黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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30話 買い物

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少し歩いてたどり着いた先に服屋さんがあり中に入ると少しくすんだ色のものが多く、左右に男性もの女性ものと別れて置いてある。

「いらっしゃいませ!」

奥から女性店員が現れた。

「本日はどういった物をお探しですか?」

「えーと、下着と寝巻きと運動着が欲しいです。」

店員さんは首を傾げて問い返す。

「運動着ですか?」


「えーと、一応私冒険者なので、朝少し体をほぐして体力作りをしておきたくて、動きやすいズボンとシャツがあればと。」

店員さんは一つ頷く。

「わかりました。ではこちらに。」

お店の奥に向かうと、下着コーナーが現れる。

「お客様の体格ですと、こちらになりますね。運動着については、少しお待ち下さい。お持ち致します。」

店員さんは下がっていく。

下着ってこんな感じなんだ。
あ、これ動きやすいそうだし見た目可愛い、これにしよう。
これを三セットと…
おお!この寝巻きも形が好き。あっこれも!
一つはチュニックとズボン。もう一つはワンピース。
品定めをしている所に店員さんが戻ってきた。

「動きやすい服をお持ち致しました。どうでしょうか?」

ふむ。いいかな。デザインもいいし。

店員さんの顔を見た時、斜め上にあるものが目に入る。

「あの、あそこにある、黒のショールって売り物ですか?」

壁に飾られた、黒のショール。
刺繍の花びらが桜の花びらに似ていて綺麗だった。

「ええ。当店の新商品です。」

「おいくらですか?」

「五万ギルになります。」

高い…。でも買えなくもない。
うーん。うーん。うーーん。
うん。見なかった事にしよう、そうしよう。

「そうですか、諦めます。じゃあ、下着この三セットと、寝巻きはこの二つ、運動着はその三セットで。エヴァドネ?いいかな?」

「いいよ。あの黒のショールは買わないの?」

「今回はいいかな?色々必需品を買わないといけないから。」

「そっか、わかった。それじゃあお会計お願い。」

お会計の間でも、あの黒のショールを眺めていた。

「そんなに気になる?」

「え?ああ、あの花びらが私の故郷の花の花びらに似ていて。好きな花びら模様だったから…。」

「ふーん。そうなんだ。」

店員さんが商品を持ってやってきた。

「お待たせ致しました。この度はありがとうございます。またのお越しをお待ちしております。」

店員さんは45度のお辞儀で頭を下げていた。

服屋を後にし、日用品のお店に寄って貰った。

お店に置いてある商品を見て品質や次に購入する物を品定めをしながら、今日必要な物タオル、エチケットもの、洗顔などを購入し店を出た。

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