47 / 82
44話 判断の末
しおりを挟む
重傷、血や大怪我の表現あります。
苦手な方はご注意ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「サーシャ!ジグル!」
気の弱そうな女の子サーシャと顎まである髪の男性ジグルが魔法で吹き飛ばされ、咄嗟に女性が叫び走り寄る。
何が起きたのか、混乱する三人の冒険者。
すぐに、森の奥と横から魔物が現れ、今までの魔物の数よりも多い。
魔法攻撃を受けたメンバーが、重傷を負い逃げきれずに囲まれてしまった。
リーダーらしき男性は武器を構え、横目でメンバーを確認する。
「カロリナ!サーシャとジグルは無事か?!」
「サーシャ!…ジグル!」
「……っ!」
「ジグル!」
「…ああ、…っ足が!」
カロリナは二人に呼び掛け、ジグルの意識があった為叫ぶ。
それに答えるように、呻きながらも応えるが足の激痛に悶えていた。
カロリナは混乱と恐怖で掌の震えが止まらないが冷静を保つ。
「さっきまで気配がなかったじゃないか!?なんでこんなに魔物が出てくるんだよ!」
「そんなの知らないわよ!」
「ハミッシュ、カロリナ!落ち着け!…
サーシャは無事か?!」
「意識がない!お腹と腕が…」
サーシャの脇腹から血が出ていて、腕は変な方向に曲がっている。
カロリナは震える掌でバッグからポーションを何本か取り出し脇腹の血が出ている場所に振りかける。
「どうしよう。血が止まらない…。」
持っていたポーションを使い切り、脇腹を掌で抑える。
「くっ!」
リーダーはどう切り抜けるか思考を巡らせ魔物を確認し唇を噛んだ。
「ゴブリンメイジっ!」
「あいつが、不意打ちを!?」
リーダーが呟いた魔物の名前を聞き、ハミッシュは震えながらも怒りを露わにし武器を構えていた。
厳しい戦いの場合、いつもはサーシャの支援魔法"プロテクト"の盾を展開させ戦闘を行っていた。
今はサーシャの負傷で、魔法が使えないという事が痛い。
リーダーは、危険な状況に歯を食いしばり顔を歪ませていた。
「くそっ!リーダーどうする!」
ハミッシュはリーダーの指示を待っていた。
この極めて厳しい状況にリーダーは動けないでいたのだ。
「…どうする。」
サーシャの言う通り浅瀬で依頼をこなしていれば…こんな事にならなかった。俺の判断ミスだ。どうしたらいい?
その間にも、魔物がジリジリと詰め寄ってくる。
「あのゴブリンメイジを、なんとか出来れば。………くそっ!ハミッシュここを守れ!」
ゴブリンメイジが魔法を詠唱する為に杖を掲げ始めた。
今魔法を放たれたら防ぎきれないと思い、リーダーはゴブリンメイジに突っ込んで行った。
「リーダー!?」
「グエイン!」
武器を構えて警戒していたハミッシュは、リーダーが魔物に突っ込んで行った事に、びっくりして引き止められなかった。カロリナも突然のリーダーの行動に名前を叫んだ。
突然の行動に魔物は、突っ込んでくる人間に襲い掛かった。
ゴブリンメイジの前にはホブゴブリンやゴブリンがおり、グレーウルフが先に行く手を阻む。
詠唱が終わる前に…っ!
グレーウルフを斬り下げ、別のグレーウルフを斬り上げ討伐していく。
ゴブリンメイジの前に出られないっ!
ゴブリンメイジの魔法の詠唱が終わり絶対絶命かと、やぶれかぶれに叫ぶ。
「クソがーーーー!!」
その時、空気を切り裂く音がグエインの耳元をかすめた。
ヒュン!
ギッ
ゴブリンメイジの額に矢が刺さり、仰向けに吹っ飛ぶ光景に冒険者と魔物は一瞬何が起きたのか呆気に取られた。
「加勢する!」
すぐに後ろから男性の張り上げた声に我に返る。
グエインは、左側からゴブリンを斬り下げ、右側から襲ってけるグレーウルフを斜めに斬り上げながら助力を求める。
「頼む!」
苦手な方はご注意ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「サーシャ!ジグル!」
気の弱そうな女の子サーシャと顎まである髪の男性ジグルが魔法で吹き飛ばされ、咄嗟に女性が叫び走り寄る。
何が起きたのか、混乱する三人の冒険者。
すぐに、森の奥と横から魔物が現れ、今までの魔物の数よりも多い。
魔法攻撃を受けたメンバーが、重傷を負い逃げきれずに囲まれてしまった。
リーダーらしき男性は武器を構え、横目でメンバーを確認する。
「カロリナ!サーシャとジグルは無事か?!」
「サーシャ!…ジグル!」
「……っ!」
「ジグル!」
「…ああ、…っ足が!」
カロリナは二人に呼び掛け、ジグルの意識があった為叫ぶ。
それに答えるように、呻きながらも応えるが足の激痛に悶えていた。
カロリナは混乱と恐怖で掌の震えが止まらないが冷静を保つ。
「さっきまで気配がなかったじゃないか!?なんでこんなに魔物が出てくるんだよ!」
「そんなの知らないわよ!」
「ハミッシュ、カロリナ!落ち着け!…
サーシャは無事か?!」
「意識がない!お腹と腕が…」
サーシャの脇腹から血が出ていて、腕は変な方向に曲がっている。
カロリナは震える掌でバッグからポーションを何本か取り出し脇腹の血が出ている場所に振りかける。
「どうしよう。血が止まらない…。」
持っていたポーションを使い切り、脇腹を掌で抑える。
「くっ!」
リーダーはどう切り抜けるか思考を巡らせ魔物を確認し唇を噛んだ。
「ゴブリンメイジっ!」
「あいつが、不意打ちを!?」
リーダーが呟いた魔物の名前を聞き、ハミッシュは震えながらも怒りを露わにし武器を構えていた。
厳しい戦いの場合、いつもはサーシャの支援魔法"プロテクト"の盾を展開させ戦闘を行っていた。
今はサーシャの負傷で、魔法が使えないという事が痛い。
リーダーは、危険な状況に歯を食いしばり顔を歪ませていた。
「くそっ!リーダーどうする!」
ハミッシュはリーダーの指示を待っていた。
この極めて厳しい状況にリーダーは動けないでいたのだ。
「…どうする。」
サーシャの言う通り浅瀬で依頼をこなしていれば…こんな事にならなかった。俺の判断ミスだ。どうしたらいい?
その間にも、魔物がジリジリと詰め寄ってくる。
「あのゴブリンメイジを、なんとか出来れば。………くそっ!ハミッシュここを守れ!」
ゴブリンメイジが魔法を詠唱する為に杖を掲げ始めた。
今魔法を放たれたら防ぎきれないと思い、リーダーはゴブリンメイジに突っ込んで行った。
「リーダー!?」
「グエイン!」
武器を構えて警戒していたハミッシュは、リーダーが魔物に突っ込んで行った事に、びっくりして引き止められなかった。カロリナも突然のリーダーの行動に名前を叫んだ。
突然の行動に魔物は、突っ込んでくる人間に襲い掛かった。
ゴブリンメイジの前にはホブゴブリンやゴブリンがおり、グレーウルフが先に行く手を阻む。
詠唱が終わる前に…っ!
グレーウルフを斬り下げ、別のグレーウルフを斬り上げ討伐していく。
ゴブリンメイジの前に出られないっ!
ゴブリンメイジの魔法の詠唱が終わり絶対絶命かと、やぶれかぶれに叫ぶ。
「クソがーーーー!!」
その時、空気を切り裂く音がグエインの耳元をかすめた。
ヒュン!
ギッ
ゴブリンメイジの額に矢が刺さり、仰向けに吹っ飛ぶ光景に冒険者と魔物は一瞬何が起きたのか呆気に取られた。
「加勢する!」
すぐに後ろから男性の張り上げた声に我に返る。
グエインは、左側からゴブリンを斬り下げ、右側から襲ってけるグレーウルフを斜めに斬り上げながら助力を求める。
「頼む!」
0
お気に入りに追加
162
あなたにおすすめの小説
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
ポーション必要ですか?作るので10時間待てますか?
chocopoppo
ファンタジー
松本(35)は会社でうたた寝をした瞬間に異世界転移してしまった。
特別な才能を持っているわけでも、与えられたわけでもない彼は当然戦うことなど出来ないが、彼には持ち前の『単調作業適性』と『社会人適性』のスキル(?)があった。
第二の『社会人』人生を送るため、超資格重視社会で手に職付けようと奮闘する、自称『どこにでもいる』社会人のお話。(Image generation AI : DALL-E3 / Operator & Finisher : chocopoppo)
【異世界ショップ】無双 ~廃絶直前の貴族からの成り上がり~
クロン
ファンタジー
転生したら貴族の長男だった。
ラッキーと思いきや、未開地の領地で貧乏生活。
下手すれば飢死するレベル……毎日食べることすら危ういほどだ。
幸いにも転生特典で地球の物を手に入れる力を得ているので、何とかするしかない!
「大変です! 魔物が大暴れしています! 兵士では歯が立ちません!」
「兵士の武器の質を向上させる!」
「まだ勝てません!」
「ならば兵士に薬物投与するしか」
「いけません! 他の案を!」
くっ、貴族には制約が多すぎる!
貴族の制約に縛られ悪戦苦闘しつつ、領地を開発していくのだ!
「薬物投与は貴族関係なく、人道的にどうかと思います」
「勝てば正義。死ななきゃ安い」
これは地球の物を駆使して、領内を発展させる物語である。
錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。
いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成!
この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。
戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。
これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。
彼の行く先は天国か?それとも...?
誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中!
現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる