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『でも一体誰がそんなことを?今のエミリーは人間ですけど、魂は神なのですから簡単に封印など出来ないはずです』

『そんなの決まってるだろ。神の魂を封印出来るのは同じ神しかいない。エミリーが神として覚醒するのを邪魔したい存在が居るってことだろう』

『もしかしたらエミリーが途中で亡くなってしまったのも、その者が関わってるかもしれないですね。人間がその者の運命を変えるには、予知能力がないと無理ですけど、今現在生きてる生物で、予知魔法を持ってるものは居ませんから』

……………、

話についていけない

私は創造主の娘で、神として覚醒するために人間として転生を繰り返してる?

「私のことを邪魔に思ってる神が何処かに居るってことですか?それって大丈夫なんですか?また死ぬことになるんじゃないですか?」

そんなの絶対にいや!!

私が死刑になるように誘導したのはパトリシアだから、私のことを邪魔に思ってるのはパトリシアってこと?

てことはパトリシアは神なの?

パトリシアと離れるためにあの家を出たのに、ここまでパトリシアが来るかもしれないの?

「お2人に確認したいんですけど、私の死に神が関わってるって言ってましたよね?それって私が死ぬ切っ掛けを作ったのは、パトリシアだからパトリシアは神ってことですか?」

『いや、それは違うな。神が人間のフリをしてたら俺達も流石に気が付く、彼女はエミリーの邪魔をしたい神が利用してるだけだろう。一方的に利用してるのか、それとも何か契約をしてるのかは流石に分からないが、何者かが彼女のサポートをしてるのは間違いない』

そっか…………

一体誰が何の目的で私を排除しようとしてるのかしら?

私の敵はパトリシアだけではなく、神様も追加されるのね

神様が敵なんて怖すぎる

『前回は神が関わってるって分からなかったから我々も干渉出来なかったが、今回からはエミリーを狙ってるのが神だとわかった以上、我々が直接守ることが出来る』

人間だけの争いなら神が干渉するのは難しいって事なのかな?

実は私が神様の娘なんて信じられないな、

いや、娘であってるのかな?

私の魂は娘ってのはどうなんだろう?

魂は創造主の娘で体は人間の娘って、なんかややこしいよね

それに私のことを狙ってる相手も気になるわよね。

私を狙ってる相手は、私が存在してるのが許せないのか、私が神として覚醒するのが許せないのかどっちなのかな?

「人間として転生を繰り返すのがなんで神としての覚醒に関係があるのですか?それと私を排除しようとしてる人物に心あまりはあるのですか?」

『転生するのは人間だけとは限らない、人間、獣人、精霊、動物、植物など色々なものに転生することになっている。色々な生命体に転生して、エミリーが神になる時に全てのものを平等に愛せるようにする為だ。大昔はこんな試練が無かったが、そのせいで我々神達が自分に似た容姿のものを贔屓するようになった。その結果が1部の種族だけが優位にたち、世界が滅びかけたんだ』

おぉ……、結構思い結末だった

そっか、1つの種族だけ贔屓されたら生活が出来なくなるのね

『神は色々な姿をしていて、私たちみたいに獣の姿をしてたり、人間と似ていたり、よく分からない生命体の姿も居るけど、1番多いのは獣と人間の姿なのよ。だから競うように人間と獣に加護を与えたりした結果、世界が滅びそうになったのよね』

力がなければ協力して生活するけど、無駄に力があると争いを産むことになるのね

その力を生活の為に使えばいいのに、昔の人は馬鹿だったのね

『それとエミリーを狙ってる人物よね。何となく予想はしてるけど確証はないのよね』

「それでも知りたいです」

『確定ではないからな、俺たちが怪しいと思ってるのは、エミリーの姉ではないかと思っている』

私の姉?

それって創造主の子供は私以外に居るってことよね。

何故、姉が私の命を狙うの?

「何故、私の身内が私のことを狙うんですか?家族が全員仲良いとか、お花畑みたいな思考回路をしてるつもりは無いですけど、会ったこともない姉に狙われるような理由があるんですか?それとも私に記憶が無いだけで、姉と何かトラブルがあるとか?」

『いや、ただの嫉妬なのよ。創造主の子供は何故か男の子が多いのよ。創造主には子供が10人居るんだけど、エミリーとその姉以外はみんな男なんだけど、その姉は2番目の子供で今までずっと両親と兄や弟に特別扱いされてきたの。だけど貴女が産まれて、貴女の家族はもちろん、他の神たちも祝福してたのよ』

『俺達もエミリーの様子をずっと観察してたぐらいだ。エミリーの魂が誕生して、すぐに人間の器に入り人間として生活してるのを、観察してるのが俺とメーネの日課になっていた。それを日課にしてるのは俺たちだけではなかった、その事がエミリーの姉は気に入らなかったんだろうな。創造主の唯一の娘だったのに、エミリーが産まれて周りの関心は産まれたばかりのエミリーに集中した』

小さい子供が弟や妹に親を取られて、癇癪を起こしてるってことね

でもその姉は2番目の子供なんだよね?

一体何歳なの?

「姉は何歳なんですか?私の魂が何歳なのかも知りたい」

『姉は1万2千歳だったかしら?貴女はまだ55歳よ』

55歳でまだなんだ…………

その姉とはかなり歳が離れてるのね。

それなのにまだ両親に執着してるなんて、正直なところ引くわね

パトリシアとその姉は性格が似てるんじゃないかな?

だから進んで力を貸したんじゃないかしら?

『そろそろエミリーはあちらに戻らないといけないわね。貴女の姉のことは私たちが何とかするから、今の貴女は人間として人生を全うすればいいわ。女神に覚醒するのはまだまだ先の話だから、今の生活を楽しむといいわよ。あちらに戻す前に貴女の封印を全て外すわね。少し痛いかもしれないけど我慢してちょうだいね』

そう言ってメーネ様は私の額に自分の額?をくっつけると、私達は光に包まれた

光が私の体に吸収されると、私は激痛に襲われた

「痛い、痛い、痛い~~~」

痛みで意識が薄れていく

こんなに痛いなんて聞いてない!!

痛みと同時に色々な映像が流れる

あれは私の1度目の人生?
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