上 下
19 / 37

無限にイクッ8(SM調教)

しおりを挟む
「二宮。残業だ」

 業務中に早乙女に呼び止められた。残業──その言葉を聞いて、佳織の身体の芯が熱くなる。

「はい、専務」

 いつの間にか、残業を心待ちにしていた。氷室は見て見ぬふりをしている。早乙女の言う残業は大事なことだからだ。

(ああ…今日はどんなことをしてくれるの……)

 ジワリと秘部が濡れるのを感じた。気づけば甘い牢獄の中にいて、佳織はここから抜け出す鍵を失っていた。


 早乙女に連れて来られたのは、ホテルの一室だった。

(でも、ここって……)

 普通のホテルではなく、二人が訪れたのはラブホテルだった。早乙女がロビーで部屋の鍵を受け取る。

(やだ、緊張してきた)

 早乙女の後を大人しく付いて行くだけだ。この二人が激しく交わるなどと誰が思うだろうか──?

「ここだ」

 部屋に一歩足を踏み入れたら、それは調教の始まりだ。逃げられない。

「ふっ。調教にぴったりの部屋だな」

 早乙女が怪しく微笑む。ここはラブホテル内のSM部屋だった。

 室内で一際目を引く道具が設置されている。佳織にとって普通の会社員をしていたら、実物を見ることもない道具だ。コンクリートの壁に真っ赤なX字の磔台、四肢を拘束するベルトにチェーン、調教には必要不可欠な鞭も置いてあった。

「っ……」

 佳織は思わずX字の磔台から目を逸らす。

「二宮。服を脱げ」

「──はい」

 調教が始まる。

 命令通りに全裸になった佳織は、磔台の前に立たされた。

「両手両脚を開いて、腰を前に出せ」

「っ」

 恥ずかしくて堪らないのに、早乙女の言われるがままに両手両脚を開き、無毛の秘部を早乙女に差し出すような体勢をとる。

「そのままでいろ」

 カチャカチャ音がする。磔台の先端に付いている金属チェーンの音だ。チェーンの先には黒いベルトが付けられている。

「あっ、痛い!」

 ギュッと四肢を拘束された。ついこの前の接待でも拘束されたが、あの時は優しかった。

「調教だからな。このくらいはさせてもらうぞ」

「は、はい……」

 薄暗い室内に数個置かれた照明が、艶めかしさのある灯りで、X字の磔台に拘束された全裸の佳織を照らす。


 早乙女は再び怪しく微笑むと、佳織に触れるか触れないか微妙な距離で、佳織の耳に口づけ、軽く耳たぶを噛む。

「っ、はっ…」

 佳織は甘くて眩むような感覚に襲われた。

「ん……ふっ、あ…」

 早乙女は、じっくり佳織の耳を堪能している。

(どうして耳ばかり。早く他も触って……)

 焦りが体温を上げていく。

「身体が熱くなっているな」

「っ……!」

 間近で冷たく佳織を見下ろす早乙女の視線に射抜かれて、佳織の顔が更に熱を帯びた。

「まだ調教は始まったばかりだぞ?」

「うっ…」

 唇にキスをされながら、指で乳首を弄られる。

(あ、そこ、いい……専務の指、好き…)

 早乙女は、妖艶な仕草で佳織の柔肌を犯していく。

(アソコがもう限界……)

 クチャリ──儚い水音を立ててしまう。早くここを埋めて。犯して。願ってしまう。

「ふ…あん……」

 潤んだ切ない瞳で見上げ、頬を紅潮させ、艶のある唇で懇願する。

「もっと……シテ…」

「どうやら拘束プレイが好きになったようだな」

「っ、そんなことないです……」

 佳織は首を左右に振りながら、拳を握りしめる。早乙女が佳織の下半身に視線を移すと、そこは濡れていた。

「淫乱め。恋人でもない男の前で濡れて恥ずかしくないのか?」

「んっ…はぁっ……ぁ」

 早乙女が指三本を膣に挿れて、グチャグチャ掻き回す。

「ああああんっ、はぁっ、あんっ、あんっ、あんっ」

 身体が悦びの反応を見せる。

「二宮。今日はもっと楽しませてやる」

 早乙女は佳織を調教している時にふと思うことがあった。上司と部下。それだけの関係なのにどうして心が掻き乱されるのか。

 男と女だからか。

 雄と雌。

 佳織は、早乙女にとって性欲を満たす為の道具でもある。


 早乙女がバラ鞭を手にして佳織の前に立つ。

「せ、専務……ま、待って──」

 次の瞬間、バチインッと音が響いた。

「きゃっ…」

 しかし、想像より痛くなかった。

(あれ……?)

「ふん。こんなものか。まあ、初めから一本鞭は痛いだろうからな」

(一本鞭って、そんなの痛いに決まってるじゃない!)

 バチンッ!

「あんっ」

 バチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッ!!

「やっ…あぁん…」

 身悶えするような甘美な刺激に、何度も声を上げて、身体を震わせる。

「ぁ…あんっ…」

 早乙女が鞭を振り上げ、佳織の裸体に叩きつける。

「アハァンッ!」

 その度に佳織は喘いだ。室内に絶えず響く女の喘ぎ声──早乙女は口元に笑みをうかべている。

「そうだ。もっと啼け」

「あ゛ああああっ…あぁっ…あんっ…」

 バチンッ!

「アァァ…!」

 バラ鞭で打たれる度に、佳織は呼吸を乱して、紅潮した顔に汗を滲ませ、瞳を潤ませながら、その裸体を揺らす。裸体が揺れる度に、四肢を拘束しているベルトの先の鎖の音が部屋に響いた。

「鞭も初めてだろう?」

「は、い……」

「どうだ?」

 早乙女が妖艶な瞳で見下ろして、バラ鞭を振るう。

「あんっ、もっと、もっとシテ!」

「お前はドMだな」

 バラ鞭で佳織の身体を容赦なく叩く。叩かれる度に甘い刺激が襲うのだ。

「はあ、はあ、ああ……」

 早乙女と目が合うと、鼓動が跳ねた。

「ここにも刺激が欲しいだろ?」

 早乙女は鞭の持ち手で佳織のクリトリスを押した。

「あっ、せ……専務、クリは……やあっ」

「知っている。ここがお前の弱点なんだろ」

 ニヤリと笑いながら、バラ鞭の持ち手でクリトリスを押しつぶす。

「ひいゃあああああああああんっ!」

「さあ、イケ」

 グリグリと強い刺激を与えられて、佳織は悶絶する。

「あっ、あんっ、イクッ、イクッ、イクッ、イクッ、イクッ、イクッ!!」

 ガシャン!

 凄まじくイった佳織は倒れたくても四肢を拘束されているので、倒れることができなかった。

 早乙女が満足そうに微笑む。

「褒美をやろう」

「え……」

 手際良く拘束を解いて、佳織を両腕に抱えてベッドに向かった。

「せ、専務……」

 ベッドに下ろされたのも束の間だった。突然佳織の身体を灼熱の楔が貫く。

「ああんっ!」

「くっ、締まるな……まったく、お前というやつはっ」

「あんっ、はっ、凄い、専務の熱いっ、ああん!」

 パンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッ!!

(激しいわ、もうこんなの、イク!)

 佳織が理性を無くすのと同時に早乙女も理性を無くした。ただ目の前にいる女を貪る。二人は互いに欲望を曝け出す。

「ふっ、ふっ、ふんっ、はあ、あんっ、ああ、ふんっ、ああっ」

 窒息してしまいそうだった。

「くっ、二宮……」

「ああんっ!!」

 佳織はまだX字の磔台に拘束されていたときの余韻を引きずったまま、絶頂を迎えた。

 歪な関係と誰にも言えない残業。このラブホテルの一室が、これから先の佳織の調教部屋となるのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】鬼上司は今日も私に甘くない

白波瀬 綾音
恋愛
見た目も中身も怖くて、仕事にストイックなハイスペ上司、高濱暁人(35)の右腕として働く私、鈴木梨沙(28)。接待で終電を逃した日から秘密の関係が始まる───。 逆ハーレムのチームで刺激的な日々を過ごすオフィスラブストーリー 法人営業部メンバー 鈴木梨沙:28歳 高濱暁人:35歳、法人営業部部長 相良くん:25歳、唯一の年下くん 久野さん:29歳、一個上の優しい先輩 藍沢さん:31歳、チーフ 武田さん:36歳、課長 加藤さん:30歳、法人営業部事務

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

【R18】エリートビジネスマンの裏の顔

白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます​─​──​。 私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。 同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが…… この生活に果たして救いはあるのか。 ※完結済み、手直ししながら随時upしていきます ※サムネにAI生成画像を使用しています

イケメンドクターは幼馴染み!夜の診察はベッドの上!?

すずなり。
恋愛
仕事帰りにケガをしてしまった私、かざね。 病院で診てくれた医師は幼馴染みだった! 「こんなにかわいくなって・・・。」 10年ぶりに再会した私たち。 お互いに気持ちを伝えられないまま・・・想いだけが加速していく。 かざね「どうしよう・・・私、ちーちゃんが好きだ。」 幼馴染『千秋』。 通称『ちーちゃん』。 きびしい一面もあるけど、優しい『ちーちゃん』。 千秋「かざねの側に・・・俺はいたい。」 自分の気持ちに気がついたあと、距離を詰めてくるのはかざねの仕事仲間の『ユウト』。 ユウト「今・・特定の『誰か』がいないなら・・・俺と付き合ってください。」 かざねは悩む。 かざね(ちーちゃんに振り向いてもらえないなら・・・・・・私がユウトさんを愛しさえすれば・・・・・忘れられる・・?) ※お話の中に出てくる病気や、治療法、職業内容などは全て架空のものです。 想像の中だけでお楽しみください。 ※お話は全て想像の世界です。現実世界とはなんの関係もありません。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 ただただ楽しんでいただけたら嬉しいです。 すずなり。

女の子がひたすら気持ちよくさせられる短編集

恋愛
様々な設定で女の子がえっちな目に遭うお話。詳しくはタグご覧下さい。モロ語あり一話完結型。注意書きがない限り各話につながりはありませんのでどこからでも読めます。pixivにも同じものを掲載しております。

女の子がいろいろされる話

ききょきょん
恋愛
女の子がいじめらたり、いじられたり色々される話です。 私の気分であげるので、性癖とか方向性はぐちゃぐちゃです、よろしくお願いします。 思いついたら載せてくゆるいやつです。。

お屋敷メイドと7人の兄弟

とよ
恋愛
【露骨な性的表現を含みます】 【貞操観念はありません】 メイドさん達が昼でも夜でも7人兄弟のお世話をするお話です。

処理中です...