黒頭巾は異世界で…

雪城 いぶき

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19話 闇色の子

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「最初に会ったのが私達で良かったよ。黒を持つ者は、闇色の子とされ忌み嫌われていてね。この国では、比較的マシなんだけど…。
黒を持つ者は魔力量が多く暴走し易い、周りに大きな被害を出してしまう為、敬遠けいえんされているの。」

エヴァドネはアディスを見て話しを続ける。

「だから、メイジーちゃんが黒髪黒目の両方を持っていて、今まで虐げられてきたのだと思うと胸が張り裂けそうよ。…今後お姉さん達に任せなさい!」

「え?」

「え?…どうしたの?」

「お姉さん?……私と同じ年、では?」

「へ?私こう見えてゴニョゴニョゴニョよ。」

え゛!43才!?

「そーなんだ。てっきり、私と同じ16才くらいかと…。」

「「「え?」」」

「え?」

え?何?何故、三人揃って驚いているの?

「メイジーちゃん、16才なの?てっきり10才くらいかと。」

「そんなに身長低いですか?」

「そんなに気を落とさないで、これからよ!」

また、エヴァドネに背中をバシと叩かれる。
ちょっと痛い。

ドワーフは総じて身長が低く人族に比べて長生きだそうだ。


「えっと、エヴァドネさん。私の事はメイジーと敬称無しでお願いします。ちゃん付けは聴き慣れなくて変な感じで。」

「えー、可愛いのに。メイジーちゃん。…じゃあ、私達にも敬称使わない事!あと、もうちょっと、砕けた話し方でいいから。」

「私の方が年下なのでそれは…」

「畏まった話し方は私達には必要ないよ。あるとしたら、偉い人か貴族に会う時だけかな?」

「会う機会があるんですか?」

「ごく稀にねー。」

えー、嫌だ。この世界、西洋風だって言っていたし、やっぱり貴族って居るんだ。
あんまり会いたくてないな~。

「あと、そういう硬い話し方は、商人とか商売している人達かな?私達冒険者同士だと、その話し方だと舐められちゃうから」

「そうなんですね。」

「硬いよ~。」

「でも、私冒険者でもないですし…」

「え?」

エヴァドネは疑問に思い一言しか出なかったがライアスが後を継いで話し掛ける。


「さっき、ここには魔物を討伐して転移に巻き込まれたって言わなかったか?魔物を討伐出来ると言う事は、冒険者ギルドに所属していたのでは?」

ギルドに所属はしていたが、ステータスで管理されていた。
この世界に来て、ステータスを見たが何かに所属しているとは書いていなかった。

私は左右に首を振る。

「私が居た所には無かったので…」

ここで俯きながら言葉を詰まらせて…。
誤解して、勝手に想像してくれれば…。

復活したエヴァドネが訪ねる。

「何か身分を証明してくれるものは?」

俯きかげんで左右に首を振る。

「街で冒険者登録して証明書を貰いましょう。」

私は頷く。




アディスが進む事を促す。

「そろそろ街に向かおう。」

火の元を片付けその場を離れるのだった。




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