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私が無理やりに別の話にしようとしたのを怒っていると勘違いしたようでルイは慌てている。
「あのさ、ルカに罵倒された事をずっと喜んでいたわけじゃないよ。ルカが倒れて心配して最初は暗い気持ちだったよ。」
だから、目を覚ました時重い空気であったのかと納得した。それはとても嬉しく思うが今はっきりと“罵倒されて喜んでいた”と言った。聞き逃す事ができない。
やっぱり気持ちが悪い。
人の性癖を否定するつもりはない。SMだって第三者として見るなら大歓迎である。しかし、対象が私である事が問題なのである。私に夢属性はない。
ため息をつきながら、ルイの顔を押して乗り出した身体を戻すように促した。ルイは素直に従い元の姿勢に戻る。
「心配してくれて嬉しいよ。ありがとう。」
心配そうにルイが私の手越しに見てくるのでお礼は言った。そもそも、私をここまで運んできてくれたのだから感謝している。私の方が少し体重が軽いかも知れないが大して差はない。
漫画の表紙を飾る彼らは双子のようであった。
「それで私が倒れた理由とルイが魔法陣を使っていた話をしたいんだけど。」
私の言葉にルイは頷く。さっきの高揚した表情とは違い真面目な顔になった。
二人で昨夜の事を思い出した。
ルイにどこまでおぼえているか聞かれたため素直に答えた。
あの時は早速監視魔法の作成にかかった。ルイは口を押さえて考えながら、青い目を仕切りに動かして部屋中を見渡している。
「監視だから、対象の場所を見る事とそれを違う場所で見れるようにする事の二つが対にとなると思う。」
カメラやテレビの概念がないこの世界でよく思いつくと感心する。私はその概念があっても監視魔法陣の作り方がさっぱり分からない。さっきのウサギ耳の件もそうだが、ルイが魔法陣を創作できれば最強だと思う。
「まず、対象を映すため、絵を撮る魔法陣を作ろうと思う。」
ビデオって事だよね。
言ってる事は理解できるが、どうすればいいかがさっぱり分からない。
ルイは相変わらず手を口に当ててブツブツとつぶやいている。そして、立ち上がると図書室内を歩き回りだした。
「あ、じゃ絵を観る魔法陣もできる…」
時々、はっきりとした声が聞こえる。
突然立ち止まり、そこから図書室内を見渡して頷いている。
何かわかったのかなぁ。
自分で考える事を放棄していると凄い速さでルイが私の方に戻ってきた。目の前にあった家系図の本をどかしてその場所に座ると目をしっかりと合わせてきた。
「近い」
相変わらずの顔の近さに手で顔押すとその手を掴み横に逸らされる。その手を引かれたため更に顔が近くなる。
普通なら不愉快に思うがルイの美形アップに魅入ってしまう。
「ルカはいつもここで魔法陣の練習してるんだよね。アーサーが図書室に入ってきた時も魔法陣の練習してたよね。」
真剣な顔が近づいてくる迫力に負け、頷いた。この程度ならアーサーの創作魔法陣使用可能を話した事にならないだろう。
でも、崖っぷちにいる気がする。
私の様子を気にする事なく、手を離すと目の前に座りまた口に手を当ててブツブツと独り言を始める。自分の世界に入ると周りが見えなくなるお子様だと思う。
新しい玩具を与えられたら子どもという表現がよくあう。
そういえば、ルイは愛する人のためということを免罪符に手段を選ばない嫌いがある。だから大変な事をしてしまうのである。
でも、それは周りの人も同じ傾向にはある。親族結婚を繰り返したせいか本当に王族の血族はおかしい。そのおかしいは私の前世の感覚であり王族の権限が強い我が国では問題ないようである。むしろ普通のようだ。
しかし、曾祖父であるエドワード国王から親族結婚をやめている。
なんでだろう。
「違うこと考えている?今の方法で魔法陣組んで欲しいたけど。」
ルイに声を掛けられて目の前にいた事を思い出す。この至近距離で何か魔法陣の方法を言われらしい。
全く話を聞いていなかった。
私が全く聞いていなかったのを察したのであろう。ため息をつくと立ち上がり棚へかけよるとペンとインク、紙を持ってきた。その紙を私の前に置くとスラスラと文字を書き出した。パソコンで打ったような整った文字である。
「これ」
今、ルイが文字を書いた紙を私の方に向けた。
言葉では理解できないと思われたようだ。手間を掛けさせては申し訳ないと思う。
「あのさ、ルカに罵倒された事をずっと喜んでいたわけじゃないよ。ルカが倒れて心配して最初は暗い気持ちだったよ。」
だから、目を覚ました時重い空気であったのかと納得した。それはとても嬉しく思うが今はっきりと“罵倒されて喜んでいた”と言った。聞き逃す事ができない。
やっぱり気持ちが悪い。
人の性癖を否定するつもりはない。SMだって第三者として見るなら大歓迎である。しかし、対象が私である事が問題なのである。私に夢属性はない。
ため息をつきながら、ルイの顔を押して乗り出した身体を戻すように促した。ルイは素直に従い元の姿勢に戻る。
「心配してくれて嬉しいよ。ありがとう。」
心配そうにルイが私の手越しに見てくるのでお礼は言った。そもそも、私をここまで運んできてくれたのだから感謝している。私の方が少し体重が軽いかも知れないが大して差はない。
漫画の表紙を飾る彼らは双子のようであった。
「それで私が倒れた理由とルイが魔法陣を使っていた話をしたいんだけど。」
私の言葉にルイは頷く。さっきの高揚した表情とは違い真面目な顔になった。
二人で昨夜の事を思い出した。
ルイにどこまでおぼえているか聞かれたため素直に答えた。
あの時は早速監視魔法の作成にかかった。ルイは口を押さえて考えながら、青い目を仕切りに動かして部屋中を見渡している。
「監視だから、対象の場所を見る事とそれを違う場所で見れるようにする事の二つが対にとなると思う。」
カメラやテレビの概念がないこの世界でよく思いつくと感心する。私はその概念があっても監視魔法陣の作り方がさっぱり分からない。さっきのウサギ耳の件もそうだが、ルイが魔法陣を創作できれば最強だと思う。
「まず、対象を映すため、絵を撮る魔法陣を作ろうと思う。」
ビデオって事だよね。
言ってる事は理解できるが、どうすればいいかがさっぱり分からない。
ルイは相変わらず手を口に当ててブツブツとつぶやいている。そして、立ち上がると図書室内を歩き回りだした。
「あ、じゃ絵を観る魔法陣もできる…」
時々、はっきりとした声が聞こえる。
突然立ち止まり、そこから図書室内を見渡して頷いている。
何かわかったのかなぁ。
自分で考える事を放棄していると凄い速さでルイが私の方に戻ってきた。目の前にあった家系図の本をどかしてその場所に座ると目をしっかりと合わせてきた。
「近い」
相変わらずの顔の近さに手で顔押すとその手を掴み横に逸らされる。その手を引かれたため更に顔が近くなる。
普通なら不愉快に思うがルイの美形アップに魅入ってしまう。
「ルカはいつもここで魔法陣の練習してるんだよね。アーサーが図書室に入ってきた時も魔法陣の練習してたよね。」
真剣な顔が近づいてくる迫力に負け、頷いた。この程度ならアーサーの創作魔法陣使用可能を話した事にならないだろう。
でも、崖っぷちにいる気がする。
私の様子を気にする事なく、手を離すと目の前に座りまた口に手を当ててブツブツと独り言を始める。自分の世界に入ると周りが見えなくなるお子様だと思う。
新しい玩具を与えられたら子どもという表現がよくあう。
そういえば、ルイは愛する人のためということを免罪符に手段を選ばない嫌いがある。だから大変な事をしてしまうのである。
でも、それは周りの人も同じ傾向にはある。親族結婚を繰り返したせいか本当に王族の血族はおかしい。そのおかしいは私の前世の感覚であり王族の権限が強い我が国では問題ないようである。むしろ普通のようだ。
しかし、曾祖父であるエドワード国王から親族結婚をやめている。
なんでだろう。
「違うこと考えている?今の方法で魔法陣組んで欲しいたけど。」
ルイに声を掛けられて目の前にいた事を思い出す。この至近距離で何か魔法陣の方法を言われらしい。
全く話を聞いていなかった。
私が全く聞いていなかったのを察したのであろう。ため息をつくと立ち上がり棚へかけよるとペンとインク、紙を持ってきた。その紙を私の前に置くとスラスラと文字を書き出した。パソコンで打ったような整った文字である。
「これ」
今、ルイが文字を書いた紙を私の方に向けた。
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