黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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29話 念話

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部屋で気分を落ち着かせた後、アディスの部屋に向かう。

「アディスー。今いいかなー?」

ノック後、アディスに問い掛ける。
アディスがドアを開け中に促してくれたので、私は中に入る。
ドアは少し開けたまま、アディスも部屋の中にはいり椅子を薦めてくれたので座る、アディスはベッドに座った。

「なぜ、ドアを開けっ放しに?」

「付き合ってもいない男女が一緒の部屋にいる間は誤解がない様、開けておくんだ。」

「ふーん?」

まあ、いいか。

「このあとの予定は?」

「そうだな。夕方にギルドに行くだけだな。買い物だったか?」

「そう、買いたい物もあるんだけど、見たいところもあって…。そのエヴァドネさんと…。」

「……。」

アディスの返答が貰えず、行っては駄目なのかを言葉にする前に、エヴァドネがドアをノックして入ってきた。

「ドア開いているけど…アディス何?あれ?メイジーどうしたの?」

「え?あ、買い物に行きたいなあって。」

「あ、そうだったね。」

「これで…行ってきてくれ。」

アディスがアイテムバッグから重そうな袋を取り出しジャラっと音がする。

「え?それお金ですか?いや、大丈夫です、私持ってますし!」

「初期費用だと思えばいい。」

「そうそう。メンバーになったんだから、遠慮しちゃあ駄目だよ。」

メイジーは遠慮しがちに答える。

「お言葉に甘え、させてもらいます。」

「メイジー、少し待っててね。」

「あ、はい。」

エヴァドネは部屋から出て、自分の部屋に向かった。
不意にアディスから声を掛けられる。

「メイジー、もう少し砕けていい。」

「え?」

「まだ、硬い。もう少し言葉遣いを崩していい。」

「長年の癖が抜けなくて…徐々に慣れて行く、ね?」

アディスはそれを聞いて頷いてくれた。

「メイジー行くよー。」

エヴァドネに呼ばれ、アディスに外に行く事を伝える。

「行ってきます。」

「ああ。」

アディスの笑顔で、私も笑顔で答える。



今はエヴァドネと一緒に買い物に出ている。

「どこに行きたい?朝言ってた、紙とペンだったかな?」

「それも、なんだけど。下着系のものとか服とか必需品とか、あとは薬屋と食料品と諸々見てみたいなと。」

メイジーのアイテムボックス内には色々と入っているが、この世界の物とどの位の品質差があるか確認をしておかないと驚かれると思ったからである。

「じゃあ、此処からだと服かな?そこにも、下着があるから。」

「うん。わかった。…ねえ、エヴァドネ?さっき、アディスの部屋に来たのって、念話か通信魔道具かで呼ばれたの?」

「うん?私達念話が使えるんだよ。ちょくちょく使ってるよ。」

「そうだったんだ。呼ばれてないのに急に部屋に来たから、少しびっくりしちゃった。」

「メイジーは念話使えるの?」

「私もスキルを持っているので使えるよ。」

「そっか、よかった。特に護衛依頼とかでよく使うんだよ、迅速な報告が出来るから重宝してる。」


会話を交わしながらお店に向かうのだった。





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変更(11話 追加)
スキルを一つ追加しました。
「薬師」です。

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