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しおりを挟む会場に入ると人が沢山いるせいか熱気がすごかった。
今日のパーティーの主役は楽しんでるか気になり、会場内を見渡すと沢山の令嬢に囲まれているところだった。
モテる男性は大変ですわね。
「お兄様、女性に囲まれてるあの男性がメアリーが迷惑かけたウォード様ですわ」
「あの方がそうなのか、すごく女性受けしそうな顔だな。あの見た目で仕事も出来て家が侯爵家なら未婚女性が逃がすわけないな」
「お兄様もあんな風にモテたいですか?」
質問するとお兄様はすごく嫌そうな顔をした
「俺は不特定多数の人にモテたいとは思わないな。好きな人だけに好かれればいい。モテる男は厄介事も多いからな」
「そっか~、そう言えばお父様とお母様は来ないんですね」
「2人なら寄る所があるからって言ってたぞ。ウォード様にお詫びの品でも買ってるんじゃないか?」
お父様達がそんな気の利いたことするかしら?
余計なことをしなければいいけど
「それよりイリナ本当に俺が公爵家を継いでいいのか?お前も勉強頑張ってただろ?俺はメアリーに家を譲らずそのまま継いで、お前は公爵家を継ぐのでもいいと思うぞ」
「お兄様気にしなくていいですわよ。お兄様の方が優秀なんですもの、公爵家はお兄様が継いだ方が家のためですわ。それよりメアリーとジョージ様はこのまま結婚すると思いますか?」
メアリーは私より上じゃないと気が済まない性格だから、私が公爵令嬢でメアリーが伯爵令嬢なのは絶対に認められないことだと思う。
ジョージ様は今の生活水準を下げるなんて出来るかしら?
伯爵家の生活がこれからどんどん悪くなっていくことは予想できる。
今はお兄様がお父様に悟られないように、領民が不満を爆発しないようにフォローしてるけど、お兄様が居なくなったら数年後には確実に領民から見限られると思いますわ。
お父様もお母様も領民を大切にしない人だから、領民の助けがなかったら生活していけないなんて考えもしないわよね。
「どうだろうな?2人が結婚できるのは早くて3年後だろ。3年も2人が仲良く暮らしていけるとは思わないけど」
「女性は15歳から結婚出来ますからね。でも実際に15歳で結婚する人なんて滅多に居ないですわよね」
貴族女性は婚約者が居る人は15歳から相手の家で生活するようになり、その家のしきたりやどのような生活をしてるか体験を2~3年してから結婚する。
だから結婚は18歳でする人が多い、それより前にする人は赤ちゃんが出来ちゃった人だ。
だから15歳で結婚する人はあまり評判が良くない。
その代わり3年一緒に暮らしてから結婚する夫婦は滅多に離縁する人は少ない、
3年も一緒に暮らしてたら普段はいい人の演技してる人も、ボロを出すので結婚する前にバレて婚約解消されるからだ。
「イリナはいい人居ないのか?」
「居ないですわよ。これから社交シーズンも始まりますし、いい人と出会えるといいんですけど」
「イリナ嬢には恋人居ないんですね。私が立候補しても構わないかな?」
!?
ビックリして後ろを見ると、さっきまで沢山の女性に囲まれていたウォード様が真後ろに居ました。
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