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第四部
失敗作いろいろ
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剣や短剣、大剣、槍に斧といった武器がそこかしこに放置されている。また武器だけでなく盾や胸当て、脛宛て篭手といった防具も豊富だ。
そしてお目当ての刀は……。
「あった!」
さっそく見つけた莉緒が、部屋の隅にあった壺に刺さっている刀を手に取る。
「あはは、やっぱり刀が気になりますよね」
親方の弟子のパウラと自己紹介してくれた女の子が、自身も一本の刀を手に取りつつ呟く。俺も同じく壺へと目を向けるが、ほとんどが鞘に入っていないむき出しの状態だった。
むき出しの刀を無造作に一本手に取ると、じっくりと観察してみる。反りが入っていてパッと見た感じだと日本刀のように見える。といっても日本刀がどういうものか詳しく知らないので、なんとなくだけど。
よく切れそうに見えるが、これで失敗作なんだろうか。もしかすると折れやすいとかかな? さすがに見ただけじゃそこまでわからないけど……。
=====
種類 :武器(刀)
名前 :なし
説明 :玉鋼を鍛えて造られた刀。
その切れ味は他の武器の追随を許さず、
刃のついた武器の中で上位に位置する。
品質 :C
付与 :なし
製作者:ルイゲンツ
=====
……なんぞこれ。
十分使えるヤツなんですけど。しかも品質Cって……、どんなランクがあるかわからんけど、どうなんだ? ってか鑑定って品質なんかも見れたんだ。武具関連はずっと手持ちの使ってたし、長いこと鑑定したことなかったけど。付与まで見れるし、そういやいくつか鑑定のレベル上がってたな。
冒険者みたいなランクだとしても、Cって悪くないと思うんだけど。でもこれで失敗作ってことは、ルイゲンツさんすげぇってことか。
=====
種類 :武器(刀)
名前 :なし
説明 :玉鋼を鍛えて造られた刀。
その切れ味は他の武器の追随を許さず、
刃のついた武器の中で上位に位置する。
ただし品質が悪く紙も切れない仕上がりになっている。
品質 :F
付与 :なし
製作者:パウラ
=====
「あれ……」
あぁ、こっちはパウラさんの失敗作ね。品質Fだし、下手するとすぐ折れる可能性もありそうだ。しかし鑑定ってそこまで詳細はわからないのかな。品質でだいたい判断しろってことか。
「あはは……、見つかっちゃいましたね。親方のだけじゃなくてアタイの失敗作も置いてあるんだ」
もう一本手に取ってがっかりした感じがばれてしまったようである。苦笑いするパウラさんが正直に白状した。
「そうなんですね。でもそれはそれで参考になるかもしれないです」
「…………そうなんですか」
莉緒の言葉にすごく複雑な表情になるパウラさん。失敗作は参考にしてほしくないんだろうけど、どういう状態が失敗作なのかを知ることは重要だと思う。俺たちの武器の作り方は特殊だからね。
ざっと置いてある刀に鑑定をかけていると、どうやら品質はFからCまでが分布していた。上位ランクはAまでは確実にあるとして、やっぱりCは悪くないと思うんだけどなぁ……。さすがに失敗作だけあって、品質Cは一本しかなかったが。
「あと、これとこれか……。タウル鋼の合金と、ミスリル合金の刀っぽいですね」
「わ、わかるんですかっ!?」
「これもミスリルが含まれてるわね」
莉緒も一本刀を握り締めている。刃の先にまで魔力を纏わせているので、どうやら土属性の魔力で金属を調べたみたいだ。抽出した金属に魔力を浸透させて形成する際には、土属性の魔力を使うとやりやすい。
「え、ええっ!?」
同じように俺も刀に魔力を通してみる。坑道でミスリルを抽出した時と似たような感触が返ってきた。確かにミスリルが含まれてそうだ。
さすがに失敗作の中にアダマンタイトを含む武器は見当たらなかった。
「うーん……、俺にはさっぱりわからんけど……」
「むむむぅぅぅ」
イヴァンは刀を見比べて、フォニアは短剣を握り締めながら同じように唸っている。
「で、ですよね……。アタイもわからないのに……」
暗い顔で落ち込むパウラさん。いやまぁ、俺も見た目だけじゃさっぱり見分けは付かないので、そこまで落ち込まなくても……と言ったところでしょうがないか。方法は何であれ、俺と莉緒にはわかるのだ。
しかし鑑定か……。前に自分たちで作った武器は鑑定したらどう出るかな。
ふと好奇心に駆られたので、前に莉緒と土魔法で作った武器を取り出して鑑定してみる。
=====
種類 :武器(短剣)
名前 :なし
説明 :鉄を鍛えて造られた短剣。
切れ味に特化している。
品質 :D
付与 :なし
製作者:水本 柊
=====
ふむ。掘った鉄鉱石で作ったやつは品質Dか。
=====
種類 :武器(短剣)
名前 :なし
説明 :土を圧縮して固めて作った短剣。
切れ味に特化している。
品質 :E
付与 :なし
製作者:水本 柊
=====
魔の森で師匠と一緒に生活していたときに作った短剣がこれだ。こっちの品質はEなのか。使用感も悪くなかったし、これで普通くらいなんだろうか。
=====
種類 :武器(短剣)
名前 :なし
説明 :土を圧縮して固めて作った短剣。
切れ味に特化していて丈夫。
品質 :B
付与 :硬化、強化
製作者:ヴェルター
=====
うおっ、さすが師匠。ってか硬化と強化の付与もついてるとかすげぇな。
「えっ……、その短剣ってまさか……」
手持ちの短剣を鑑定していると、横から驚きに満ちた声が聞こえてきた。間違いなくパウラさんの声だけど、短剣がどうしたんだろうか。
「……まさか、名工ルシエルの作品ではっ!?」
「………………はい?」
そしてお目当ての刀は……。
「あった!」
さっそく見つけた莉緒が、部屋の隅にあった壺に刺さっている刀を手に取る。
「あはは、やっぱり刀が気になりますよね」
親方の弟子のパウラと自己紹介してくれた女の子が、自身も一本の刀を手に取りつつ呟く。俺も同じく壺へと目を向けるが、ほとんどが鞘に入っていないむき出しの状態だった。
むき出しの刀を無造作に一本手に取ると、じっくりと観察してみる。反りが入っていてパッと見た感じだと日本刀のように見える。といっても日本刀がどういうものか詳しく知らないので、なんとなくだけど。
よく切れそうに見えるが、これで失敗作なんだろうか。もしかすると折れやすいとかかな? さすがに見ただけじゃそこまでわからないけど……。
=====
種類 :武器(刀)
名前 :なし
説明 :玉鋼を鍛えて造られた刀。
その切れ味は他の武器の追随を許さず、
刃のついた武器の中で上位に位置する。
品質 :C
付与 :なし
製作者:ルイゲンツ
=====
……なんぞこれ。
十分使えるヤツなんですけど。しかも品質Cって……、どんなランクがあるかわからんけど、どうなんだ? ってか鑑定って品質なんかも見れたんだ。武具関連はずっと手持ちの使ってたし、長いこと鑑定したことなかったけど。付与まで見れるし、そういやいくつか鑑定のレベル上がってたな。
冒険者みたいなランクだとしても、Cって悪くないと思うんだけど。でもこれで失敗作ってことは、ルイゲンツさんすげぇってことか。
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種類 :武器(刀)
名前 :なし
説明 :玉鋼を鍛えて造られた刀。
その切れ味は他の武器の追随を許さず、
刃のついた武器の中で上位に位置する。
ただし品質が悪く紙も切れない仕上がりになっている。
品質 :F
付与 :なし
製作者:パウラ
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「あれ……」
あぁ、こっちはパウラさんの失敗作ね。品質Fだし、下手するとすぐ折れる可能性もありそうだ。しかし鑑定ってそこまで詳細はわからないのかな。品質でだいたい判断しろってことか。
「あはは……、見つかっちゃいましたね。親方のだけじゃなくてアタイの失敗作も置いてあるんだ」
もう一本手に取ってがっかりした感じがばれてしまったようである。苦笑いするパウラさんが正直に白状した。
「そうなんですね。でもそれはそれで参考になるかもしれないです」
「…………そうなんですか」
莉緒の言葉にすごく複雑な表情になるパウラさん。失敗作は参考にしてほしくないんだろうけど、どういう状態が失敗作なのかを知ることは重要だと思う。俺たちの武器の作り方は特殊だからね。
ざっと置いてある刀に鑑定をかけていると、どうやら品質はFからCまでが分布していた。上位ランクはAまでは確実にあるとして、やっぱりCは悪くないと思うんだけどなぁ……。さすがに失敗作だけあって、品質Cは一本しかなかったが。
「あと、これとこれか……。タウル鋼の合金と、ミスリル合金の刀っぽいですね」
「わ、わかるんですかっ!?」
「これもミスリルが含まれてるわね」
莉緒も一本刀を握り締めている。刃の先にまで魔力を纏わせているので、どうやら土属性の魔力で金属を調べたみたいだ。抽出した金属に魔力を浸透させて形成する際には、土属性の魔力を使うとやりやすい。
「え、ええっ!?」
同じように俺も刀に魔力を通してみる。坑道でミスリルを抽出した時と似たような感触が返ってきた。確かにミスリルが含まれてそうだ。
さすがに失敗作の中にアダマンタイトを含む武器は見当たらなかった。
「うーん……、俺にはさっぱりわからんけど……」
「むむむぅぅぅ」
イヴァンは刀を見比べて、フォニアは短剣を握り締めながら同じように唸っている。
「で、ですよね……。アタイもわからないのに……」
暗い顔で落ち込むパウラさん。いやまぁ、俺も見た目だけじゃさっぱり見分けは付かないので、そこまで落ち込まなくても……と言ったところでしょうがないか。方法は何であれ、俺と莉緒にはわかるのだ。
しかし鑑定か……。前に自分たちで作った武器は鑑定したらどう出るかな。
ふと好奇心に駆られたので、前に莉緒と土魔法で作った武器を取り出して鑑定してみる。
=====
種類 :武器(短剣)
名前 :なし
説明 :鉄を鍛えて造られた短剣。
切れ味に特化している。
品質 :D
付与 :なし
製作者:水本 柊
=====
ふむ。掘った鉄鉱石で作ったやつは品質Dか。
=====
種類 :武器(短剣)
名前 :なし
説明 :土を圧縮して固めて作った短剣。
切れ味に特化している。
品質 :E
付与 :なし
製作者:水本 柊
=====
魔の森で師匠と一緒に生活していたときに作った短剣がこれだ。こっちの品質はEなのか。使用感も悪くなかったし、これで普通くらいなんだろうか。
=====
種類 :武器(短剣)
名前 :なし
説明 :土を圧縮して固めて作った短剣。
切れ味に特化していて丈夫。
品質 :B
付与 :硬化、強化
製作者:ヴェルター
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うおっ、さすが師匠。ってか硬化と強化の付与もついてるとかすげぇな。
「えっ……、その短剣ってまさか……」
手持ちの短剣を鑑定していると、横から驚きに満ちた声が聞こえてきた。間違いなくパウラさんの声だけど、短剣がどうしたんだろうか。
「……まさか、名工ルシエルの作品ではっ!?」
「………………はい?」
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