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「魔法の構造や使い方を理解するのが鑑定日の次の日って事は、私が魔法を使えるようになるのは明日ってことですか?」

「その通りです」

「魔法の訓練をしたら空間魔法が使えるようになるって言ってましたけど、それってどんな訓練をすればいいんですか?」

空間魔法が使えないのに空間魔法の訓練って何をすればいいのかしら?

「エミリーさんは今所有してる魔法を多く使うようにすればいいだけです。エミリーさんが空間魔法を神様から何故認定されてないのか分かるのは神様だけです。エミリーご本人は勿論、私共教会の人間も理由は分かりません」

「司祭様も分からないのですか?」

教会の人なら何でも知ってると思ってたわ

「今までの経験上でなら幾つかの予想は出来ますけど、確実では無いですけどお聞きになりますか?」

「お願いします」

全く予備知識が無いのと有るのとでは、これからの行動が変わってくるわよね

「他にも理由があるかもしれませんが大体4つの理由に分かれます。1つ目は純粋に今の魔力量では使えないから認められていない、2つ目は繊細な魔力コントロールを身に付けていない、3つ目は一定年齢を越えていない、4つ目は体の成長が止まってないからですね。4つ目は成長途中に使うと、体に負担がかかるからだと言われてます」

「1つ目と2つ目なら私が魔法の練習を頑張ればいいけど、他の2つなら自分ではどうしようもありませんね」

「そうなりますね。でも魔法の練習はいくらしても無駄にはなりませんから」

確かにそうよね。

コントロールを覚えれば周りを巻き込むことも無くなるだろうし、魔力量が多ければ途中で魔力が足りなくなる心配も減るわよね

「それと今所有してる魔法でもコントロールや魔力量によって使える技が変わってきます。火なら最初は小さい火種しか無理だったものが、大きい炎を出せるようになったりもします」

「今使える魔法でもそんなに変わってくるんですね」

「神様が教えてくれる魔法は使用者が安全に使える魔法って事になりますね。もしも威力が強いのに使用者がコントロールがイマイチでは、使用者本人も危険になりますから」

神様は人間に対して過保護ってことかな?

親が子供に危険な遊びや行為を教えないって言うのと同じよね

もしも神様とお話が出来たら、あれはダメこれはダメって口出しされるのかしら?

思わず想像してしまい、私はクスクス笑ってしまった

「エミリー?急に笑いだしてどうした?」

「いえ、司祭様の話を聞いてて神様は過保護な親みたいだなって思ったんです。私たちの周りから危険な物を排除して、私たちが成長したら必要なものを与えるのは、お父様とお母様みたいですよね。そう思ったらお空から神様がそわそわしながら、私たちを見てるみたいで笑ってしまいましたわ」

「エレーナさんは面白い発想をしますね。確かに神様は私たちの親みたいなものなのかもしれないですね。私共の生活が豊かになるように魔法をお与えになったり、私達の成長の為に試練を与えたりするのは、立派に育って欲しいという、親の愛情と似てるのかもしれないですね」

私達が崇めてる神様は夫婦神だから、あながち間違いではないのかもしれないわね。

神話では、私たちの先祖はお二人の神様から産まれてきたと言われている。

神様は私たちと違い全ての魔法を自由自在に使えると言われている、お二人の子孫と言われてる私たちは、代を重ねる毎に力は弱まり今では多くて2~3個の魔法が使えるだけ、この世界には何百種類魔法があるから、力が衰えたと言われてもおかしくないわよね。

500年以上前の人達は10種類以上使えたと言われているのだから、平均魔力量も今とは全然違う、今魔力量と属性魔法両方が多い者は神から愛された者と言われている

今の私ならその条件に合うのかしら?

でも巻き戻りもそうだけど、今回の魔力鑑定は前回と全く結果が違うわね

前回は魔力量は1万で属性は火と土だけだった、だけど今回は魔力量は3万5千で魔力が火と土と光と空間(予定)、全く結果が違いすぎる

神様が私の人生に同情して、人生のやり直しと力を与えてくれたのかしら?

もしそうなら色々納得出来るわよね。

空間魔法か………

聞いたことないのよね。

一体どんな魔法なのかしら?

「司祭様、1つ質問よろしいですか?」

「何でしょうか?」

「空間魔法とは一体どんな魔法なのですか?」

「う~ん。正直に言いますと私共もよくわかってないんですよ。空間魔法を実際に手に入れたのは記録には5人しかいません。その5人全員が空間魔法について黙秘していました」

5人!?

それって何年間で5人なのかしら?

「あの………、5人ってそんなに少ないんですか?その記録は何年間の記録ですか?それと他の国も合わせてですか?」

「記録は隣国との戦争後のものなので300年間になりますね。エミリーさんみたいに空間魔法を認定されていない者を含めたら100人はいます。記録はこの国だけですね。他の国は分かりません。国によってはちゃんと管理してるのかも怪しいですね」

「それは今の時点で100人居るってことですか?それとも生きてる間ずっと認定されてない、亡くなった者も入れて100人ですか?」

「認定されず亡くなった者も入れてです。現在確認されてる認定された空間魔法持ちは1人、認定されてない空間魔法持ちはエミリーを入れて23人です」

うん………

私絶対にやばいものを手に入れたわよね

この国の人口は最低でも1億は超えてたはず

それなのに空間持ちがそれしか居ないなんて

「もしも私が空間魔法を使えるようになったら普通の暮らしは出来るんですか?それと使えるようになったら、報告の義務はあるんですか?」

「絶対に出来ると保証は出来ません。報告の義務もありませんよ」

そっか……、バレないで済む能力なら報告しないかも


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