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しおりを挟むラッセルが入学する頃には、ロベルトの妹が入学している。
ロベルトの妹は兄であるロベルトが大好きだから、ラッセルを邪魔だと思って何かしてくる可能性がある。
あの子は色々と性格がぶっ飛んでるのよね。
ロベルトの妹はラッセルの1つ上だから12歳になるはずなのに、貴族なら自分より格上の家柄の人に、無礼なことはどんな理由があってもご法度だと知ってるはずなのに、そんな簡単なルールも守らない。
もしかしたら私以外にはちゃんとしてるかもしれないけど、私がロベルトの婚約者になってから、色々と嫌がらせをされてきた。
いつか身内になる相手だし、嫌がらせも大した事ないから見逃してきた。
私にあんな事が出来るのだから、弟に何をするかわからない。
流石に殺したりしないとは思いたいけど、誰かに入れ知恵されたらどうなるか分からない。
王妃様やロベルトの母親がそんな入れ知恵を、娘や姪にするとは思いたくないけど、あの人達はロベルトの方を可愛がってるフシがある。
ロベルトの妹を蔑ろにはしてないけど、明らかに態度に差があるのよね。
ラッセルがセントラル学院に入学するって知ったら、ロベルトの母親や王妃様がロベルトの妹をセントラル学院に入学させる可能性もある。
だけどあそこは全寮制の学院ですし、外部との連絡は監視がつくから、王妃様やロベルトの母親が指示をしづらくなる。
それにロベルトの妹は我儘で自分本位の性格だから、セントラル学院で耐えられるとは思えないから、ラッセルの安全を守るなら最適な場所になる。
「私もセントラル学院に入学したほうが良いと思うぞ」
「何で伯父上までそんなことを言うんだよ!!俺がセントラル学院に入学したら、姉上が1人でこの家を守らないといけなくなるんですよ!!姉上に酷いことを言ってくる人もいるはずだ。俺は姉上が辛いときにそばに居てあげたい」
私を守りたいって言ってたのは本気だったのね。
私の中でラッセルはまだまだ小さい弟って印象だったけど、いつの間にかに成長してたのね。
「ラッセルの気持ちはとても嬉しいわ。でも今はセントラル学院に行ってくれたほうが安心するのよ。今までみたいに簡単には会えなくなってしまうけど、次に会った時に立派に成長してる姿を楽しみにしてるわ」
「姉上は俺が邪魔なの?」
そんな事は絶対にない!!
ラッセルは1番大切な存在だわ。
今の私の心の支えはラッセルだけ、でも突き放すなら今しかないのよね。
ラッセルがこの家を出て行きやすいようにしないといけない。
「…………そうね。ラッセルを守りながらこの家を守っていくのは、今の私には難しいの。確実ではないけど、ラッセルの命を狙ってくる人が現れるかもしれない。家を守る為に今はそんな心配をしたくないのよ」
「俺は姉上の負担にしかならないって事?俺は邪魔なの?」
ラッセルは傷ついた顔をして私に聞いてくる。
ラッセルを突き放すようなことは言いたくない。
でもラッセルを守るためなら、ラッセルに嫌われたって良いわ。
ラッセルまで居なくなったら、私は耐えられないわ。
「そうよ。今の私にはラッセルの面倒までは見れないわ。だからセントラル学院に行きなさい。少し疲れたから部屋で休むわね」
傷付いた顔をしてるラッセルをこれ以上は見たくなくて、私は部屋から逃げるように出て行く。
ごめんねラッセル、ごめんねごめんね。
貴方を守るためなら嫌われたって構わないわ。
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