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文化祭

5.※ ガマンできない

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「レイキー。 勉強どうだ?」

亮介が少し疲れたカオで聞いてくる。


もう試験休みに入って部活も休み。

みんな勉強に本腰入れだした。



「んー、まあまあ? あきらに教えてもらってるからなー」

「今回は大丈夫なのか?」

亮介がにやにやしながら聞いてくる。

前回、成績が悪かったの知ってるからな・・・・

「ちゃんとやってる。 大丈夫だよ」

「そっか。 やっぱ、あきらすげーな。 オレも教えてもらお。
なあ、あきら!」

亮介があきらを呼んで、分からないところを聞いてる。



・・・・あれからも一緒に勉強してるけど、あきらに触れてない。

教えてもらうとき、至近距離になるから、すげーどきどきする。


・・・・ちょっとだけ。 触りたいな、キスしたいなって、思うけど。

あきらはそんなそぶり、全然見せない。


・・・・・触りたいとか思ってんの、オレだけなのかな・・・・


亮介に教えてるあきらを遠目に見て、少し寂しく感じたりして。


オレは小さくため息をついて、教室を出た。


トイレに行く途中、廊下で修吾に会った。


「お、レイキ」

「修吾。 なんか久しぶりだな」

2人で連れ立ってトイレに行く。

「なー。 勉強どう?」

この時期の、お約束のあいさつみたいになってるな。

「ぼちぼちかなー」


部活が休みになると、クラスの違う修吾とは、あまり会うことがなくなる。

ちょっと久しぶりな気がするなあ。


「早くテニスしてーよな」

「ホント。 思いっきり、体動かしてー」


用を足して、トイレを出ようとすると、入ってきたあきらと修吾がぶつかりそうになった。


「うわ! あ、あきら、わりぃ」

「あ、修吾。 ゴメン」


修吾に謝った後、オレに気づいたあきらはオレの手を掴んだ。


修吾はちらってオレたちを見ると、

「じゃ、またなー」

って、先にトイレから出て行ってしまった。



今、トイレにオレたち以外の人影はない。


あきらはオレの手を引くと、一番奥の個室に入った。

オレのことも引っ張り込んで、カギを閉める。



無言のまま見つめあって。

お互いに、唇を寄せ合う。


「ん・・・・」


キスはすぐ激しさを増して。


「ふっ・・・・ ん、ん・・・・・」


お互いに抱きしめあって、カラダが密着する。


あきらの香水の香りに包まれて、ぞくぞく、快感がカラダを走り抜けた。



しばらく舌を絡めあってから唇を離すと、2人の間を銀糸が伝った。



「・・・・・ゴメン、レイキ。 ガマン、出来なくて」

すまなさそうに言うあきらに、オレは思わず笑ってしまった。

「いいよ。 ・・・・オレだって、したかったから」


あきらが、額と額をこつんって合わせてきた。


「・・・・・ホント?」

「・・・うん。 ・・・・むしろ、あきらがそんなそぶり全然見せねーから、キスしたいとか思ってんの、オレだけかと思って・・・・・
少し、寂しくなってた」


オレの言葉に、今度はあきらが笑う。

「すげー我慢してたんだぜ? キスしたら、止まらなくなるから。
・・・・オレがレイキに、キスしたいって思わないわけ、ないじゃん」


なんか、むちゃくちゃうれしいこと、言ってくれてる。


恥ずかしくなって、オレはうつむいた。


あきらの指が、オレの顎にかかる。


「・・・・レイキ。 カオ、見せて?」


甘い声でささやかれて、オレはゆっくりとカオを上げた。

でも、恥ずかしくてあきらの瞳は見れない・・・・


「オレのこと、見て・・・・?」


あきらの、低く、響く声。


オレは、この声に逆らえない・・・・・


オレはあきらの瞳を見た。

すごく至近距離で、オレのことを見つめてるから、あきらの瞳の中に、オレの姿が見えた。



「・・・・目、開けたまま、オレのこと見てて・・・・?」


あきらはそう言うと、自分も瞳を開けたまま、オレにゆっくりとキスしてきた。



目、開けたままキスするのなんて、初めてだ・・・・・・


でも、あきらの瞳の中に、欲情の光があるのが、分かってしまう。


そのことが、オレのカラダをうずかせた。


「んんっ・・・・・は、ぁ・・・・・・」


目を開けたまま舌を絡ませて。



すごく、ぞくぞくする。


オレ、きっと欲情したカオしてる。


それを、あきらにじっと見られてるって思うと、それでまたぞくぞくしてしまう。



「やっべ・・・・・・ レイキ、やらしすぎ・・・・・!」

あきらは少し唇を離すと、興奮したように呟いた。



あきらだって、すげーやらしーのに・・・・・




その時、昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴った。



名残惜しくなって、オレはあきらの頬に触れた。


もう一度、自分から唇を寄せて、触れるだけのキスをする。



「・・・・レイキ。 少ししてから教室戻った方がいいぜ」

「え・・・・ なん、で?」


あきらは口角を持ち上げてオレの頬に触れる。


「・・・・すっげ、やらしーカオ、してるから。 レイキのこんなカオ、他の奴には見せらんねー」


言われて、余計にカオがほてってくる。



・・・・だめだ。 あきらとこうしてたら、ふつーのカオに戻れる気がしない。



オレはドアを開けて個室を出た。


「あきら、先戻ってて。 オレ、少ししてから行く」


「・・・・ん。 わかった」


少し寂しそうな表情を見せながらも、あきらは先に教室に戻った。



オレは小さくため息をついてから、水道の水でカオを洗った。


冷たい水で、興奮が収まっていく。




・・・・・あきらも、オレにキスしたりするの、ガマンしてたんだ。


自分だけじゃないってわかって、安心した。



うれしくて、口元がつい緩んでしまう。



・・・・うん。

試験までもう少し。



がんばれそうだな。



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