明日からも馬車で行ったら、毎朝この行列を我慢しないといけないのかしら?
ここから門まで5分もないわよね。
「まだまだ時間が掛かりそうだからこの場で降りるわ」
「畏まりました。ドアを開けますのでお待ちください」
御者台からサッと降りて周りの安全を確認してから扉を開いてくれた
「ありがとう、気を付けて帰ってね」
「お気遣いありがとうございます。行ってらっしゃいませ」
すごく久しぶりにお嬢様扱いされた気がするわ。
馬車から離れて歩いていると最初は全く人が歩いてなかったけど、私の様子を見て歩いた方が早いと思ったみたいで馬車から降りる人が増えてきた
馬車から降りた人の制服を見ると、モスグリーンのブレザーや赤茶色のブレザーばかりなので私と同じ男爵、子爵、伯爵の人たちみたいだ。
白色のブレザーはチラホラいるみたいだけど、キャメル色のブレザーは全くいない
馬車の中には何人かキャメル色のブレザーはいるから、校門まで頑なに乗り続けるみたいね
降りた方が早いのに変なプライドかしらね?
学校ではキャメル色のブレザーの人とはあまり関わらない方が良いかしら?
プライドが高い人は色々厄介だから、自分からは近付かないようにした方が得策かもしれないわね
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