39 / 82
37話 メイジーの戦い方
しおりを挟む
執務室をあとにしたアディス達は、宿屋に戻り食事にする。
「遅かったじゃあないか。メイジーちゃんにしっかり食べさせてやらないと。」
「ああ、今から頼めるか?」
「まだ、大丈夫だよ。ちょっと待ってな。そこのテーブルで休んでおくれ。」
テーブルに着き食事を待つ間、今後の予定を話す。
「メイジーって、凄かったんだね。」
エヴァドネは興奮していた。
「そうだな。」
ライアスはそれに頷く。
「食事の後、部屋でどういう戦い方をするのか教えてくれ。」
アディスが言った事にメイジーは頷く。
頷いた姿をアディスが確認して話題を変える。
「明日は森の討伐依頼をメンバーで受ける。今日依頼を出していたそうだが、まだ魔物が出るそうだ。あとメイジーのFランクの依頼も含めて受けようと思うがどうだ?」
皆んなで頷く。
「わかった。明日朝からギルドに向かう。」
そうしていると女将のコリーナが食事を持ってやってきた。
「お待たせ!たんとお食べ。メイジーちゃんはいっぱい食べな!」
バシッと背中を叩かれ戻っていった。
私ってそんなに叩きやすいんだろうか?
食事を終え、リーダーの部屋では座る所もないので、皆んなでライアスとエヴァドネの部屋に移動する。
ベッドにはライアスとエヴァドネが座り、椅子二脚はアディスとメイジーが座る。
「えーっと、戦い方ですよね?」
アディス達は頷く。
「大抵あの森での戦い方が多いよ。この刀と魔法ですね。少し待って下さいね。」
『 結界 』
部屋全体に音漏れ、外側からの侵入を防ぐ結界を張る。
「こういう事も出来るよ。」
「副ギルマスと同じか。」
ライアスが代表して言葉にする。
「それより上だな。」
アディスが真剣な顔付きで話に加わる。
メイジーはそれに相槌を打つ。
「そうですね。あとはほとんどの魔法が使えるよ。初級の魔法から上級の魔法まで、単発から広範囲の魔法も…。魔法以外は、鉄扇とトンファーあとは鎌ですね。」
トンファーをポーチから取り出して、小さな動きでゆっくりと使い方を見せた。
「ギルマスが言っていた棒の短いやつってトンファーだったんだね。カマって畑とかで使うカマ?」
エヴァドネが雑草を刈る小さな動きを見せたので、メイジーは左右に首を振る。
「大きい鎌です。この部屋では、つっかえて危ないので明日とかにでも見せますね。」
アディス達は頷く。
「街中などの護衛に鉄扇とトンファーをおもに使用して、外では刀、鎌、魔法を使用する感じかな?攻撃戦闘系はこんな感じです。」
「…他にもある言い方だな。」
「戦い方は他にもあるけれど、そこまで使わないかなって、その時になってから伝えていいですか?」
「ああ、それでいい。」
アディスが答え。二人は頷いていた。
「…。」
メイジーは伝えるべきか、まだ伝えなくてもいいか迷う。
それに気付いたのはアディスだった。
「どうした?」
アディスに問われたが言い出しにくく口を開いたり、閉じたりと繰り返す。
「メイジー?俺達は何を言われても受け止めてやる。」
昨日出会ったばかりで、なんでそんなに自信を持って言えるのか。
アディス、ライアス、エヴァドネと順に顔を見る。
三人とも、真剣な決意に満ちた目をしていた。
「分かりました。……私、薬師のスキルを持っていて、ポーション類を作る事が出来ます。だけど、あの森で材料になる薬草は確認しているんだけど、それを使用して作ってみたいなと。だけど、作った事で何か問題になってしまうかもと危惧していて…。」
だんだんと声が小さくなっていき最後まで言えず顔を下げてしまうメイジーに、少しの間が恐ろしく体が緊張に身を縮こませてしまう。
「はぁぁぁ。なーんだ~。こうオドロオドロしているんだと思ったー。」
エヴァドネが一気に息を吐き出す。緊張がほぐれたのか、ヘナヘナとベッドに横たわった。
「メイジーは規格外なのだから、そのぐらいは出来るのだろう。」
ライアスも恐ろしい何かを言われるんじゃないかと少し不安になっていたが安心して目を瞑る。
「メイジー?そのポーションを作って不味い要素があるのか?今そのポーションを持っていたりは…。」
アディスも緊張を解き、メイジーがポーション類に関して不安になる何かがあって言葉を濁していたのだろう、と予測する。
「あるよ。…このポーションなんだけど。」
メイジーはポーチから体力回復ポーションを取り出す。
「ふむ。やはり規格外、か。効能が高いな。」
「え?わかるの?」
「鑑定スキルは持っている。」
「……私の、ステータス。」
アディスとライアスは左右に首を振る。
アディスが代表して伝える。
「見れなかった。俺達よりもレベルが高いのだろう。だからと言って、メイジーを一人にはしない。」
何度も、受け入れると言ってくれている人達を、私も受け入れてくれた人達に報いたい守りたいと…そう思う。
ウジウジとしていても仕方がないよね。
これが私なんだもん。
「ありがとう」
暖かい気持ちに感謝する。
少し間を置いて本題に入る。
「だけど、このポーションと同じポーションが作れるか分からなくて、ここの地域の薬草をまだ使った事が無いから一度試してみたいなと」
「そうか…。明日、メイジーの依頼を薬草採取にしよう。それだったら、自分の薬草分も採取出来るだろ、作ったら最初に見せてくれ。」
メイジーの事を考えてくれたのか、アディスは明日の予定を決めて、一度ポーションを作って見せてくれと言ってくれた。
「遅かったじゃあないか。メイジーちゃんにしっかり食べさせてやらないと。」
「ああ、今から頼めるか?」
「まだ、大丈夫だよ。ちょっと待ってな。そこのテーブルで休んでおくれ。」
テーブルに着き食事を待つ間、今後の予定を話す。
「メイジーって、凄かったんだね。」
エヴァドネは興奮していた。
「そうだな。」
ライアスはそれに頷く。
「食事の後、部屋でどういう戦い方をするのか教えてくれ。」
アディスが言った事にメイジーは頷く。
頷いた姿をアディスが確認して話題を変える。
「明日は森の討伐依頼をメンバーで受ける。今日依頼を出していたそうだが、まだ魔物が出るそうだ。あとメイジーのFランクの依頼も含めて受けようと思うがどうだ?」
皆んなで頷く。
「わかった。明日朝からギルドに向かう。」
そうしていると女将のコリーナが食事を持ってやってきた。
「お待たせ!たんとお食べ。メイジーちゃんはいっぱい食べな!」
バシッと背中を叩かれ戻っていった。
私ってそんなに叩きやすいんだろうか?
食事を終え、リーダーの部屋では座る所もないので、皆んなでライアスとエヴァドネの部屋に移動する。
ベッドにはライアスとエヴァドネが座り、椅子二脚はアディスとメイジーが座る。
「えーっと、戦い方ですよね?」
アディス達は頷く。
「大抵あの森での戦い方が多いよ。この刀と魔法ですね。少し待って下さいね。」
『 結界 』
部屋全体に音漏れ、外側からの侵入を防ぐ結界を張る。
「こういう事も出来るよ。」
「副ギルマスと同じか。」
ライアスが代表して言葉にする。
「それより上だな。」
アディスが真剣な顔付きで話に加わる。
メイジーはそれに相槌を打つ。
「そうですね。あとはほとんどの魔法が使えるよ。初級の魔法から上級の魔法まで、単発から広範囲の魔法も…。魔法以外は、鉄扇とトンファーあとは鎌ですね。」
トンファーをポーチから取り出して、小さな動きでゆっくりと使い方を見せた。
「ギルマスが言っていた棒の短いやつってトンファーだったんだね。カマって畑とかで使うカマ?」
エヴァドネが雑草を刈る小さな動きを見せたので、メイジーは左右に首を振る。
「大きい鎌です。この部屋では、つっかえて危ないので明日とかにでも見せますね。」
アディス達は頷く。
「街中などの護衛に鉄扇とトンファーをおもに使用して、外では刀、鎌、魔法を使用する感じかな?攻撃戦闘系はこんな感じです。」
「…他にもある言い方だな。」
「戦い方は他にもあるけれど、そこまで使わないかなって、その時になってから伝えていいですか?」
「ああ、それでいい。」
アディスが答え。二人は頷いていた。
「…。」
メイジーは伝えるべきか、まだ伝えなくてもいいか迷う。
それに気付いたのはアディスだった。
「どうした?」
アディスに問われたが言い出しにくく口を開いたり、閉じたりと繰り返す。
「メイジー?俺達は何を言われても受け止めてやる。」
昨日出会ったばかりで、なんでそんなに自信を持って言えるのか。
アディス、ライアス、エヴァドネと順に顔を見る。
三人とも、真剣な決意に満ちた目をしていた。
「分かりました。……私、薬師のスキルを持っていて、ポーション類を作る事が出来ます。だけど、あの森で材料になる薬草は確認しているんだけど、それを使用して作ってみたいなと。だけど、作った事で何か問題になってしまうかもと危惧していて…。」
だんだんと声が小さくなっていき最後まで言えず顔を下げてしまうメイジーに、少しの間が恐ろしく体が緊張に身を縮こませてしまう。
「はぁぁぁ。なーんだ~。こうオドロオドロしているんだと思ったー。」
エヴァドネが一気に息を吐き出す。緊張がほぐれたのか、ヘナヘナとベッドに横たわった。
「メイジーは規格外なのだから、そのぐらいは出来るのだろう。」
ライアスも恐ろしい何かを言われるんじゃないかと少し不安になっていたが安心して目を瞑る。
「メイジー?そのポーションを作って不味い要素があるのか?今そのポーションを持っていたりは…。」
アディスも緊張を解き、メイジーがポーション類に関して不安になる何かがあって言葉を濁していたのだろう、と予測する。
「あるよ。…このポーションなんだけど。」
メイジーはポーチから体力回復ポーションを取り出す。
「ふむ。やはり規格外、か。効能が高いな。」
「え?わかるの?」
「鑑定スキルは持っている。」
「……私の、ステータス。」
アディスとライアスは左右に首を振る。
アディスが代表して伝える。
「見れなかった。俺達よりもレベルが高いのだろう。だからと言って、メイジーを一人にはしない。」
何度も、受け入れると言ってくれている人達を、私も受け入れてくれた人達に報いたい守りたいと…そう思う。
ウジウジとしていても仕方がないよね。
これが私なんだもん。
「ありがとう」
暖かい気持ちに感謝する。
少し間を置いて本題に入る。
「だけど、このポーションと同じポーションが作れるか分からなくて、ここの地域の薬草をまだ使った事が無いから一度試してみたいなと」
「そうか…。明日、メイジーの依頼を薬草採取にしよう。それだったら、自分の薬草分も採取出来るだろ、作ったら最初に見せてくれ。」
メイジーの事を考えてくれたのか、アディスは明日の予定を決めて、一度ポーションを作って見せてくれと言ってくれた。
0
お気に入りに追加
162
あなたにおすすめの小説
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
もういらないと言われたので隣国で聖女やります。
ゆーぞー
ファンタジー
孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。
しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。
しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる