59 / 82
56話 ジャガイモ
しおりを挟む
お昼になり、少し開けた場所でお昼休憩にする事になった、ライアスが結界針を設置していく。
オルトとディーネは異空間に戻ってもらった。
メイジーは皆んなの浮き立つようだ足取りに首を傾げ、準備を進めていく。
だけど、次第に視線を感じ顔をあげると、何故か皆んなからの期待の眼差しがぶつかる。
三人は期待した眼差しでメイジーを見ていた。
「どうしたんですか?」
何故、皆んなから見られているのか分からず、メイジーは首を傾げた。
代表してエヴァドネが口を開く。
「メイジーの…あの…サンド。」
最後の方は声が小さくて聞き取れなくて、メイジーは聞き返す。
「え?」
「だから、メイジーの……サンドが…。」
エヴァドネの顔が徐々に赤くなり目が泳いでいて、声が小さくなって聞き取りずらい。
「…サンドが何ですか?」
え?サンド?昨日食べたカツサンドのことだろうか?…で?そのサンドがどうしたんだろう?
メイジーはエヴァドネに首を傾げて見せたが、三人は"おい、はっきり…"とか"頼む"とかエヴァドネに言い寄っている。
あのー、どうしたの?何?
エヴァドネが覚悟を決めたのか、私の顔を見て大声を上げた。
「メイジーの…あの美味しい、カツサンドが食べたい!…です。」
エヴァドネの顔は恥ずかしさのあまり頰が赤く、目を思いっきり瞑って声を張り上げて言っていたが、申し訳ない気持ちもあるのか最後の言葉は小さくなって敬語になっていた。
「そんなに美味しかったですか?あれはただパンに挟んだだけなんですけど。…その前に、追加の食材を購入していないんですけど…。」
メイジーの言葉に三人とも、あからさまにしょんぼりしている。
えー?そんなに食べたかったの?
ま、まあ。三つ残っているから、食べさせてあげられるけど…。
ホログラムマップで周辺を確かめ、魔物や人がいないかを見て、いない事を確認し提案する。
「あー。カツサンド、三つ残っているから食べる?」
先程と打って変わって三者三様に嬉しそうな顔をしている。
「やったー!」
一番喜んでいるのはエヴァドネである。
「アディス、手持ちに干し肉と野菜類ある?」
「ああ。ある。何が必要だ?」
なんだかアディスも、期待の篭った目で聞いてくる。
「干し肉四つと…。」
魔導コンロと鍋を用意し、鍋に魔法で水を入れ沸かす。
アディスから干し肉を貰い切って鍋に投入させる。
「後は、玉葱三玉、人参一本、あればジャガイモ…」
「え?」
玉葱と人参を貰って、最後のジャガイモと伝えると、横からエヴァドネの驚き声が聞こえ、アディスとライアスが目を見開いて、口を半開きで驚いていた。
「え?どうしたんですか?そんなに驚いて。なければ玉葱もう一玉貰えれば…。」
「え?ジャガイモって言った?!」
「え?言ったけれど、なんでそんなに驚いてるの?」
「だって、ジャガイモって毒を含んでいて食べられないんだよ!?」
「は?」
エヴァドネが言った"毒"と言う言葉に目を丸くし、間の抜けた声を上げてしまった。
「えーっと、それって…芽が出ていたり、緑色に変色していたりしているジャガイモなんじゃないの?」
「そうだよ。半数はメイジーが言っていた物が混じってる。」
「え?ダメじゃん。」
エヴァドネの話に突っ込んでしまった。
あっ、野菜切らないと…。
玉葱と人参の皮を剥き、千切りにして鍋に投入し、話を再開させる。
「ジャガイモの芽と緑に変色しているのは毒性があって食中毒になるから、捨てないと駄目だよ。食べられるのは黄色みで芽が出ていない物を食べるんです。最初に言った芽が出ているとか緑色の物は収穫が遅い、収穫してから少し経っている物なんじゃないかな?後は暗くて、涼しくて、通気性の良い場所で保存しないといけないよ。付け加えると、食べる時ジャガイモの芽の部分を包丁の角で取り除いて調理すれば大丈夫なんだけど。」
皆んなにジャガイモの話をし終えて、鍋に調味料を入れ、味を調える。少し煮立たせ、次に卵をメイジーのアイテムポーチから取り出してお椀に卵を割り溶いた後、鍋の中に回しながら卵を入れ、少しかき回したら火を止める。
スープが出来た所で、アディス達を見ると目を丸くしていたのだった。
オルトとディーネは異空間に戻ってもらった。
メイジーは皆んなの浮き立つようだ足取りに首を傾げ、準備を進めていく。
だけど、次第に視線を感じ顔をあげると、何故か皆んなからの期待の眼差しがぶつかる。
三人は期待した眼差しでメイジーを見ていた。
「どうしたんですか?」
何故、皆んなから見られているのか分からず、メイジーは首を傾げた。
代表してエヴァドネが口を開く。
「メイジーの…あの…サンド。」
最後の方は声が小さくて聞き取れなくて、メイジーは聞き返す。
「え?」
「だから、メイジーの……サンドが…。」
エヴァドネの顔が徐々に赤くなり目が泳いでいて、声が小さくなって聞き取りずらい。
「…サンドが何ですか?」
え?サンド?昨日食べたカツサンドのことだろうか?…で?そのサンドがどうしたんだろう?
メイジーはエヴァドネに首を傾げて見せたが、三人は"おい、はっきり…"とか"頼む"とかエヴァドネに言い寄っている。
あのー、どうしたの?何?
エヴァドネが覚悟を決めたのか、私の顔を見て大声を上げた。
「メイジーの…あの美味しい、カツサンドが食べたい!…です。」
エヴァドネの顔は恥ずかしさのあまり頰が赤く、目を思いっきり瞑って声を張り上げて言っていたが、申し訳ない気持ちもあるのか最後の言葉は小さくなって敬語になっていた。
「そんなに美味しかったですか?あれはただパンに挟んだだけなんですけど。…その前に、追加の食材を購入していないんですけど…。」
メイジーの言葉に三人とも、あからさまにしょんぼりしている。
えー?そんなに食べたかったの?
ま、まあ。三つ残っているから、食べさせてあげられるけど…。
ホログラムマップで周辺を確かめ、魔物や人がいないかを見て、いない事を確認し提案する。
「あー。カツサンド、三つ残っているから食べる?」
先程と打って変わって三者三様に嬉しそうな顔をしている。
「やったー!」
一番喜んでいるのはエヴァドネである。
「アディス、手持ちに干し肉と野菜類ある?」
「ああ。ある。何が必要だ?」
なんだかアディスも、期待の篭った目で聞いてくる。
「干し肉四つと…。」
魔導コンロと鍋を用意し、鍋に魔法で水を入れ沸かす。
アディスから干し肉を貰い切って鍋に投入させる。
「後は、玉葱三玉、人参一本、あればジャガイモ…」
「え?」
玉葱と人参を貰って、最後のジャガイモと伝えると、横からエヴァドネの驚き声が聞こえ、アディスとライアスが目を見開いて、口を半開きで驚いていた。
「え?どうしたんですか?そんなに驚いて。なければ玉葱もう一玉貰えれば…。」
「え?ジャガイモって言った?!」
「え?言ったけれど、なんでそんなに驚いてるの?」
「だって、ジャガイモって毒を含んでいて食べられないんだよ!?」
「は?」
エヴァドネが言った"毒"と言う言葉に目を丸くし、間の抜けた声を上げてしまった。
「えーっと、それって…芽が出ていたり、緑色に変色していたりしているジャガイモなんじゃないの?」
「そうだよ。半数はメイジーが言っていた物が混じってる。」
「え?ダメじゃん。」
エヴァドネの話に突っ込んでしまった。
あっ、野菜切らないと…。
玉葱と人参の皮を剥き、千切りにして鍋に投入し、話を再開させる。
「ジャガイモの芽と緑に変色しているのは毒性があって食中毒になるから、捨てないと駄目だよ。食べられるのは黄色みで芽が出ていない物を食べるんです。最初に言った芽が出ているとか緑色の物は収穫が遅い、収穫してから少し経っている物なんじゃないかな?後は暗くて、涼しくて、通気性の良い場所で保存しないといけないよ。付け加えると、食べる時ジャガイモの芽の部分を包丁の角で取り除いて調理すれば大丈夫なんだけど。」
皆んなにジャガイモの話をし終えて、鍋に調味料を入れ、味を調える。少し煮立たせ、次に卵をメイジーのアイテムポーチから取り出してお椀に卵を割り溶いた後、鍋の中に回しながら卵を入れ、少しかき回したら火を止める。
スープが出来た所で、アディス達を見ると目を丸くしていたのだった。
0
お気に入りに追加
162
あなたにおすすめの小説
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
もういらないと言われたので隣国で聖女やります。
ゆーぞー
ファンタジー
孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。
しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。
しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる