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37.※ 露天風呂

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「うわ! すっげー!」

めちゃくちゃ広い大浴場に、感動!

いろんな種類の風呂が、内風呂と露天と両方にある。


「だろー? 風呂だけで、遊べちゃいそうだよな」

いたずらっ子みたいな表情をするユージ。


とりあえず海で遊んだ体を洗ってから。

「レイキ! 外行こうぜ!」

ユージに誘われて、露天にやってきた。


「外も、いろんな風呂があんだな」

「入ろ入ろ」

ユージと一緒に、一番大きな露天風呂にはいる。


「あーッ。 気持ちイイー!」

「だなー」


夏だけど、やっぱ温泉って気持ちイイ。

こういう時、日本人で良かったなーって、思うなあ。


「お前ら、ちゃんと洗ったのかよ?」

少し遅れて、マコト達もやってきた。


腰にタオルを巻いてるとはいえ、全裸のあきらが視界に飛び込んできて、焦ってしまう。

しかも、髪も体も洗った後だから、水が滴ってて・・・・ 色気がハンパない。


あきらの裸は明るいとこでは見慣れてないし、それに、裸ってだけで、そういう時のことを思い出してしまう・・・・


当たり前だけど、自分も裸だってことを思い出して、思わず肩までお湯につかった。



「当たり前じゃん。 ちゃんと洗ったってー」

「あー、すげー気持ちいいな」

「なあなあ、海見えるぜ」

「すっげー見晴らしいいー」


みんなで仲良く温泉につかる。

裸の付き合いって感じで、なんかイイな。


「夜花火しような。 オレ、持ってきた!」

「さすがユージ! 準備いいな」


景色を見ながらみんなでしゃべってると、あきらがオレの隣に来た。


「・・・レイキ」

耳元に口を寄せ、小声で話しかけてくる。

「・・・裸のレイキ見てると、オレ、ちょっとやばい」


あきらのその言葉に、オレもまた、あきらのことを意識してしまう。


恥ずかしくなってうつむくと、あきらがオレの腕を掴んで立ち上がった。


「レイキ、あっちの風呂、行ってみようぜ?」


口角を持ち上げ、オレの返事を待たずにぐいぐい引っ張っていく。



オレたちはみんなを残して、露天の他の風呂に行った。

あきらに連れてこられたのは、周りが少し庭園みたいに作り込んであって、他の風呂からは見えにくい風呂だった。


ちょうど他のお客さんもいなくて、オレとあきらは2人でその風呂に入った。

ジャグジーもついてて、気持ちイイ。



「・・・・レイキ」


あきらがオレの顎に指をかけて、唇を寄せてくる。


周りから見えないか不安になって、辺りに視線を走らせるオレに、あきらはフッて笑った。


「大丈夫だよ。 見えねーから・・・」


あきらの言葉に、オレは目を閉じる。


あきらの唇が、触れた。

と、薄く開けていた唇の間から、舌が滑り込んできた。


「ん・・・・・」


くちゅ。


舌の、絡まる音。


「は、ぁッ・・・・・」



風呂に入ってるせいか、頭がいつもよりぼーっとする。


キス、気持ちイイ・・・・・



「・・・・レイキ、蕩けそうなカオ、してる・・・・」


「だ、て、 なんか・・・気持ちイイ、から・・・・」


オレは自分からあきらにカオを寄せて、キスを強請った。



今度は軽く唇を合わせるだけで、あきらはカラダを離した。



「あきら・・・・・?」


あきらは、少し鋭い瞳でオレを見ていた。


なに・・・・・?


「・・・・レイキ。 ちゃんと、タオルで隠しとけよ?」

「・・・え・・・・・?」

「風呂でも、他の奴に、見せんな」


腰に、タオル巻いとけって、ことだよな。


「う、ん。 分かった・・・」


あきら、どうしたんだろ、急に。


「部屋でも、あんまり無防備な姿になんなよ?」

「部屋、で?」



今日の部屋割りは、ユージと木島くんが決めてくれていた。


エリナちゃん、美沙ちゃん、咲良ちゃん。

桜庭さんと、二宮さん。

あきら、木島くん、周防くん。

ユージ、マコト、オレ。


・・・つまり、オレとあきらは、部屋が別ってこと。


まあ、当然っちゃ当然な部屋割りなんだけど。



「そう。 部屋でも」


あきらの瞳は鋭い。



・・・・・あきら、マコトのこと、気にしてるんだな・・・・・・・



オレだって、気になってたけど。

でも、ユージも同じ部屋だし、大丈夫だろって思ってる。



あきらは、マコトのことだとは、はっきり言わない。


・・・・そうだよな。

きっと、言わない、聞かないって、思ってるはずだから。



「ん。 わかった。 大丈夫だよ」


オレは気づいてるとも気づいてないとも言える反応を返した。

あきらの言葉に特に言及せず、安心させるように笑う。



オレの反応に安心したのか、あきらは少し口角を持ち上げて、もう一度唇を寄せてきた。



ぱしゃぱしゃ。

足音がして。

「ここも風呂じゃん」

「行こ行こ」


みんなの声が近づいてくる。



オレは慌ててあきらから離れた。



「あれ、あきらたち、ココに居たんだ」

木島くんがカオを覗かせて、入ってきた。

続けて、みんな入ってくる。


「何か、庭みたいでいいな」

「ジャグジーあるし。 コレきもちいー」


もともとこじんまりした作りのこの風呂は、男が6人も入ると、少し狭く感じた。



左隣に、マコトが来る。


風呂が狭いから、距離も近くて。



さっきあきらに言われたし、なんか、変に意識してしまうな・・・・



視線を感じてマコトを見ると、マコトはオレをじっと見ていた。


「な、なに?」

探るようなその視線に、なんだか焦ってしまう。


「いや。 別に」

そう言って、マコトは無表情のままオレから視線を逸らした。



ふと、左手に何かが触れるのを感じた。


なに?


と思ってるうちに、ぎゅって、握られる。



マコトに、手、握られてる・・・・!?



でも、ジャグジーのせいで水面が揺れていて、目で確認することはできない。



少し手を放そうとしてみるけど、放せなくて。

意図的に掴まれているのが分かった。



あきらはオレの右隣にいるし、あきらの手じゃ、ないだろう。



どうしよう・・・・・


そう思ってると、左手が解放された。


ホッとするのもつかの間。



びくんっ。


左腰を撫でられる感覚があって、カラダが跳ねてしまった。



「・・・・レイキ?」


あきらがオレの方を見る。



・・・・気付かれる・・・・!



そう思ったオレは、慌てて立ち上がった。



「ちょっと、熱くなってきた。 少し涼んでくる」



みんなにそう言って、一人で湯船から出た。




みんなから離れて、置いてあるベンチに座る。




あれ・・・・ マコト、だよな・・・・・



触ってくるなんて・・・・・




なるべく意識しないようにしてたけど、さっきあきらに言われてから、また気になりだした。

そこに、あんな風に触られたら・・・・


また、マコトにキスされた記憶が蘇ってくる。



ダメだ・・・・・ 思い出すな・・・・・・



自分の額にぐって手を押し付けて、うつむく。



考え込んでいたオレは、人が近づいてきたのに気付かなかった。



「・・・レイキ、大丈夫か?」


急に声をかけられて、驚いてカオを上げると、マコトだった。



マコトのことを考えてたから、余計に焦ってしまう。



「あ、ああ。 大丈夫。 ちょっと熱くなっただけだから」

なるべく平静を装って、へらって、笑う。


「のど渇いてないか? さっき、飲料用の温泉があったぜ」

「へえ?」

「こっち」


マコトがオレを手招きして歩き出す。


オレも立ち上がって、マコトについていく。

と、


「うわっ」


少しぬるぬるする温泉のせいで、足が少し滑った。


「レイキっ」


マコトがオレの腕を掴み、腰に手を回して支えてくれた。



「・・・大丈夫か?」


「あ、ありがと」


とりあえず、お礼を口にする。


でも、意識は完全に、マコトに素肌で触れられている場所に向かっていた。



「マ、コト?」


マコトはオレを放さない。


そして、腰に回していた手を、そっと、動かしてきた。


「・・・っ」


腰を撫でられて、また、オレのカラダが小さく跳ねる。



「レイキ・・・・」


オレを見つめるマコトの瞳に、熱が揺らめく。



オレはマコトを押しのけて、自分から離させる。


「もう、上がる」


そのまま、風呂の出口に足を向けた。



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