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34.※ 試験勉強
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「坂本くん、料理上手なんだな」
「うん。 すげー美味い」
もうすぐ試験がある医学部のみんなは、今日はあきらのところに集まって勉強会をしている。
オレは夏休み前に試験とかないし、勉強で疲れてるみんなに夕飯を作ってふるまっているところだ。
って言っても、大した料理じゃないけど。
自分も好きだから、親子丼にした。
手の込んだ料理とか作れないし・・・・ なにより桜庭さんも食べるって思ったら、男っぽい、ざっくり作れるものじゃないと、とてもじゃないけど出せない。
「もともと料理好きなのか?」
「いや、全然したことなくて。 大学生になってから、練習してるんだけど」
「それにしては上手だよな」
周防くんと木島くんが、ぱくぱく食べながら褒めてくれる。
「ホント、上手だよー」
二宮さんも、感心したように呟く。
「あきらくん、イイ奥さんがいて、うらやましい」
『奥さん』って・・・
ふざけて言った二宮さんの言葉。
それなのに、なんだかうれしくて。
照れてると、あきらがオレの腕を掴んで引き寄せた。
肩にあきらの腕が回って、抱かれる。
「イイ奥さん、だろ? 料理も美味いし、かわいいし」
あきらの言葉に、一気にカオが熱くなる。
「や、やめろよッ・・・・!」
赤くなったカオを隠したくて、オレはあきらを押しのけた。
「坂本くん、照れてる。 かわいいー♡」
二宮さんがオレを見て、ニコニコしてる。
「てっ、照れてねーし!」
思わず強く反論してしまうけど、余計にみんなに笑われる。
「坂本くん、ホントかわいいよなー」
「うんうん。 かわいいなあ」
周防くんと木島くんも頷いてる。
「かわいくねーって」
オレはぶすっとして立ち上がった。
なんでそんな『かわいい』キャラで固定されてるんだ。
オレはとりあえず、洗面所に避難する。
でも、洗面所に入ったら、自然に口元が緩んでしまった。
・・・・あきらが、オレのこと、『イイ奥さんだろ?』って、言ってた。
もちろん冗談だってわかってるけど、それでもやっぱりうれしい。
昼間はみんなの邪魔にならないように出かけてたけど、夕飯の準備してた時とか、桜庭さんが相変わらずあきらにべたべたしてるのが見えて、ちょっと嫌な気分になってたから。
「うわっ」
急に後ろから、ぎゅって抱きしめられる。
「あ、あきら?」
びっくりした。
いつの間にか洗面所に入ってきていたあきらに、後ろから抱きしめられた。
「・・・レイキ」
あきらは耳元でオレの名前を呼んだ。
洗面台の鏡越しに、あきらと目が合う。
「今日、ありがとな」
「あ、ああ。 美味しいって言ってもらえて、よかったよ」
あきらが鏡越しにオレを見つめたまま、舌を出して、オレの耳を舐めた。
「んッ・・・・」
「レイキ・・・・・」
あきらの吐息も感じて。
ぞくってしてしまう。
「あ、きら。 まだ、べんきょ、あるんだろ・・・・?」
「ん。 でも少しだけ。 レイキを充電したい」
あきらの舌は、オレの首筋を這う。
「は、ぁッ・・・・」
ダメ。 みんな、いる、のに・・・・・
あきらはオレを抱きしめながら、服の上から指で胸の突起を刺激する。
「んッ」
「レイキ・・・・ 服の上からでも、分かるよ?」
「や、ぁ・・・ッ」
も、ダメ・・・・
これじゃ、ガマンできなくなる・・・・
オレは体をひねってあきらを振り返ると、首に腕を巻きつけた。
「あきら・・・ 後で、ね・・・・?」
そう言って、唇を重ねる。
あきらはすぐ、舌を入れてきた。
「んんっ・・・・ふ・・・・・」
ぴちゃ・・・・ くちゅっ・・・・
舌を絡め取られて、腰に甘いしびれが走る。
しばらく舌を絡めてから、あきらは唇を離した。
「・・・・ん。 充電完了」
少し口角を持ち上げて、
「これ以上したら、止まらなくなるから」
そう言って、オレからカラダを離す。
「あ、レイキはしばらくしてから戻ってこいよ」
洗面所から出て行きかけて、カオだけオレを振り返って言った。
「え、なんで?」
「・・・今のカオ、すげーやばい。 めちゃくちゃ色っぽいから」
オレは慌てて鏡を振り返り、自分のカオを見る。
「うわ・・・・・」
ときどき、あきらに『今のカオやばい』とか言われることあるけど、実際に自分で見たことはなかった・・・・
「・・・・確かに、このカオで、人前には出れないかも・・・・・」
少し赤く染まった頬。
潤んでる目。
・・・オレ、いつもあきらの前でこんなカオしてるのか・・・・?
すっげえ、恥ずかしい・・・・・!
あきらに言われた通り、オレはしばらく洗面所で気持ちが鎮まるのを待ってから、みんなのところに戻った。
それからも、木島くんたちがあきらのところで勉強することが何度かあったから、そのたびにオレはあきらと桜庭さんを見て、胸が苦しくなって・・・・
でも、あきらにキスされて抱きしめられると、うれしくてその苦しさは薄らいで・・・・
その繰り返しだった。
もちろん、木島くんとか他の人のところにあきらが行って勉強することもあって。
いちいち桜庭さんが居たのか、なんて聞けないから、一緒だったのかなって不安だけが強くなって。
それでまた、胸が苦しくなったりした。
あきらが居ないときは、修吾、ユージやエリナちゃんたちと過ごすことが多かった。
一人で家にいると、いろいろ考えてしまうから。
マコトは相変わらず普通に接してくれる。
オレもなるべく普通にしていた。
でも、2人きりになるのを避けている自分がいたけど。
あきら達はみんな無事に試験をパスしたらしい。
そして夏休みになって、ユージと木島くんが企画してくれて、みんなで海に行くことになった。
・・・・・泊りで。
「うん。 すげー美味い」
もうすぐ試験がある医学部のみんなは、今日はあきらのところに集まって勉強会をしている。
オレは夏休み前に試験とかないし、勉強で疲れてるみんなに夕飯を作ってふるまっているところだ。
って言っても、大した料理じゃないけど。
自分も好きだから、親子丼にした。
手の込んだ料理とか作れないし・・・・ なにより桜庭さんも食べるって思ったら、男っぽい、ざっくり作れるものじゃないと、とてもじゃないけど出せない。
「もともと料理好きなのか?」
「いや、全然したことなくて。 大学生になってから、練習してるんだけど」
「それにしては上手だよな」
周防くんと木島くんが、ぱくぱく食べながら褒めてくれる。
「ホント、上手だよー」
二宮さんも、感心したように呟く。
「あきらくん、イイ奥さんがいて、うらやましい」
『奥さん』って・・・
ふざけて言った二宮さんの言葉。
それなのに、なんだかうれしくて。
照れてると、あきらがオレの腕を掴んで引き寄せた。
肩にあきらの腕が回って、抱かれる。
「イイ奥さん、だろ? 料理も美味いし、かわいいし」
あきらの言葉に、一気にカオが熱くなる。
「や、やめろよッ・・・・!」
赤くなったカオを隠したくて、オレはあきらを押しのけた。
「坂本くん、照れてる。 かわいいー♡」
二宮さんがオレを見て、ニコニコしてる。
「てっ、照れてねーし!」
思わず強く反論してしまうけど、余計にみんなに笑われる。
「坂本くん、ホントかわいいよなー」
「うんうん。 かわいいなあ」
周防くんと木島くんも頷いてる。
「かわいくねーって」
オレはぶすっとして立ち上がった。
なんでそんな『かわいい』キャラで固定されてるんだ。
オレはとりあえず、洗面所に避難する。
でも、洗面所に入ったら、自然に口元が緩んでしまった。
・・・・あきらが、オレのこと、『イイ奥さんだろ?』って、言ってた。
もちろん冗談だってわかってるけど、それでもやっぱりうれしい。
昼間はみんなの邪魔にならないように出かけてたけど、夕飯の準備してた時とか、桜庭さんが相変わらずあきらにべたべたしてるのが見えて、ちょっと嫌な気分になってたから。
「うわっ」
急に後ろから、ぎゅって抱きしめられる。
「あ、あきら?」
びっくりした。
いつの間にか洗面所に入ってきていたあきらに、後ろから抱きしめられた。
「・・・レイキ」
あきらは耳元でオレの名前を呼んだ。
洗面台の鏡越しに、あきらと目が合う。
「今日、ありがとな」
「あ、ああ。 美味しいって言ってもらえて、よかったよ」
あきらが鏡越しにオレを見つめたまま、舌を出して、オレの耳を舐めた。
「んッ・・・・」
「レイキ・・・・・」
あきらの吐息も感じて。
ぞくってしてしまう。
「あ、きら。 まだ、べんきょ、あるんだろ・・・・?」
「ん。 でも少しだけ。 レイキを充電したい」
あきらの舌は、オレの首筋を這う。
「は、ぁッ・・・・」
ダメ。 みんな、いる、のに・・・・・
あきらはオレを抱きしめながら、服の上から指で胸の突起を刺激する。
「んッ」
「レイキ・・・・ 服の上からでも、分かるよ?」
「や、ぁ・・・ッ」
も、ダメ・・・・
これじゃ、ガマンできなくなる・・・・
オレは体をひねってあきらを振り返ると、首に腕を巻きつけた。
「あきら・・・ 後で、ね・・・・?」
そう言って、唇を重ねる。
あきらはすぐ、舌を入れてきた。
「んんっ・・・・ふ・・・・・」
ぴちゃ・・・・ くちゅっ・・・・
舌を絡め取られて、腰に甘いしびれが走る。
しばらく舌を絡めてから、あきらは唇を離した。
「・・・・ん。 充電完了」
少し口角を持ち上げて、
「これ以上したら、止まらなくなるから」
そう言って、オレからカラダを離す。
「あ、レイキはしばらくしてから戻ってこいよ」
洗面所から出て行きかけて、カオだけオレを振り返って言った。
「え、なんで?」
「・・・今のカオ、すげーやばい。 めちゃくちゃ色っぽいから」
オレは慌てて鏡を振り返り、自分のカオを見る。
「うわ・・・・・」
ときどき、あきらに『今のカオやばい』とか言われることあるけど、実際に自分で見たことはなかった・・・・
「・・・・確かに、このカオで、人前には出れないかも・・・・・」
少し赤く染まった頬。
潤んでる目。
・・・オレ、いつもあきらの前でこんなカオしてるのか・・・・?
すっげえ、恥ずかしい・・・・・!
あきらに言われた通り、オレはしばらく洗面所で気持ちが鎮まるのを待ってから、みんなのところに戻った。
それからも、木島くんたちがあきらのところで勉強することが何度かあったから、そのたびにオレはあきらと桜庭さんを見て、胸が苦しくなって・・・・
でも、あきらにキスされて抱きしめられると、うれしくてその苦しさは薄らいで・・・・
その繰り返しだった。
もちろん、木島くんとか他の人のところにあきらが行って勉強することもあって。
いちいち桜庭さんが居たのか、なんて聞けないから、一緒だったのかなって不安だけが強くなって。
それでまた、胸が苦しくなったりした。
あきらが居ないときは、修吾、ユージやエリナちゃんたちと過ごすことが多かった。
一人で家にいると、いろいろ考えてしまうから。
マコトは相変わらず普通に接してくれる。
オレもなるべく普通にしていた。
でも、2人きりになるのを避けている自分がいたけど。
あきら達はみんな無事に試験をパスしたらしい。
そして夏休みになって、ユージと木島くんが企画してくれて、みんなで海に行くことになった。
・・・・・泊りで。
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