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 気が付くと私はベッの上にいた。窓の外は朝日が丁度昇り始め、灯を使うことなく部屋の中を確認することができた。私の寝ているベッドに頭だけをつけてルイが寝ていた。

「そうだ、魔法陣を発動したから限界がきて眠くなってしまったのだ」

 昨夜のことは思い出したが頭がうまく回らない。
 あの時発作がでそうになり、魔法陣を発動したら止まった。なぜあの魔法陣で発作が出なくなったのかよく分からない。

「う……ルカ」

 ルイは目が覚めたようで身体をゆっくりと起こした。私の顔を見ると安心したように笑顔をみせてくれた。おそらく外務室からここまでルイが運んでくれたのであろう。いくらこの身体が軽いとはいえ、申し訳なく思う。

「あ、昨日の話聞きたいよね。体大丈夫なら叔父の私室へいくよ」

 明るく話すルイに頷くとなんとなく自分の匂いを嗅いだ。オリビア嬢に中にいるおじさんがお風呂を請求していたのを思い出したのだ。確かに汗臭かった。服は寝巻になっており清潔なものであるが私自身が汗臭い。今まで気にしなかったが言われると気になるものだ。叔父に会う前に水浴びいこうとルイを誘うと二つに返事を返してくれた。

 水浴びの前にいつも演習場で手合わせをした。ルイとはほぼ互角である。これだとお互いに強くなっているのが変わらないのかよく分からない。早く護衛騎士のマリア隊長と手合わせがしたいと思った。
しかし、これからハリー・ナイトに調査や裁判があるためそれがいつ実現するか分からない。残念でならない。

「……」

 考え事をしながら池の周りを歩いていたため滑り池の中へ飛び込んでしまった。そして運悪く、股間を石にぶつけてしまったのだ。水浴びのため全裸になっていたため直接当たってしまった。本当に声がでない。

「ルカ」

 同じく裸のルイが心配してくれるが返事をする余裕ない。私は生涯こんなものは使わないのだから弱点にしかならないと本気で思った。

 しばらくモノをおさえながら悶えていると痛みがひいてきたため心が落ち着てきた。自分のモノを見ると少し赤くなっているように見える。それを見ながら、ふとおじさん令嬢のことを思い出した。あの人はお風呂に入りたがっていたが女の子の身体で大丈夫なのか心配になった。オリビア嬢は私と同い年のため多分凹凸のない身体だと思うがそれに興奮したらと心配になる。

「ルカ、大丈夫」

 服を着たルイが心配そうにタオルを差し出しながら再度声をかけてくれた。そのタオルを受け取りながら起き上ると濡れた体をふいた。そして股間を覆うように腰にまいた。
 男は布を腰にまくだけで事が足りるから楽でいいと思った。裸になっても女だったころの様に文句を言われないのは本当に清々しい。

「ごめん。大丈夫、ちょっとオリビア嬢のこと考えていてさ」

「オリビア嬢……。あ、従者ルーク訪問の件だね」

「あっ」

 思わず大きな声がでてしまった。その声にルイはビクリと動かし大きな目で私の方をみた。それから何かを思ったように目を細めた。

 いろいろな事がありすぎでルーク訪問の件をすっかり忘れていた。メールではなく手紙を書き使者を送らなくてはならないため届くまでの時間がかかる。来週はハリー・ナイトの裁判だというし、彼を招いている時間はないように思う。

「やっぱり忘れていたね。オリビアの従者は今日の午後くるよ。そして明日はグレース殿下のもとへ行くから」
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