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第2章 それぞれの夏 編

第16話 リアラ=リンデブルグの場合(後編)

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 リンデブルグ家が居を構えるパリアント領は、地形的に高原にある。真夏は真夏らしく暑さが厳しいのはそうなのだが、湿度は低く、乾いた風が爽やかに通り抜けるため、朝夕の時間帯などは、温度が高くてもかなり快適だった。



 リンデブルグ家邸宅の中庭。使用人達により日々手入れされている色とりどりの花が、夏の暑さに萎えることなく、元気にその美しい姿を咲きほこらせている。



 まだ本格的に暑くなる前の早朝――そんな花々に囲まれた中央部の芝生の上で、模擬剣を手に二人の人間が手合わせをしていた。



 リアラとリューイである。



 二人とも真夏らしくシャツ一枚といったラフな格好で、激しく模擬剣を打ち合っていた。



 素早さで手数を増やし、動き回ることでリューイを翻弄するリアラ。1つ1つの攻撃は決して重くはないが、前だと思えば横、横だと思えば上――次から次へと、多角的に攻撃が加えられるリューイは防戦一方になっていた。



「やるね、リューイ。強くなった」



「――っこの!」



 攻撃の手を緩めず、嬉しそうにそういうリアラにリューイは苦笑する。



 横から振り払おうとするリアラの動きを察知――リアラの剣を受け止めようとするリューイは、しかし彼女の目線でフェイントに気づく。続いてその剣先の気配を伺えば、正面から斬りかかる彼女の剣を、リューイは危なげに受け止める。



「相変わらず、実戦では可愛げがない」



「大きなお世話だよ」



 二人は笑いながら憎まれ口を叩く。



 剣を押し合いながら、次の相手の出方を伺う。



 単純な腕力では、男のリューイに分があるのは明らかだ。リアラは力勝負にならないよう、彼の側面へ向けて、身体を回転させるように滑らす。



「っと……!」



「これでっ!」



 リアラをそのまま押しやろうとしていたリューイはバランスを崩している。その隙に、回転した勢いのまま、リューイの身体を薙ごうと剣を振る。



 ――が、木で出来た模擬剣を、リューイは腕で受け止める。



「あ、ずるい」



 実戦であれば、腕が切り飛ばされる行為だったが、リアラの軽い一撃の模擬剣なら、少し痛い程度だ。顔をしかめることもない。



「わはは、これでどうだ――あれ?」



 攻撃を止められて狼狽えるリアラに向けて、剣先を突きつけようとした時――そこにリアラの身体が無い。



 思わず不満の声を出したリアラだったが、即座に対応していた。膝を曲げてしゃがむような格好になると、そのままリューイの足を自らの足で払う。全く無防備だったリューイは、それで文字通り足を掬われてしまい、そのままみっともなう仰向けに転がる。



 即座に立ち上がろうとしたとき、有無を言わさずにリアラの模擬剣がリューイの喉元に突き付けられる。



「――参りました」



 観念したリューイは模擬剣を放り投げて、諸手を上げて敗北宣言。リアラはニッコリと笑う。



「くっそー……相変わらず勝てる気がしないな」



 リアラは剣を下げて、地面に尻をつく格好になったリューイに手を差し伸べる。リューイはその手を取り、立ち上がりながらそういった。



「ハンデまで付けてもらって、これじゃあなぁ」



 パンパンと尻についた汚れを払いながらリューイ。



 リアラが思わず「ずるい」と零したものの、あれは事前にお互い承知の上で設定したルール。



 リアラは純粋な剣技だけでリューイを圧倒すること、対してリューイは剣技以外にもどんな方法を使ってでもリアラに一撃を与えること。ついでに言うならば、リアラは聖魔法すら使用していない。



 お互い同じように修練に励んできたのだが、これがリンデブルグ家100年に1度の天才と称されるリアラと平凡な才能であるリューイという現実。歴然の差がこれだった。



「いや、参ったな。龍牙騎士団に入団して、いくらか強くなった気でいたんだけどなぁ。ますます差が広がってないか?」



「ううん、そんなことないよ。私もうかうかしてられないなって、本気で思ったよ」



 リアラは正直な感想を吐露する。



 高等教育時代もこういった大きなハンデがある中で、それでも余裕でリューイをあしらえていた。しかし今回はそこまで余裕は無かったというのが正直なところだ。



 純粋な剣術はまだまだだかもしれないが、模擬剣を腕で受け止めるなど、その状況に合わせた実践的な動きについては、高等教育時代と比べるべくもない。それは、間違いなく成長だ。



 リアラもミュリヌス学園で成長しているつもりだったが、実際の騎士団で修練を積んでいるリューイはそれ以上に成長しているようだった。



 差は縮まっているな、というのがリアラの正直な感想。ただ、リューイがそうやって自分を唸らせる程に成長していることは、リアラにとっては嬉しいことだった。



 そんあ会話を交わし、汗を拭って、朝一番の鍛錬を終える二人。



 リアラが帰省してから、リューイと過ごすこの数日はそれが日課となっていた。お互いに休みだからといって、気を緩ませ過ぎることがないようにと、どちらからともなく言いだしたことだった。



 真面目な二人らしい取り組みだった。



「ふふふ。どうだね、リューイ君。うちの娘は。美人で、優しく、強い。それでいて貴族らしく清楚で気品溢れ、華のように可憐で可愛らしく、人への気遣いも申し分ない。うむ、相変わらず完璧で非の打ちどころがない。そんなうちの娘だが、君に任せても大丈夫なのかね? 言ってはなんだが、こうまで簡単に女性にいいようにあしらわれるようであれば、正直私は不安だよ。君は将来リアラに何かあった時に、ちゃんと娘のことを守ってやれるのかい? そもそも、私は――」



 二人の手合わせを遠巻きに見ていた、リアラの父――シュルツ。終わるとみると、すたすたと無遠慮に近づいてきて、そのまま娘の賞賛と、その娘の想い人へであるリューイへの不満を滝が落ちる如く口にしていく。



 このシュルツの娘の溺愛ぶりは、リューイはすっかり慣れたもので、苦笑しながらクドクドと続けるシュルツの小言を上手に受け流している。



 一方、せっかくのリューイとの時間を邪魔されたリアラは、明らかに不満そうに頬を膨らませながら



「もう。父様だって、私に勝てないでしょう? 父様なんかより、リューイの方がよっぽど頼りになるんだから」



 そのリアラの言葉を聞いた途端――シュルツの表情は筆舌にし難いものとなっていた。何といえばいいか、そう……正にこの世の終わりを疑うような驚愕に満ちた表情。高名な画家がここにれば、その表情を作品にした時「絶望」という、シンプルなタイトルをつけるに違いない。



「あの……大丈夫ですか、お義父さん?」



「お、お義父さんて呼ぶな。うわぁぁぁんっ!」



 まるで貴族の紳士らしくなく、子供のように泣きながら中庭を疾走し、走り去っていくシュルツ。



「いいのか?」



「いいの。きちんと言わないと、いつまで経っても分からないんだから」



 プンプンという擬音が聞こえてくるくらい、珍しく不機嫌になっているリアラ。リューイの前では滅多に見せない表情だったが、それもリアラとシュルツの良好な仲を証明しているのだろう。



 本来、上流貴族で厳格な家柄であろうリンデブルグ家――勿論必要最低限の礼儀や振る舞いは守られているのだろうが、その前に一人の父と娘として、自然体に振舞えている。リアラが天真爛漫い育った下地がそれなのであろう。



 特にリューイも母親との仲が悪いわけではないが、リアラのそんな両親との仲が羨ましく感じるのだった。



「リアラ~! リューイさ~ん。朝食の準備が出来ましたよ」



「お、奥様。言って下されば私が……」



 邸宅の方から、エプロン姿のイシスが姿を見せて二人を呼ぶ。側仕えの使用人も一緒だ。どうやら今日もイシスが料理の腕を奮ったようで、リアラが帰省してからは毎日イシスが料理を作っている。リアラの帰省がそれだけ嬉しいのだろう。



「はーい、母様。リューイ、行こ」



「ああ」



 笑顔でリューイに手を伸ばしてくるリアラ。リューイはその手を取りながら、二人は仲詰むまじく、イシスと使用人の下へ歩み寄っていった。



    ▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼



 泣いてどこかに走り去ってしまったシュルツを抜きにして、リアラ・リューイ・イシスの三人はそろって朝食を取っていた。



 広い食堂の中、三人にして大きすぎる食卓の上に、パンやらサラダやら果物やらの様々な食材が並べられている。部屋の隅には使用人達は姿勢よく待機しており、正に典型的な貴族階級の食事の一風景そのものだった。



 控えている使用人達は、つつがなく動く。例えばスプーンを落とせば即座に代わりのものを持ってくるし、飲み物をこぼせば光の速さで拭きに来る。平民のリューイには、いつまで経っても落ち着かないものではあった。



 だが、いずれ故郷の母親にも一度くらいこういう体験をさせてやるのもいいかなと思った。仮にリンデブルグ家を継ぐこととなった場合「一度」ではすまないと思うが、母親が最初の自分と同じように、戸惑う様子を見てみるのも面白いかなと思うのだった。



「そう、お父様ったら仕方ありませんね。リアラが帰ってからずっと、お仕事も放り投げっぱなしですし。お仕置きですね」



 イシスが微笑みながら言う言葉に、色々と気になる部分はあったが、リューイはとりあえず気にしないでおく。これはこれで、夫婦仲は良好ということだろう。きっと。



「私が帰ってきてからって……母様は料理を作ってくれたり、お買い物に付き合ってくれたりしけど、父様は何していたの?」



「じっと、遠くから貴女と見守っていましたよ。貴女に気づかれないように、片時も離れずに。リューイさんと一緒にいる時は、憎悪がにじみ出ていた目で、ハンカチを噛みしめて、涙を流しながら睨んでいましたわ。特に夜の営みの――」



「わーわーわー、止めて止めて」



「くすくす。冗談ですよ、リアラ」



 なんだか凄いことを言おうとしているイシスを、リアラは顔を真っ赤にして拒んだ。どこまで冗談なのだろうか、それを聞くのも怖くて、リューイは黙って朝食を進めていた。



「リューイさんは、今日は何時ごろに発つ予定なのかしら?」



 カチャカチャと、それぞれが食器を使う音を響かせる中、おもむろにイシスが問いかけてくる。



 ミュリヌス学園の夏休みも、既に半分が過ぎていた。



 リューイの休暇は本日まで。今日中にはレイドモンド領に戻らなくてはいけないのだ。学生であるリアラと比べると、見習いとはいえ騎士であるリューイが取れる休暇は圧倒的に少ない。



「朝食をいただいて、準備が出来たら出発しようと思います。また明日から仕事ですし」



「そうなの。そんな日まで、朝からお稽古なんて感心です。これでヴァルガンダル家も将来も安泰かしら」



 父親とは打って変わって、母親のイシスはリューイのことを歓迎してくれている。いや、シュルツも本心では悪く思っているわけではないことは分かっているが。



「騎士団に戻って、身体を壊さないように頑張ってね」



「ありがとうございます……お義母さん」



 好意的なイシスにリューイは礼儀正しく感謝を伝えると、イシスはにっこりと笑う。



「今度のお休みは年末かしら――そうだ、宜しければ冬は故郷のお母様も連れていらして。リアラもお世話になるでしょうから、是非一度ご挨拶をさせていただきたいわ」



「あ、はい……ありがとうございます」



 貴族夫人が一平民に挨拶、というのは何とも奇妙な話だ。だが、それもリンデブルグ家の特色だろう。自分だけではなく、母親をも含めてリューイのことを受け入れてくれているイシスに、リューイは改めて感謝の意を表す。



「リアラもちゃんとリューイさんを見送って差し上げるのよ」



 母親の確認に、リアラも素直にうなずく。



「リアラは、今日はリューイさんを見送った後、午後からの予定は?」



「今日はミリアに、中庭の手入れを教えてもらおうと思って。何本か学生寮に持っていて、よくしてくれている先輩に送りたいの」



 ミリアというのは使用人の中でも、リアラと年齢が近く懇意にしている少女のことだった。今も他の使用人と同じく、部屋の隅に控えているが、リアラから言われると恐縮しているのが見て取れる。



「そう、それは良い事ね。リューイさん、この娘はね小さな頃は武芸のことばっかりで、とんだお転婆になると思ったけれども……こういった女の子らしい所もあるのよ。ふふふ、こんなことばかりいうと親馬鹿に思われるかと思うけど、とても可愛い娘よ」



 リアラは顔を赤くして「止めてよ」というが、イシスの娘自慢は止まらなかった。



 リアラのことを愛しているのもそうなのだろう。そんなリアラのことを大切にしてくれていて、リアラも愛情を寄せているリューイという存在もまた嬉しいのだろう。イシスはリューイが滞在している間は、終始上機嫌な様子でいたのだった。



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 そして、いよいよリューイがレイドモンド領へと出発する時間となった。



 リンデブルグ家の準備した馬車の前――リアラに比べれば随分と少ない手荷物を手にしたリューイは、朝方どこかに走り去っていったシュルツを含めた親娘3人に見送られ、更にその向こう側には数人の使用人達に見送られていた。



「うむ、なんだ。その……将来、リアラの夫となりたいのならせいぜい精進し給えよ。龍牙騎士団でいっぱしの騎士になれたならば、まあ控えめにいってリアラの夫に相応しくなくもないかもしれなくもないが、私もリアラとの仲を認めるのもやぶさかではなくも――」



「はいはい。それではリューイさん、どうか頑張って。また冬に元気な姿を見せて下さいね」



 ぐちぐちと、激励だかなんだか分からないシュルツの言葉を、イシスは短い言葉で強制的に遮る。リューイは苦笑しながら「ありがとうございます」と返す。



「リューイ」



 朝食の時間前は、いつもと同じようにあっけらかんとしていたリアラだったが、いざ出発前になると、寂しさを隠しきれていなかった。表情を曇らせて、リューイを見上げる。そんな顔で見られると、リューイも思わず胸を締め付けられる思いだった。



 この2週間余り――高等教育が終わってから夏休みまで、会えなかった分の埋め合わせをするように、常に一緒の時間を共有した。朝の鍛錬から、食事や余暇時間、その他さまざまなことまで、何をやるのも一緒。どんなに下らないことでも、何をやるのも楽しかった。



 夜も毎夜のように絡み合った。愛を囁き合い、お互いを激しく求めあった。何度身体を交わらせても、それでも足りないと思うくらい、愛おしかった。



 そんな幸せで濃密な日々が今日で終わってしまう。また明日からは遠く離れ離れ――分かってはいたことだが、それを思うとリアラの目に涙が溜まっていく。



「浮気なんかしたらやだよぅ?」



 珍しく甘えたような声で言うリアラ。目からは既に涙がこぼれ始めていた。



 リューイは手荷物を地面におろして、そんなリアラの身体を抱きしめる。



 とても華奢で細く感じる――とても、毎朝の鍛錬で自分が圧倒されていた相手だとは思えない。



「騎士団は男所帯なんだから、心配するなって。リアラこそ、悪い虫がつかないか心配だよ」



「学園も、学生寮も、女の子しかいないよ」



 そう言って、二人でくすくす笑い合う。



 大丈夫。また冬にはこうして会える。二人の時間を共有できる。そしてリアラが卒業した後は、きっと夫婦として一緒になれる。



 リアラは涙をこぼしながらも、笑顔でリューイを見上げる。



「大好きだよ、リューイ」



 言いながら、リアラはリューイの首に腕を回し、唇を重ね合わせた。さすがに人目がある中でリューイは照れがあったが、しばらく会えない寂しさが勝った。リアラの背中に腕を回す。



 リアラ達の後ろに控える使用人の中、年頃の少女からは思わず声が上がる。リューイの乗車を待つ馬車の御者は遠い眼をして昔を思い出しているようだ。イシスは「あらあら」とのんびりした声を出し、シュルツは口から泡を吹いてひっくり返っていった。



 こうしてリアラ=リンデブルグは、夏休みに極めて至福の時間を過ごせていた。日々の厳しい学業の疲れを癒す、といった本来の目的を、正にそのまま果たせていたと言える夏休みだった。
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