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22話 街に到着 ギルドへ
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街の門に近付くにつれて何台もの馬車が並んでいて冒険者らしい人達もチラホラ見受けられ並んで順番待ちをしている、それに私達も並ぶ。
徐々に前に進み、いよいよ私達の番となる。
運がいい事に、警備兵の隊長が担当でアディス達と知り合いらしかった。
「身分証を出してくれ。…確認した。で、その子は?」
「山奥に住んでいて街に降りて来たらしい、身分証がない場所から来たそうだ。」
アディスが隊長に嘘ではあるが理由を話し、その後、メイジーの耳元で"目を瞑って、フードを軽く持ち上げて隊長に見せてやってくれ"と言われ、アディスを見るが頷くだけ。仕方なく指示に従う。
「………。犯罪履歴を確かめるだけだ、この水晶に触れてくれ。確認した、この後冒険者ギルドか?」
黒持ちだと確認したが。アディスを見て慣れているのか、顔に出さず平常心で対応する。
「ああ、依頼報告もあるからな。」
「わかった。」
隊長はメイジーに向き直り
「カードを作ったら、それが身分証になる。次回からそれを出してくれ。では、ネストルへようこそ。」
隊長に会釈して、皆んなと街へ入る。
門を潜り、周りを見渡すとファンタジーによく見られる西洋風の建物、少し歩くと屋台も並び始め掛け声が行き交っていた。
もう少し奥に入って行くと右手により一層大きな建物が目に入る。
「ここが冒険者ギルド。」
足を止め、冒険者ギルドを見上げる。
「ささ、入るよ。」
頷いて、エヴァドネに促される。
両開きの扉を開け、緊張した面持ちでギルド内に入る。
騒がしかった室内が静かになり、そこかしこで囁かれ居心地が悪い。
カウンターの前には、依頼報告などで戻ってきた冒険者達が並び順番待ちをしていた、その後ろに並ぶ。
その間も、指をさされ、小声でヒソヒソと呟かれながらも待つ。
やっと、自分達の番になり受付嬢の前に出る。
荒くれ者の対応を何度もして度胸がついているのか、笑顔を崩さず対応をする。
「森の調査と討伐の報告と、こいつの登録を…」
「おいおい、黒持ちさんよ!そこのお嬢ちゃんを登録させて何させようってんだよ!」
おお。これが王道!テンプレってヤツか~!
「お前には関係ない。」
「んあ゛!!んだと!?」
アディスに手を伸ばした瞬間、私はトンファーで男の強固な腕の関節にトンファーを叩き込み、苦渋な顔に歪ませ、即座に膝の裏の関節にも叩き込み地面に膝をつき苦悶な表情をする、首にトンファーを寸止めさせた。男は息を呑む。
テンプレでも、優しいおじさんだった!
「おじさん、痛い思いをさせてごめんなさい。私を心配してくれてたんだよね?この通りちょっとした戦闘も出来るから大丈夫だよ。ありがとね。」
トンファーを腰に直して、お礼を言い首に抱きつく。
「おえ?!おい!」
グレーアッシュの短髪に薄いブラウンの瞳の厳つい筋肉質で体格のいいおじさんが私に抱き締められ戸惑いに手がたじろぐ。
アディス達もメイジーの抱きついた行動に少し驚きはしたが穏やかに見守っていた。
「ウォルター!子供を見たら誰でも彼でも突っかかってどうするのよ!って何その面食らった顔してるのよ。」
そこで、おじさんの後ろから現れたのが、長い緩やかなウエーブがかった焦茶色の髪に小麦色の瞳のスタイル抜群のお姉さん。
「ローレン!こ、これ、どうすりゃいい!」
体格のいいおじさんは動揺し頭を抱え、知り合いらしいローレンと言う冒険者の女性に助けを求める。
「泣かれて叫ばれないようジッとしておきなさい。」
ローレンに言われ、ビシッと固まる。
その遣り取りに、笑いが込み上げる。
「ンフフフフ。おじさん、子供好きなの?」
抱き付いていた私は、一歩引いておじさんに話掛け、首を傾げる。
おじさんは、その仕草にしどろもどろになる。
「お、お、オレはおじさんではない!これでも26才だ!」
うえ!?26才?!お兄さんじゃん!
「そんな大きな声で叫んだら、女の子に泣かれるわよ?」
また、ローレンに突っ込まれ、お兄さんは硬直しギギギと錆びついた機械の様な動きで私を見たが、私はというと年を間違えたことに申し訳なくて謝罪する。
「…てっきり、30代半ば…だと。ゴメンね?お兄さん。」
お兄さんは体格に似合わず、涙を流していた。
「え!?どう、え?ゴメンね?」
30代半ばの見た目でおじさん呼びしちゃったから!?
そりゃあ、10才くらい上に見られると泣けるよねー。
不意にローレンと言う女性が笑い出した。
「大丈夫よ、お嬢さん。あの人、毎回子供に泣かれていてね。いつもと違う反応に戸惑っているのよ。」
そ、そうなんだ。泣くような怖い顔してないんだけどな~。
メイジーは首を傾げるのだった。
徐々に前に進み、いよいよ私達の番となる。
運がいい事に、警備兵の隊長が担当でアディス達と知り合いらしかった。
「身分証を出してくれ。…確認した。で、その子は?」
「山奥に住んでいて街に降りて来たらしい、身分証がない場所から来たそうだ。」
アディスが隊長に嘘ではあるが理由を話し、その後、メイジーの耳元で"目を瞑って、フードを軽く持ち上げて隊長に見せてやってくれ"と言われ、アディスを見るが頷くだけ。仕方なく指示に従う。
「………。犯罪履歴を確かめるだけだ、この水晶に触れてくれ。確認した、この後冒険者ギルドか?」
黒持ちだと確認したが。アディスを見て慣れているのか、顔に出さず平常心で対応する。
「ああ、依頼報告もあるからな。」
「わかった。」
隊長はメイジーに向き直り
「カードを作ったら、それが身分証になる。次回からそれを出してくれ。では、ネストルへようこそ。」
隊長に会釈して、皆んなと街へ入る。
門を潜り、周りを見渡すとファンタジーによく見られる西洋風の建物、少し歩くと屋台も並び始め掛け声が行き交っていた。
もう少し奥に入って行くと右手により一層大きな建物が目に入る。
「ここが冒険者ギルド。」
足を止め、冒険者ギルドを見上げる。
「ささ、入るよ。」
頷いて、エヴァドネに促される。
両開きの扉を開け、緊張した面持ちでギルド内に入る。
騒がしかった室内が静かになり、そこかしこで囁かれ居心地が悪い。
カウンターの前には、依頼報告などで戻ってきた冒険者達が並び順番待ちをしていた、その後ろに並ぶ。
その間も、指をさされ、小声でヒソヒソと呟かれながらも待つ。
やっと、自分達の番になり受付嬢の前に出る。
荒くれ者の対応を何度もして度胸がついているのか、笑顔を崩さず対応をする。
「森の調査と討伐の報告と、こいつの登録を…」
「おいおい、黒持ちさんよ!そこのお嬢ちゃんを登録させて何させようってんだよ!」
おお。これが王道!テンプレってヤツか~!
「お前には関係ない。」
「んあ゛!!んだと!?」
アディスに手を伸ばした瞬間、私はトンファーで男の強固な腕の関節にトンファーを叩き込み、苦渋な顔に歪ませ、即座に膝の裏の関節にも叩き込み地面に膝をつき苦悶な表情をする、首にトンファーを寸止めさせた。男は息を呑む。
テンプレでも、優しいおじさんだった!
「おじさん、痛い思いをさせてごめんなさい。私を心配してくれてたんだよね?この通りちょっとした戦闘も出来るから大丈夫だよ。ありがとね。」
トンファーを腰に直して、お礼を言い首に抱きつく。
「おえ?!おい!」
グレーアッシュの短髪に薄いブラウンの瞳の厳つい筋肉質で体格のいいおじさんが私に抱き締められ戸惑いに手がたじろぐ。
アディス達もメイジーの抱きついた行動に少し驚きはしたが穏やかに見守っていた。
「ウォルター!子供を見たら誰でも彼でも突っかかってどうするのよ!って何その面食らった顔してるのよ。」
そこで、おじさんの後ろから現れたのが、長い緩やかなウエーブがかった焦茶色の髪に小麦色の瞳のスタイル抜群のお姉さん。
「ローレン!こ、これ、どうすりゃいい!」
体格のいいおじさんは動揺し頭を抱え、知り合いらしいローレンと言う冒険者の女性に助けを求める。
「泣かれて叫ばれないようジッとしておきなさい。」
ローレンに言われ、ビシッと固まる。
その遣り取りに、笑いが込み上げる。
「ンフフフフ。おじさん、子供好きなの?」
抱き付いていた私は、一歩引いておじさんに話掛け、首を傾げる。
おじさんは、その仕草にしどろもどろになる。
「お、お、オレはおじさんではない!これでも26才だ!」
うえ!?26才?!お兄さんじゃん!
「そんな大きな声で叫んだら、女の子に泣かれるわよ?」
また、ローレンに突っ込まれ、お兄さんは硬直しギギギと錆びついた機械の様な動きで私を見たが、私はというと年を間違えたことに申し訳なくて謝罪する。
「…てっきり、30代半ば…だと。ゴメンね?お兄さん。」
お兄さんは体格に似合わず、涙を流していた。
「え!?どう、え?ゴメンね?」
30代半ばの見た目でおじさん呼びしちゃったから!?
そりゃあ、10才くらい上に見られると泣けるよねー。
不意にローレンと言う女性が笑い出した。
「大丈夫よ、お嬢さん。あの人、毎回子供に泣かれていてね。いつもと違う反応に戸惑っているのよ。」
そ、そうなんだ。泣くような怖い顔してないんだけどな~。
メイジーは首を傾げるのだった。
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