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第ニ章

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 30分ぐらいしてからお母さんとお父さんが部屋に入ってきた。

 いつもの事とはいえ遅いよね。

 自分が住んでる屋敷なんだから、私達が全員揃ってるのは知らせが入ってるはずなのだから、すぐに来てほしいよね。

 別に外に出るわけでもないし、ここに居るのは家族だけなんだから、完璧にお洒落する必要もないのに、お母さんはいつもゴテゴテにお洒落をして来る。

 シンプルの装いなら30分も待たされることないんじゃないかな?

 誰も意見を言えないから我慢するしかないんだよね。

 どうせ意見を言っても、独自論で言い返してくるに決まってる。

「今日はみんな揃ってるみたいね~~。前回はキールが参加出来てなかったから、キールと会うのは久しぶりね」

「母上お久しぶりです。前回は申し訳ありません。母上と会える貴重な日なのに風邪を引いてしまい、残念に思っておりました」

「良いのよ。風邪を引くのはよくある事だもん。2ヶ月会わないうちにとても大きくなったね~。キールは今年で14歳だったかな?これからもっと大きくなるでしょうね。どんどん良い男になる姿を近くで見れるのは楽しみ!!」

 …………前回の食事会の時にキールお兄様は風邪を引いていたから、キールお兄様だけ別の日に会ってると思ってたけど違ったんだ。

 今までは食事会の時に参加できなかった人が居なかったから知らなかった。

 それなら次からは無理する必要がないかな?

 今までは後日にお母さんと個別で会うのが嫌で、ちょっと体調が悪かったとしても無理して参加してた、だけどそのまま会わないで済むなら、体調が悪い時は無理して参加するの止めよう。

 ミリーにも心配かけるだけだしね。

 お母さんとお父さんが席に着くと、次々に食事が運ばれてくる。

「あら?今日はいつもと席順が違うのね?」

「たまには私もお母様の隣で食事をしたかったんです。お母様は今日も綺麗で私の憧れですわ!!」

「あら~、ミネバは嬉しいことを言ってくれるわね。貴女は私とロルフの良いところだけを受け継いでるから、将来はきっと男性からの求婚が絶えないでしょうね~」

 お母さんは自分に一番似ているミネバお姉様を1番可愛がってるのよね。

 その次にキールお兄様、カイリお兄様、アイリーン、私の順番で可愛がっている。

 ミネバお姉様以外は父親に似ていて、私だけがどちらとも似てないんだよね?

 本当に全く似ていない。

 親子だって言われたらビックリされると思うぐらい似てないんだよね~~~

 でもクリス伯父さんとは、何故か何処となく似てる気がする。

 クリス伯父さんはお父さんの兄だから似ていてもおかしくないけど、お父さんに似てなくてクリス伯父さんに似ていたら、お母さんとクリス伯父さんが不倫したんじゃないかって、疑う人も現れてもおかしくないけど、この2人だと絶対にあり得ないんだよね。

 お母さんはクリス伯父さんに気はあるみたいだけど、クリス伯父さんはお母さんの事を嫌ってるんだよね。

 私がその場に居ない時は、お母さんを避けてると噂で聞いたことがある。

 お祖父ちゃんとお祖母ちゃんとリチャード伯父さんも、お母さんを嫌ってるみたいだけど避けたりはしないみたい。

 リチャード伯父さんは奥さんであるアマンダ様がそばに居ない時は、なるべく会わないようにしてるみたいだけどね。

 お母さんなら既成事実を作りそうだから、その判断は間違ってないと思う。

 お母さんは誰かが自分以外の女性を優先してるのが、とにかく気に入らないみたいなんだよね。

 それがその人の奥さんだったとしても、表向きはそんな態度は取らないけど、人が居なくなったあとにボロクソ言ってるのを聞いたことがある。

 あの時は私がまだ2歳だったから、言ってる意味を理解してないと思っていたみたいで、私の目の前でグチグチ言っていたのを何回か見たことがある。

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