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第4章 激動の冬編

第78話 肥大する悪意と欲望

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 ミュリヌス学園は年が明けると、今度は卒業生の進路や1年生の進級、新入生の募集などで騒々しくなる。春の入学式から始まり、夏の最高評議会、秋の御前試合に続く年度最後の大きなイベントが卒業式である。

 白薔薇騎士団の入団式も控えるため、この時期リリライトの公務はおおよそがミュリヌス学園と白薔薇騎士団のことで忙殺される。政治や外交に関わることが少ないリリライトにとっては、1年の中で最も忙しい時期といってもいい。

 リリライトは、外出する以外の公務については全てリリライト邸で行う。来客があれば謁見室を、事務処理であれば執務室を使用している。

 冬の空らしい灰色に曇った天候のその日。昼にしては薄暗い中、リリライトは執務室の椅子に座って書類仕事をしていた。兄であり、現在の聖アルマイト王国の最高権力であるカリオスへの報告書を作成している。

「んっ……おおおっ! おほおおっ? あっぐ……や、やっばぁ……んぎぃぃっ!」

 正確には、椅子に座ったグスタフに抱きかかえるようにされている。いつもの純白のドレスは着たまま、下着は装着されていない。いつものように雄々しく屹立したグスタフの肉棒を性器の中に受け入れながら、グスタフに下から突き上げられていた。

 脳天を突き抜けるような快感にすべての思考が奪われそうになりながら、リリライトは必死に手に持っている羽根ペンを握りしめて、紙に筆を走らせている。

「ぐひひ、どうじゃあ? 書けたかぁ?」

 言うまでもなく、全てはグスタフの指示である。

 膝の上で淫らな声を上げ続けるリリライトの頬をねっとりと舐りながら、グスタフは彼女が筆を走らせていた紙を取り上げる。

 当たり前だが、文字は崩れており、内容の理解は困難。それでもなんとか読み取れる内容を見たグスタフが、にんまりと笑う。


 内容を要約すると――

1.ヘルベルト連合国との経済折衝について
 グスタフ様の華麗なる話術とオチンポにより、全て聖アルマイト王国に有利な条件で新たな条約を締結。思わずオマンコ濡らしてしまいました。

2.ミュリヌス学園の今期卒業生について
 グスタフ様が気に入られた生徒は全てオチンポに屈服させて白薔薇騎士団へ入団を決定しました。グスタフ様の眼にもオチンポにもかからなかった生徒は、ヘルベルト連合に奴隷として売り払うように進めています。莫大な収入が予想されます。

3.ミュリヌス学園の1年生進路について
 全て進級させることで決定しました。グスタフ様のオチンポを知らない生徒は2年次に教えてもらえるようカリキュラムを修正中。考えながら、生徒がうらやましくてエロマンコをトロトロに濡らしてしまいました。オナニーが止まりません。

4.各地方の慰安状況について
 グスタフ様との小作りセックスが忙しくてほとんど回れていません。地方に行ったとしても、グスタフ様とのドスケベセックスのことばかり考えて、慰安どころではありません。貧困に苦しむ国民などより、グスタフ様とのセックスの方が大切です。セックスしたい。グスタフ様と、イチャラブドスケベセックスをずっとしていたいです。

5.教育係兼大臣のグスタフの評価
 私が生涯仕える旦那様です。この世で最も愛しています。逞しいオチンポ様の持ち主で、私を姫ではなく、ただのエロセックス大好きのドスケベ雌マンコだということを教えてくれた、神様のような人です。どんどんエロくされていて、幸せです。最近はケツマンコでガチアクメをキメさせられました。もうグスタフ様のチンポ無しでは生きていけません。この間、グスタフ様のオチンポ嫁になることを神前で誓いました。近いうちにグスタフ様との婚姻発表の場を設けることを考えています。将来は、グスタフ様好みのエロい女の子を生んで、母娘丼で犯されることが夢です。グスタフ様大好き。チンポ大好き。セックス大好き。マンコ、疼いちゃう。孕みたい。グスタフ様の子供を妊娠したい。そのためにセックスしたい。セックス、セックス、セックス、オチンポ、オチンポ、オチンポ……

「ぶほおおおおおっ!」

 最後には完全に支離滅裂になっているその内容を見て、グスタフは雄たけびを上げながらリリライトの中に射精する。

「ひぐぅっ? んお゛……お゛お゛……おああああ……ぐひ、ぐひひひ……こ、今度こそ妊娠。グスタフ様の子供を着床します。孕みますぅ」

 最奥で火傷をするくらいの灼熱の白濁を発射されて、リリライトの表情が喜悦に歪む。

「ぐひひ、全くこのドスケベマンコが。これはいずれ、あのバカ王子に送り付けてやろう。大事な妹がこんなことになってると知れれば、さぞ怒り狂うじゃろうて」

「お、お兄様にっ? ああああっ……こんなドスケベなリリを知られると思うと、マンコがキュンキュンするぅ。し、子宮がチンポ吸ってるぅ……これ、妊娠する。絶対妊娠しちゃいますぅ」

 目を見開き、だらしなく舌を伸ばしながら、リリライトは挿入されたままの肉棒をきつく締めあげて、最後の一滴まで精液を吸い上げようとする。

「っく……ぐひひひ……たまらんのぅ。これでこの雌は完全に仕上がりおったわい。手駒もそろいつつあるが……」

「ひあああんっ! だ、旦那さまぁっ!」

 リリライトの膣に思う存分欲望を吐き出した後も、グスタフはドレスの上からリリライトの乳房を弄ぶようにして、思案に暮れる。

 リリライトが作成した報告書にあるように、既に白薔薇騎士団に入団出来る程の学生はほぼ手中に入れている。さすがに身体一つしかないため、1年生までは全員手が及んでいないが、それでもめぼしい実力者は手を付けてある。

 それでも、あのリアラだけは一向になびかない。

 今や1年首席で、前主席のアンナを軽く凌駕するとの評価はグスタフも聞き及んでいる。その実力は、これからグスタフが行おうとしていることには必要不可欠だろう。

 ――などという陰謀とか謀略などよりも優先するのは、単純な獣欲だ。

 もともと真面目な優等生なのだろう。見た目は勿論のこと、器量や振る舞いも、良い意味で気軽で親しみがあり、貴族らしからない。初対面では誰からも嫌悪されるグスタフにすら愛想よく振舞っていた。

 あの優等生然とした雰囲気をそのままに、あそこまで性に対する倫理観を低めたステラの手腕は恐るべくものだ。グスタフと全く同じではなくとも、そう遠くない効果を持つ「異能」にでも使っているのだろうか。

 更に彼女の嗜好に合うように、徹底して女性同士の行為に溺れている。厄介なのは、男性との行為も経験させた上で、それで同性の行為でそれ以上の快感と多幸感を得られるように刷り込んでいるところだ。

グスタフは、リアラに関しては他の女生徒のように、簡単に行為に持ち込むことが出来ないでいた。まあそもそも、ステラとの約束があるのだが、リリライトを完全に堕として獣欲を増長させたグスタフは、もはやそんなことを守る気など微塵も無かった。

だから、リリライトに働きかけてステラをミュリヌス地方から離れた場所へ追いやったのだ。ステラはグスタフとの取引が守られると考えているようだが、彼女が戻ってくるまでの限られた機会に、なんとかリアラをものにしたいと考えていた。

誰とでも寝るようになって、今もセックスフレンドを増やし、学園内に淫欲を感染させているリアラ。しかし、それでも振る舞いには理性が残っており、清廉ささえ感じさせるほどだ。

 そのリアラが、リリライトのように、本能のままに露骨な淫語を叫びまくりながら、グスタフに媚びて、男性器に溺れるところを想像するだけで――

「――ああぁっ! ま、またチンポが勃起してる! マンコの中で、バキバキにフル勃起してます! 旦那様、素敵ぃ! も、もっとリリにザーメンを! 赤ちゃんの素、くださいっ!」

 グスタフも枯れることを知らない絶倫であれば。グスタフに洗脳されたリリライトもいくら射精されても次を求める程の絶倫ぶりを発揮していた。グスタフの子種を孕むことこそが、雌である自分の最上の悦びだと、すっかり刷り込まれてしまっている。


「ぐひひひ……のぅ、リリ。リアラのことじゃが、あの娘もワシのものにしたいのう」

「っ!」

 グスタフの口からリアラの名前が出ると、それまで快感に狂っていたリリライトの反応があからさまに変わる。急に戸惑いのような、怯えのような表情を見せる。

「どうしたんじゃ?」

 それはグスタフにとっても予想外の反応だった。グスタフもグスタフで素に戻って、リリライトを伺う。

「あう……そ、その……リアラだけは、許していただけませんか? 大切な友人なのです」

「んんんんぅ?」

 意外にも反論してくるリリライト。これまでに、それ以上に荒唐無稽で非常識なことを命令したこともあるが、そのときなどはグスタフが喜ぶなら……ということで、即答で受け入れていたのに。

 思えば、リアラのことになるとリリライトは正気に戻る傾向がある。リアラだけは、グスタフとの関係に巻き込みたくないという、静かだが強い意志を感じ取ることが出来る。

「なんじゃあ? リリもよう仲良くしているじゃろう? リアラとリリとワシとで、仲良く3Pドスケベセックスじゃ。リアラと一緒にワシのチンポを舐めるところを想像してみい……それだけで、そのエロマンコがキュウキュウ締まるじゃろうて?」

 にやにやと笑いながら、下品な物言いでリリライトの劣情と煽ろうとする。当然、それで簡単にリリライトの理性は溶けて乗ってくるだろうと考えるグスタフ。

 しかし、リリライトは浮かない顔のまま。

「お願いです。リアラだけは巻き込まないで上げて下さい……」

 そんなリリライトのつまらない反応に、グスタフは反射的に苛立ちを募らせる。

 リリライトの顔を下から掴むようにして自分の方を向かせると、唾液まみれの舌でリリライトの口内を蹂躙する。

「んむう……んちゅ……んぐう?」

「ま~だ、分かっていないようじゃのう。お前はなんじゃ? マンコでしか物を考えることが出来ない、セックス大好きのエロ豚じゃ。これから1時間、わしの愛情た~っぷりのベロチューで、ワシの姿を見ただけでアヘるようにしてやるからのぅ。ほれ、お前も頑張って舌を動かせい……べろべろべろ……」

「あふ……れろ……ふえぇ……んぢゅうう」

「こうして、3人でベロキスするんじゃ。リアラが嫌じゃといっても、ワシとリリの二人でベロベロとリアラの舌や唇を舐めまくるんじゃあ。そうしたら、リアラからも舌を伸ばしてきて……ぐほほ……ほれぇ、リリのエロマンコが締まってきておるぞぉ。ワシの愛で、マンコが発情しとる。んれろぉぉ」

「はふ、れろ……んぢゅるるるるるっ! ああ、らめ……リアラは親友なのに……れろ……っぢゅ! だ、旦那様のベロチューで幸せにされて……んっちゅ……ちゅうう」

 根強い抵抗を見せるリリライトだったが、激しいグスタフの深いキスに、リリライトはうっとりとしながら、グスタフの頸に腕を回す。

 グスタフが言うように、嫌がるリアラにグスタフと2人でしつこく下品な舌を絡め合うところを想像しながら、リリライトは興奮を高めていく。それまでの嫌悪感が嘘のように無くなっていくのを感じる。

(私、は……)

 グスタフの言う通り、そのまま長い時間その状態が続けば、リリライトの理性と思考は完全にグスタフに支配されるだろう。

「失礼します、リリライト殿下。シンパです」

 ところが、突然のノックの音と声が2人の行為を中断させた。2人は口元から唾液の糸をのばしながら、ドアの方を見やる。

(た、助かった……)

 思わず胸の中で安堵したリリライト。

 それはほんの僅かながら残った彼女の理性。残された一縷の希望だったのかもしれない。

    ▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼

 シンパがリリライトの執務室に訪れたのは、ミュリヌス学園の卒業生で白薔薇騎士団への入団の最終決定だった。

「シンパも忙しいのに、わざわざありがとうございます。それで、どうでしたか?」

 リリライトから提出された入団内定者リストを手に持ったシンパは、神妙にうなずく。

「私からは特に異論はありません。学生をよく見られておりますね。正直、感心致しました」

 リリライトから挙げられたリストは、単純に成績上位者から順番に抜粋したものではなかった。成績に反映されるものでは実力が振るわなくても、ある特定の分野において秀でている学生などを、よく考慮した上で、全体的に実にバランスの取れた入団者リストとなっている。

「そうですか。それは良かったです。グスタフに相談に乗ってもらって良かったです」

 ぱあっと顔を輝かせるリリライト。

 実際にはリリライトの意見など、ほぼ入っていない。全てグスタフが己の考えで選別した学生達だ。先ほどのリリライトの報告書通り、全てグスタフの意のままに動く学生ばかりである。

 疎んじている相手の名前を嬉しそうに口に出したせいか、シンパは明らかに表情を険しくして、リリライトとグスタフの両者を見やる。

「ぐひひ。婆にそんな熱い視線を送られても、ワシのチンポは微動だにせんわい。さっさと去れい」

 明らかに増長しているグスタフの態度。いくら大臣といえど、以前はいくばくか謙虚に振舞おうとしている節もあったが、今はそんな空気は微塵にもない。

「そうですよ、シンパ。いつもそんな嫌っていたら、グスタフも可愛そうです」

 そしてリリライトの反応も微妙に変化している。グスタフへのあからさまな態度を諫めるということは度々あったが、それはリリライト自身もグスタフを蔑みつつも立場が立場だから我慢しろ、という形だった。

 しかし、いつの間にか完全にグスタフをかばうような物言いになっている。

 そんな微妙な変化に気づいているのか気づいていないのか、シンパは無表情のまま様子をうかがうようにリリライトとグスタフの様子をうかがう。

「それで、コウメイ殿とアンナの件ですが」

 そのまま次の要件に移るシンパ。

 リリライトは表情だけは、慈悲深き純白の姫らしく心配そうな顔を作るが、内心では完全に気もそぞろだった。

(ああ、もう。どうせ2人とも死んでいるんだし、さっさといなくなってくれないでしょうか)

 リリライトは乾いた唇を、ぺろりと舌を出して舐める。こびりついたグスタフの唾液の味に、ビクリと身体を震わせる。

(はぁぁ……旦那様の味……早く、早くベロチューの続きしたい。ベロベロベロベロ舌をなめ合って、チンポみたいに旦那様の舌をしゃぶって、クチュクチュ音を立てながら旦那様の濃いつばを飲みたいです)

「1週間前から捜索範囲を広げているものの、未だ目撃証言などもなく――」

 何やらシンパが報告を続けているが、もうリリライトの耳には届いていない。

 あまりにも中途半端なタイミングで入ってきたシンパ。いつもなら、しっかりと切り替えて理知的で天真爛漫な姫を装うことも出来るのだが、今回はあまりにも突然のことのため、取り繕っているリリライトの理性はいまにも剥がれそうになっている。

 頭にあるのは、グスタフとの行為の続きのことばかり。

 ふと視線を横に反らすと、リリライトは驚きで思わず口を開ける。

 グスタフの肉棒がローブを持ち上げるようにしてテントを張っているのだ。グスタフの下半身は、シンパから見るとリリライトの執務机に隠れて分からないので、シンパは気づいていないのだろう。

 いつもの余裕の笑みを浮かべているグスタフだが、リリライトと同じく中途半端なところで中断されたことで焦れているのだろう。まるで行為の最中の時のように、びくびくと動いている。

(あぁぁ……旦那様のチンポ……おちんぽぉ……)

 リリライトはシンパに察せられないように、視線は彼女に向けたまま、そっと手をグスタフの下半身に伸ばす。

「むほおおおっ?」

 シンパから見れば、突然気味の悪い雄たけびを上げるグスタフ。何も言わないが怪訝な表情でグスタフを見る。

「い、いや何でもない。ワシには構わず続けて……おほおっ……ほおおっ!」

(あ、すごい。チンポがびくびくしてる……これ、旦那様が特に悦んでくれている時の動きですね)

 衣服の上から、盛り上がっているグスタフの股間を手でさするように刺激するリリライト。顔は多少赤らんでいるが、シンパに対しての態度は変わらない。

「それは、2人が心配ですね。無事だといいのですが」

 表情は神妙な顔をしつつ、リリライトはグスタフの肉棒を刺激する手の動きをより大胆に、卑猥にしていく。

「ぐひぃぃっ! ぐひっ、んほおおっ!」

 リリライトとシンパが真面目な会話を続ける最中にも、グスタフは唾液を垂らしながら下品な喘ぎ声を上げ続ける。最初は無視していたシンパも、さすがに不快感を隠すことが出来なくなり、グスタフを睨みつける。

「グスタフ卿、いい加減にっ……!」

「いいんですよ、シンパ」

 リリライトは満面の笑みを浮かべて、シンパを制する。

「し、しかしリリライト殿下」

「いいんです。さあ、もう――イッて下さい」

「おほおおおおおおっ!」

 リリライトのその言葉と同時に、グスタフはがくがくと全身を震わせて、そのままズボンの中で射精をする。射精を感じながらも、リリライトは強弱をつけて手で揉むようにして、最後の一滴まで搾り取ろうと、肉棒を刺激し続ける。

「んおっ……おっ……おっ……おおおっ…!」

 下を伸ばしながら、リリライトの手の感触に溺れるグスタフ。

 シンパからしてみれば何が起こっているのは、全く意味不明。しかし見るのも聞くのも不快でしかなく、苛立ちを募らせることしか出来ない。

「――失礼します……!」

 シンパはほぼ強制的にリリライトへの報告を済ませると、そのままイライラした足取りで執務室を辞去する。

 そして、シンパがドアを閉め終わるのも待たず、リリライトは血走った眼をしながら、グスタフの前にひざまつき、ズボンを引きずりおろす。

 白濁だらけになっている下半身があらわになり、ムワッとした強烈で濃厚な雄臭を、リリライトは鼻をヒクつかせて嗅ぎ取る。

「あああ……も、勿体ない。旦那様の特濃オチンポザーメン……」

 理性を失った瞳で、リリライトはグスタフの下半身や下着にこびりついた白濁を指で掬い取る。そして、行為の最中だったため、下着をつける暇も無かったリリライトは、そのままスカートの中に手を忍ばせると、グスタフの精液を掬い取った指を秘穴に挿入し、そのまま奥に塗り付けるようにする。

「ぐひ、ぐひひひっ! 妊娠♪ 今日こそ絶対に孕みますね、旦那様の赤ちゃん♪ ぐひひひ」

 その可憐な顔を、グスタフと同じように、唾液を垂らしながら下品な笑みを浮かべるリリライト。射精して萎えかかっていたグスタフの肉棒にむしゃぶりつくと、たちまち肉棒は硬くなる。

「んぢゅるるるっ! ぢゅうううっ! お、オチンポっ♪ チンポ、お・ち・ん・ぽ♪ れろれろれろ……チンポ、だいしゅきぃ」

 舌を卑猥に伸ばしながら、絡みつけていくリリライト。秘穴に挿入していた指を動かし始めて、そのまま自慰を始めていく。

 少なくとも、グスタフ以外の人物と会ったり公務を執り行っている時は、表面上は純白の姫を振舞うことが出来ていたリリライト。しかし、徐々に公式の場でも、その淫欲を抑えきれずに、影響が出始めている。

 これ以上はないと思いつつも、どんどん理性を失い、グスタフ以上に狂っていくリリライトの変貌ぶりに、グスタフは笑みを浮かべながら、リリライトの美しい金髪を撫でる。

「ぐひひひ、本当に可愛い奴じゃ。ワシの思った以上に、エロ豚になりおって」

「ちゅるる……っちゅうう! んぢゅうううっ! わ、私このオチンポのためなら、何でもしますぅ……あむ……んぐ……」

「ひょほほほ、そうか。それならば……」

 グスタフは肉棒に吸い付くようにするリリライトの顔を離させて、自分の方を見上げさせる。

「大切な親友より、このチンポが大事じゃろう?」

「……ぁう」

 グスタフは、最後に残ったリリライトの理性を奪いにかかる。

 最初から徹頭徹尾変わることのない、グスタフの濁った醜悪な瞳。それで真っ直ぐ見つめられると、吸い込まれるようになるリリライト。

 ――もう逆らえるはずがなかった。

「リアラをワシのチンポ狂いにさせる。リリが手伝ってくれれば、何も難しいことはない。いいのぅ?」

「私、は……」

 リリライトの最後の抵抗も弱弱しい。

 グスタフは醜悪に顔をゆがめながら、その肉厚な舌をベロリと伸ばす。その下からは大量の唾液がしたたり落ちており。

「あのクソ婆に邪魔されたが、続きじゃあ。分かったらな誓いのベロチューじゃ。何時間でも、いくらでもワシの唾液を飲ませてやるぞい」

「……っあああああ! むっちゅううううう」

 リリライトは雄たけびをあげながら、グスタフの頸に腕を回す。そして唾液まみれのなった唇が反り返るほどにとがらせると、そのままグスタフを押し倒して、血走った眼で舌を絡め合わせる。

(っはああ……ベロチュー、ベロチュー、ベロチュー、ベロチューぅぅぅ。幸せ過ぎるぅぅ。リアラ、ごめんなさい。私、もうチンポとセックス以外のこと、考えられませんっ!)

 本能の赴くまま、舌と唾液を貪り合う2人。たっぷりと30分は、クチュクチュと音を響かせながら濃厚な舌の貪り合いを続けた2人。

 リリライトは舌を伸ばしたまま顔を離し、うっとりと蕩けた顔でグスタフを見下ろす。

「わ、わらひぃ……リアラをグスタフ様のチンポ奴隷にする、お手伝いしますね……んれろぉぉ」

 白目を剥きそうになりながら、リリライトは完全に正気を失った表情で、グスタフにそう誓った。

    ▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼

「一体何だというのだ……」

 リリライトへの謁見を終えたシンパは、珍しく苛立ちをあらわにして廊下を歩いていた。いつもは冷静なシンパの荒々しい歩き方に、すれ違う使用人は皆怯えるようにして距離を取って歩くのだった。

 ひどいひどいとは思っていたのだが、あそこまでだっただろうか。元々が最悪だったため、もはやシンパも訳が分からなくなっていた。

 それに、あのリリライトの態度の違和感――グスタフへの態度が、不自然な程に軟化している。

(もしかすると、リリライト殿下も既に――)

 今日までに、何度も何度も自分の中で消化しようとしても、ずっとわだかまりとして残っていたこと。

 アンナの変貌ぶりにグスタフが関わっているのか否か。

 当事者としてはコウメイの言い分が真に迫っているようにしか見えないが、一歩引いてみてみれば、考え過ぎとも取れる。結局、シンパの中でその判断は未だについていないのだった。

(しかし、どうすればいい?)

 今の様にシンパがリリライトと直接顔を合わせる機会は、年が明けてから急激に減った。強引に拒絶されているわけではなく、リリライトの公務に学園運営に関するものが増えても、シンパも建前上のコウメイとアンナの捜索任務を行うために外にいる機会が多くなった。

 決して不自然というわけではないのだが、どこか避けられているような気がする。そして、それはもしかするとグスタフが裏で意図的に作り上げているのではないか。

 もしかすると、もう既に手遅れではないのか。既にリリライトはグスタフの手に堕ち、取り返しの事態が裏で進んでいるのでは――

 シンパは首を振って、最悪の予想を振り払う。

 事実はどうあれ、自分がやることを見紛うな。自分がやることはリリライトの身を、自らの身命を賭して守ること。それだけだ。それ以外のことに思考を向ければ、意思も行動も歪んでしまう。

 もうすぐに、王都へ戻ったコウメイの報を受けて、王都から部隊が差し向けられるだろう。グスタフは、コウメイは死んだと思い込んで完全に油断しており、何の対策もしていないはずだ。

 グスタフが黒幕であっても、それが考え過ぎであっても、王都の部隊が到着すれば全てが終わる。それまで、シンパはリリライトの守護騎士として、その責務を全うすることを改めて決意する。

(どんな形であれ、もしもリリライト殿下に危険が及ぶようなことがあれば、その時はグスタフ……貴様を……)

 考えただけで腹が煮えくり返りそうなほどの激情が沸き起こる。シンパは無意識のうちに腰に下げている騎士剣の柄に手を添える。

「――ん?」

 そんなシンパの横を、1人の女性が走り抜けていくように通り過ぎる。

 怒りの感情に染まっていたシンパが目を止めたのは、その女性が使用人ではなかったからだ。かしこまったメイド服ではなく、動きやすさを重視したラフな衣服に、たった今寒い外から屋敷に入ってきたかのような赤い顔。急いでいるのか息を弾ませているようだった。

「女性の“飛竜使い”か。珍しい」

 この大陸では非常に希少な存在である、空を飛ぶ動物である「飛竜」。その飛竜と心を交わし、扱える者――飛竜使いは更に少ない。

 人を乗せて空を飛ぶという、極めて優れた能力を持って、この大陸で飛竜使い達は主に運び屋として生計を立てている。その名の通り、依頼された物を運ぶことを生業としている。

 しかし物とはいっても、そこまで重い物を運ぶほどに飛竜の飛行能力は優れていない。箱1つが関の山で、彼らが最も多く扱うのは手紙の類だ。それでも馬よりも断然速く届けることがあるので、需要は決して低くない。

 希少な存在である飛竜使い――その中でも女性といえば、大陸でも片手で数える程度しかいないのではないか。考え事をしていたシンパが、思わず気を取られるのは当たり前のことだった。

 どうやら、シンパが歩いてきた方向――屋敷の奥、リリライトの執務室へ向かっていったようだが。

「もしかすると、コウメイ殿。或いは、カリオス殿下だろうか?」

 既に姿が消えた飛竜使いの女性を、今更追うことは出来ない。追ったとしても、予想通りリリライトへの手紙だったとして、シンパがそれを確認することなどできない。

 確かめる術はないが、シンパは淡い期待を、彼女が姿を消した先に向けてから、再び廊下を歩き始めた。
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