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帰宅後、夢でなかったことを自覚する
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優吾は帰宅すると、玄関までするカレーのいい匂いがして目を大きくした。
(へ……?)
自分のお腹がなる音がした。
不思議に思い、靴を脱ぐとすぐにキッチンへ向かった。
キッチンの扉をあけると優吾は固まった。
(誰?)
「えー、なんだよ。俺のこと忘れだのかぁ」
頬を膨らませて振り返ったのは、真っ黒の髪と瞳の綺麗な顔した男の子たった。
(え、う、うさ?)
優吾は驚き余り声が出なかった。
「当たり前だろ」
(髪、目……。黒い)
「あー」
うさは、火を止めると自分の髪に触れて照れて笑った。
「あー、アレだろ。ここだとこの色が普通なんだろ。これから一緒に生活するからな。変に目立つのはよくないよな」
そう言って、床を歩いて優吾のそばにきた。
(え、歩いて?)
「あー、それもな、練習したんだ。ここで普通に見えた方が生活しやすいんだろ」
うさは、優吾のそばに来ると両手を伸ばし彼の頬に触れると自分の方に引いた。
そして、軽く、口唇に触れた。
「おかえり」
唇を離すとうさは満面の笑みを見せた。それに優吾は沸騰するほど顔を赤くした。
白髪の赤目の彼は神秘的であったが、今も素敵で、綺麗だった。
(私のために……)
「当たり前だろ。それと、口座あるか?」
「口座? 銀行の?」
突然、予想外の言葉が彼から出てきて優吾は驚いた。
「そうそう、教えて?」
「え? いや、それは……」
優吾は一緒に暮らすという話から、彼に多少の経済的援助は必要だとは思っていたが請求されるとは思っていなかった。
「いや、勿論。必要な物があれば買うよ。けど口座は……」
「買う? 何をだよ? 俺は金振り込む場所がほしんだよ」
「へ? 振り込む?」
優吾は金が欲しいと言われるより、意味がわからなくて目を点にした。
「あー、そうか。これもちゃんと全部言葉での説明が必要なんだよなぁ。ちょっと、こい」
うさは鍋に蓋をすると、手招きをして優吾を呼ぶとキッチンから続くリビングへと移動した。
そして、ローテーブルに置いてあるパソコンをあげるとあるサイトのメッセージを表示した。それを優吾の方むけると、彼は目を細め読みすぐに大きくした。
それから、優吾はパソコンを操作してさらにそのサイトを詳しく見ていった。
(絵を売ったのか? あ、これか。凄いね。これマウスで描いたの?)
「そーだ」
うさは横で大きく頷いた。
優吾はさらに見ていくと、口座登録のページがあった。そこで金額をみて唖然とした。
(え、なにこれ? 一日でこんなに稼いだの?)
優吾は詐欺を疑い、そのサイトを様々な方向から調べた。その結果、詐欺でもなんでもないサイトで自分の技術を売るサイトとしてはある程度有名なところであった。
この金額になったのは売った絵の質と量が異常なのだ。
「俺さー。戸籍とかねぇからこんな方法でしか稼げみたいなんだ。わりぃな」
うさの言葉に優吾は首を大きく降った。そして、すぐに口座をつくり設定した。
うさの口座は作れないから自分の名義で作るしかなかったが金額を見ると罪悪感を感じた。
「うさ」
「あ?」
優吾は彼の名前を呼ぶとじっと、うさの瞳を見つめた。
「あーなるほどな。そうやって金だすのな。必要になったらやるよ。じゃ、飯にするか。腹減ってんだろ」
ニヤリと笑う、うさにそこまで伝わってしまったことを優吾は恥ずかしく思った。
「まぁ、アレだな。ソレの使い方うまくなった」
「まぁ、言葉だけじゃなくて映像やイメージを一緒に伝えられるから言葉より説明がし易い。着替えてくる」
そう言って優吾が部屋をでると、うさはキッチンに戻り、皿にご飯を盛るとその上からカレーをかけてテーブルに置いた。
食事の準備が整う頃にマスクを取り短パンとTシャツで優吾が戻ってきた。
「ありがとう」
低い声で優吾は言った。無表情の彼にうさは眉を寄せたがすぐににこやかなった。
(すごいな。料理できるんだ。とても美味しそうな匂いがする。人の手料理を食べるの何年ぶりだろう)
優吾は礼を言うと手を洗い、席についた。それをみて、うさは優吾の前座ると少し顔を赤くして頬をかいた。
(どうした?)
優吾が首を傾げると、うさは「後でいい」と言って食事を食べ始めた。優吾は不思議に思いながら「いただきます」と言ってスプーンを手にした。
「あ、そうか。いただきます」
優吾は食事の挨拶だけすると、淡々と表情を変えずに食べ始めた。うさはそれが不安であったが、彼の心の声を聞くと微笑んだ。
(美味しい。カレーって家庭によって味が違うけどこれ凄く好みだ)
うさは照れたよう優吾を見て、いったん食事の手をとめると挨拶をしてまた食べはじめた。
(へ……?)
自分のお腹がなる音がした。
不思議に思い、靴を脱ぐとすぐにキッチンへ向かった。
キッチンの扉をあけると優吾は固まった。
(誰?)
「えー、なんだよ。俺のこと忘れだのかぁ」
頬を膨らませて振り返ったのは、真っ黒の髪と瞳の綺麗な顔した男の子たった。
(え、う、うさ?)
優吾は驚き余り声が出なかった。
「当たり前だろ」
(髪、目……。黒い)
「あー」
うさは、火を止めると自分の髪に触れて照れて笑った。
「あー、アレだろ。ここだとこの色が普通なんだろ。これから一緒に生活するからな。変に目立つのはよくないよな」
そう言って、床を歩いて優吾のそばにきた。
(え、歩いて?)
「あー、それもな、練習したんだ。ここで普通に見えた方が生活しやすいんだろ」
うさは、優吾のそばに来ると両手を伸ばし彼の頬に触れると自分の方に引いた。
そして、軽く、口唇に触れた。
「おかえり」
唇を離すとうさは満面の笑みを見せた。それに優吾は沸騰するほど顔を赤くした。
白髪の赤目の彼は神秘的であったが、今も素敵で、綺麗だった。
(私のために……)
「当たり前だろ。それと、口座あるか?」
「口座? 銀行の?」
突然、予想外の言葉が彼から出てきて優吾は驚いた。
「そうそう、教えて?」
「え? いや、それは……」
優吾は一緒に暮らすという話から、彼に多少の経済的援助は必要だとは思っていたが請求されるとは思っていなかった。
「いや、勿論。必要な物があれば買うよ。けど口座は……」
「買う? 何をだよ? 俺は金振り込む場所がほしんだよ」
「へ? 振り込む?」
優吾は金が欲しいと言われるより、意味がわからなくて目を点にした。
「あー、そうか。これもちゃんと全部言葉での説明が必要なんだよなぁ。ちょっと、こい」
うさは鍋に蓋をすると、手招きをして優吾を呼ぶとキッチンから続くリビングへと移動した。
そして、ローテーブルに置いてあるパソコンをあげるとあるサイトのメッセージを表示した。それを優吾の方むけると、彼は目を細め読みすぐに大きくした。
それから、優吾はパソコンを操作してさらにそのサイトを詳しく見ていった。
(絵を売ったのか? あ、これか。凄いね。これマウスで描いたの?)
「そーだ」
うさは横で大きく頷いた。
優吾はさらに見ていくと、口座登録のページがあった。そこで金額をみて唖然とした。
(え、なにこれ? 一日でこんなに稼いだの?)
優吾は詐欺を疑い、そのサイトを様々な方向から調べた。その結果、詐欺でもなんでもないサイトで自分の技術を売るサイトとしてはある程度有名なところであった。
この金額になったのは売った絵の質と量が異常なのだ。
「俺さー。戸籍とかねぇからこんな方法でしか稼げみたいなんだ。わりぃな」
うさの言葉に優吾は首を大きく降った。そして、すぐに口座をつくり設定した。
うさの口座は作れないから自分の名義で作るしかなかったが金額を見ると罪悪感を感じた。
「うさ」
「あ?」
優吾は彼の名前を呼ぶとじっと、うさの瞳を見つめた。
「あーなるほどな。そうやって金だすのな。必要になったらやるよ。じゃ、飯にするか。腹減ってんだろ」
ニヤリと笑う、うさにそこまで伝わってしまったことを優吾は恥ずかしく思った。
「まぁ、アレだな。ソレの使い方うまくなった」
「まぁ、言葉だけじゃなくて映像やイメージを一緒に伝えられるから言葉より説明がし易い。着替えてくる」
そう言って優吾が部屋をでると、うさはキッチンに戻り、皿にご飯を盛るとその上からカレーをかけてテーブルに置いた。
食事の準備が整う頃にマスクを取り短パンとTシャツで優吾が戻ってきた。
「ありがとう」
低い声で優吾は言った。無表情の彼にうさは眉を寄せたがすぐににこやかなった。
(すごいな。料理できるんだ。とても美味しそうな匂いがする。人の手料理を食べるの何年ぶりだろう)
優吾は礼を言うと手を洗い、席についた。それをみて、うさは優吾の前座ると少し顔を赤くして頬をかいた。
(どうした?)
優吾が首を傾げると、うさは「後でいい」と言って食事を食べ始めた。優吾は不思議に思いながら「いただきます」と言ってスプーンを手にした。
「あ、そうか。いただきます」
優吾は食事の挨拶だけすると、淡々と表情を変えずに食べ始めた。うさはそれが不安であったが、彼の心の声を聞くと微笑んだ。
(美味しい。カレーって家庭によって味が違うけどこれ凄く好みだ)
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