42 / 131
42限目 新しい家政婦
しおりを挟む
朝食を終えると、リョウの専属家政婦ユリコにレイラの専属家政婦だと伊藤(いとう)カナエを紹介された。
カナエは先程まで話題に出ていた彩花(あやか)に瓜二つの顔をしていた。
(だから、兄貴は朝来て中村彩香の話をしたのか)
レイラは危うく大声を上げそうになったが必死に取り繕い笑顔で挨拶をした。
2人は笑顔で、レイラの前に立つと頭を下げた。レイラも立ち上がり挨拶をした。
「それでは、これから今後の事について打ち合わせをしたいと思いますがよろしいでしょうか?」
レイラはユリコの言葉に頷くと、手のひらを上にして目の前にある椅子をさした。
「承知致しましたわ。お2人共お座りになって下さい」
二人はおじぎをしてから椅子に座った。
カナエの顔を見れば見るほど彩花にそっくりであるため、レイラは笑顔が引きつるのを必死で我慢した。
(コイツは彩花のなんなんだ?)
「改めまして、伊藤カナエです。レイラさんの担当になりました。よろしくお願い致します」
「ええ、お願いしますわ」
カナエがテーブルにおでこがつく、ぐらい深くお辞儀をすると、レイラは軽く首を曲げた。
「家政婦の皆さん、名前で呼んでいますのでカナエさんと呼ばせて頂きますわね」
「はい。よろしくお願い致します」
カナエは緊張しながらも笑顔で答えた。
(とりあえず、打ち解けないなぁ。それから彩香との関係をさぐるか)
レイラはとりあえず、彼女の緊張をとこうと質問した。
「カナエさんは何か得意なことはありますか?」
「得意な事ですか。編み物が得意です」
「編み物って時間が掛かりますわよね。忙しい中、時間を作るのがとても上手なのですね。素晴らしいわ」
レイラは両手を合わせて、口元に持ってくると大げさに褒めた。カナエはそれに照れたように下を向いて笑った。
その様子をユリコが目を細めて、見ていた。彼女の顔は笑顔であったが目は一切笑っていなかった。
「いえ……、動けない時期があったものですから」
「動けない……? どうなさったのですか?」
レイラは眉を下げて、首を傾げて手をさすりながらカナエの方を見た。
「あの……実は」
カナエは小さな声でつぶやくように言葉を発した。そして、チラリとユリコの方を見た。ユリコは相変わらず笑顔だが、一切口を開かない。
カナエは困ったような顔をしてレイラを見た。
「ユリコさん。少し二人にして下さいますか?」
「承知いたしました」
ユリコは笑顔のまま、席を立ち「失礼します」と頭を下げると部屋を出て行った。給仕担当のタエコは疾(と)うの昔に居間を退室しているため、そこにはレイラとカナエの二人きりになった。
レイラはユリコが退室したのを確認すると、テーブルから身を乗り出した。そして、テーブルの上にあったカナエの両手を自分の手でそっと包んだ。
「不安な事があるならどんな事でもおっしゃって下さい。これから、私の担当をして頂くのです」
「……」
戸惑うカナエに、レイラは少し顔を近づけてなるべく優しい声なるように心がけて、言葉を掛けた。
「もちろん、他言は致しませんわ」
その途端、カナエの顔は桜のように薄いピンクに染まった。
(俺(レイラ)の美しさに見惚れたか? これは何かきけるじゃね。チョロいな)
彼女の桃色に染まった顔を見て、レイラは更にあたたかな微笑みを向けた。
(よし、いけ。はなすんだ)
「あの……わ、私」
カナエの言葉が耳に入るとレイラは、全身全霊で彼女の方に意識を向けた。
しかし……。
何かを話そうとしたが、言葉を止めた。そして、下を向いてフルフルと子鹿の様に首を振った。
レイラは少し考えてから、立ち上がった。
彼女の真横に立つと再度、両手でそっと彼女の手に触れた。
すこし、かがみ自分の視線がカナエの下に来るようにした。
(体勢きついが仕方ねぇ。膝(ひざ)をつくと下すぎんなだよな)
カナエは目を大きくて、レイラの方を向いた。
「カナエさん、心配なさらないでください。お話は父から聞いております」
「え?」
レイラの言葉にカナエは目をキョロキョロと動かして落ち着きを失った。
(名前しか聞いてねぇけどな。しかも手紙だ。だから、ちゃんとしりてぃ。)
カナエの彩花と似ている容姿。
カナエに動けない時期があった。
中村夫婦に隠し子はいない。
(カナエと彩花が関係ないとしても俺(レイラ)の家政婦になるんだからな。まぁ、とりあえずキーワードでもつぶやつか。違うのなら友だちの話とか言えばいいかぁ)
「あ、あやか」
レイラがボソリと呟くとカナエはビクリと身体を動かいた。
彼女はテーブルに視線を落とし、顔を強張らせて唇と手に力が入っている。
「そうですか。全部知っておられるのですね」
カナエは蚊の羽音(はおと)のように、かすかで弱々しい声で話始めた。頬同士が触れそうな距離までレイラはカナエに近づいたが、彼女の声は聞き取りにくかった。レイラは全神経を耳に集中させた。
カナエはレイラに触られていない手で自分の胸を抑えて、じっとテーブルを見つめた。
「カナエさん」
レイラはゆっくりと彼女の名前を呼ぶと、触れている手をなぜた。すると、カナエの身体がピクリと動いた。
「……」
彼女は下を向いたまま、何も言わない
(うーん、だんまりかぁ。初対面で聞き出すのは難しいよなぁ)
レイラは目をつぶりゆっくり開けた。
(よし、話をかえよう)
「カナエさんはなぜ、大道寺(ここ)で働こうと思ったのですか」
レイラの言葉を聞くと、カナエは頭を上げてレイラの方をみた。その顔はほんのり赤みを帯びていた。
「家政婦派遣会社を紹介してくださった方がいたのです」
「どなたですか?」
「し、知り合いです」
(知り合いねぇ。今日はこれが限界かな)
「そうですか。本日は顔合わせですので、実際の勤務は明日からお願いしますわ」
レイラは優しい笑顔を作った。
カナエは困ったような表情を見せたが、何度か頷いた。
その時。
扉を叩く音が聞こえた。レイラが返事をすると、「失礼致します」と言ってユリコが入室してきた。
「レイラさん、そろそろよろしいでしょうか? 次のご予定の時間が迫っております」
「ええ」
レイラが返事をすると、ユリコはカナエに帰るように促し、二人はレイラに挨拶をするとその場を去った。
誰もいなくなった居間でレイラはゆっくりと息を吐いた。
カナエは先程まで話題に出ていた彩花(あやか)に瓜二つの顔をしていた。
(だから、兄貴は朝来て中村彩香の話をしたのか)
レイラは危うく大声を上げそうになったが必死に取り繕い笑顔で挨拶をした。
2人は笑顔で、レイラの前に立つと頭を下げた。レイラも立ち上がり挨拶をした。
「それでは、これから今後の事について打ち合わせをしたいと思いますがよろしいでしょうか?」
レイラはユリコの言葉に頷くと、手のひらを上にして目の前にある椅子をさした。
「承知致しましたわ。お2人共お座りになって下さい」
二人はおじぎをしてから椅子に座った。
カナエの顔を見れば見るほど彩花にそっくりであるため、レイラは笑顔が引きつるのを必死で我慢した。
(コイツは彩花のなんなんだ?)
「改めまして、伊藤カナエです。レイラさんの担当になりました。よろしくお願い致します」
「ええ、お願いしますわ」
カナエがテーブルにおでこがつく、ぐらい深くお辞儀をすると、レイラは軽く首を曲げた。
「家政婦の皆さん、名前で呼んでいますのでカナエさんと呼ばせて頂きますわね」
「はい。よろしくお願い致します」
カナエは緊張しながらも笑顔で答えた。
(とりあえず、打ち解けないなぁ。それから彩香との関係をさぐるか)
レイラはとりあえず、彼女の緊張をとこうと質問した。
「カナエさんは何か得意なことはありますか?」
「得意な事ですか。編み物が得意です」
「編み物って時間が掛かりますわよね。忙しい中、時間を作るのがとても上手なのですね。素晴らしいわ」
レイラは両手を合わせて、口元に持ってくると大げさに褒めた。カナエはそれに照れたように下を向いて笑った。
その様子をユリコが目を細めて、見ていた。彼女の顔は笑顔であったが目は一切笑っていなかった。
「いえ……、動けない時期があったものですから」
「動けない……? どうなさったのですか?」
レイラは眉を下げて、首を傾げて手をさすりながらカナエの方を見た。
「あの……実は」
カナエは小さな声でつぶやくように言葉を発した。そして、チラリとユリコの方を見た。ユリコは相変わらず笑顔だが、一切口を開かない。
カナエは困ったような顔をしてレイラを見た。
「ユリコさん。少し二人にして下さいますか?」
「承知いたしました」
ユリコは笑顔のまま、席を立ち「失礼します」と頭を下げると部屋を出て行った。給仕担当のタエコは疾(と)うの昔に居間を退室しているため、そこにはレイラとカナエの二人きりになった。
レイラはユリコが退室したのを確認すると、テーブルから身を乗り出した。そして、テーブルの上にあったカナエの両手を自分の手でそっと包んだ。
「不安な事があるならどんな事でもおっしゃって下さい。これから、私の担当をして頂くのです」
「……」
戸惑うカナエに、レイラは少し顔を近づけてなるべく優しい声なるように心がけて、言葉を掛けた。
「もちろん、他言は致しませんわ」
その途端、カナエの顔は桜のように薄いピンクに染まった。
(俺(レイラ)の美しさに見惚れたか? これは何かきけるじゃね。チョロいな)
彼女の桃色に染まった顔を見て、レイラは更にあたたかな微笑みを向けた。
(よし、いけ。はなすんだ)
「あの……わ、私」
カナエの言葉が耳に入るとレイラは、全身全霊で彼女の方に意識を向けた。
しかし……。
何かを話そうとしたが、言葉を止めた。そして、下を向いてフルフルと子鹿の様に首を振った。
レイラは少し考えてから、立ち上がった。
彼女の真横に立つと再度、両手でそっと彼女の手に触れた。
すこし、かがみ自分の視線がカナエの下に来るようにした。
(体勢きついが仕方ねぇ。膝(ひざ)をつくと下すぎんなだよな)
カナエは目を大きくて、レイラの方を向いた。
「カナエさん、心配なさらないでください。お話は父から聞いております」
「え?」
レイラの言葉にカナエは目をキョロキョロと動かして落ち着きを失った。
(名前しか聞いてねぇけどな。しかも手紙だ。だから、ちゃんとしりてぃ。)
カナエの彩花と似ている容姿。
カナエに動けない時期があった。
中村夫婦に隠し子はいない。
(カナエと彩花が関係ないとしても俺(レイラ)の家政婦になるんだからな。まぁ、とりあえずキーワードでもつぶやつか。違うのなら友だちの話とか言えばいいかぁ)
「あ、あやか」
レイラがボソリと呟くとカナエはビクリと身体を動かいた。
彼女はテーブルに視線を落とし、顔を強張らせて唇と手に力が入っている。
「そうですか。全部知っておられるのですね」
カナエは蚊の羽音(はおと)のように、かすかで弱々しい声で話始めた。頬同士が触れそうな距離までレイラはカナエに近づいたが、彼女の声は聞き取りにくかった。レイラは全神経を耳に集中させた。
カナエはレイラに触られていない手で自分の胸を抑えて、じっとテーブルを見つめた。
「カナエさん」
レイラはゆっくりと彼女の名前を呼ぶと、触れている手をなぜた。すると、カナエの身体がピクリと動いた。
「……」
彼女は下を向いたまま、何も言わない
(うーん、だんまりかぁ。初対面で聞き出すのは難しいよなぁ)
レイラは目をつぶりゆっくり開けた。
(よし、話をかえよう)
「カナエさんはなぜ、大道寺(ここ)で働こうと思ったのですか」
レイラの言葉を聞くと、カナエは頭を上げてレイラの方をみた。その顔はほんのり赤みを帯びていた。
「家政婦派遣会社を紹介してくださった方がいたのです」
「どなたですか?」
「し、知り合いです」
(知り合いねぇ。今日はこれが限界かな)
「そうですか。本日は顔合わせですので、実際の勤務は明日からお願いしますわ」
レイラは優しい笑顔を作った。
カナエは困ったような表情を見せたが、何度か頷いた。
その時。
扉を叩く音が聞こえた。レイラが返事をすると、「失礼致します」と言ってユリコが入室してきた。
「レイラさん、そろそろよろしいでしょうか? 次のご予定の時間が迫っております」
「ええ」
レイラが返事をすると、ユリコはカナエに帰るように促し、二人はレイラに挨拶をするとその場を去った。
誰もいなくなった居間でレイラはゆっくりと息を吐いた。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
美人すぎる姉ばかりの姉妹のモブ末っ子ですが、イケメン公爵令息は、私がお気に入りのようで。
天災
恋愛
美人な姉ばかりの姉妹の末っ子である私、イラノは、モブな性格である。
とある日、公爵令息の誕生日パーティーにて、私はとある事件に遭う!?
王子妃だった記憶はもう消えました。
cyaru
恋愛
記憶を失った第二王子妃シルヴェーヌ。シルヴェーヌに寄り添う騎士クロヴィス。
元々は王太子であるセレスタンの婚約者だったにも関わらず、嫁いだのは第二王子ディオンの元だった。
実家の公爵家にも疎まれ、夫となった第二王子ディオンには愛する人がいる。
記憶が戻っても自分に居場所はあるのだろうかと悩むシルヴェーヌだった。
記憶を取り戻そうと動き始めたシルヴェーヌを支えるものと、邪魔するものが居る。
記憶が戻った時、それは、それまでの日常が崩れる時だった。
★1話目の文末に時間的流れの追記をしました(7月26日)
●ゆっくりめの更新です(ちょっと本業とダブルヘッダーなので)
●ルビ多め。鬱陶しく感じる方もいるかも知れませんがご了承ください。
敢えて常用漢字などの読み方を変えている部分もあります。
●作中の通貨単位はケラ。1ケラ=1円くらいの感じです。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界の創作話です。時代設定、史実に基づいた話ではありません。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
【完結】婚約者に忘れられていた私
稲垣桜
恋愛
「やっぱり帰ってきてた」
「そのようだね。あれが問題の彼女?アシュリーの方が綺麗なのにな」
私は夜会の会場で、間違うことなく自身の婚約者が、栗毛の令嬢を愛しそうな瞳で見つめながら腰を抱き寄せて、それはそれは親しそうに見つめ合ってダンスをする姿を視線の先にとらえていた。
エスコートを申し出てくれた令息は私の横に立って、そんな冗談を口にしながら二人に視線を向けていた。
ここはベイモント侯爵家の夜会の会場。
私はとある方から国境の騎士団に所属している婚約者が『もう二か月前に帰ってきてる』という話を聞いて、ちょっとは驚いたけど「やっぱりか」と思った。
あれだけ出し続けた手紙の返事がないんだもん。そう思っても仕方ないよでしょ?
まあ、帰ってきているのはいいけど、女も一緒?
誰?
あれ?
せめて婚約者の私に『もうすぐ戻れる』とか、『もう帰ってきた』の一言ぐらいあってもいいんじゃない?
もうあなたなんてポイよポイッ。
※ゆる~い設定です。
※ご都合主義です。そんなものかと思ってください。
※視点が一話一話変わる場面もあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる