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第六章 展開
EP134 6.7 女子会
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聖獣フニオと聖獣ミルクが宴会会場の奥で戦闘を始めた。
といっても……、じゃれ合ってるんだろうなアレは。
フニオの接近戦、珍しいかも。
でも聖獣同士の戦いに興味津々なのは男性陣+ユーフォリアさん。
ユーフォリアさんの目がキラリと鋭い……。
そんでもって私とマロン、リサとミラディアさんは女子会の真っただ中。
話題は私のネックレスについて。
誰から貰ったとは話さなかったのに、ミラディアさんには分かってた。
いやわかるか。フニオからな訳はないし。
リサ曰く、サルヴァ共和国では男性が女性にネックレスを贈る事は「独占」を意味する。
“貴女をひとりじめしても良いですか?”
と、問いかけるメッセージが込められているらしい。
それに対し贈られたネックレスを女性が付けることにも意味があって
“貴方と共にありたい”
というメッセージを込めるのだそうで。
更に女性に贈るアクセサリーを男性が手作りすることは。
“貴女にとっていつも身近な存在でいたい”
というメッセージがあるんだそう。
国が違えばメッセージも変わるのか。ややこしい……。
「私も最初知らなくてさ、単純にキレイだから着けてたら贈り主にプロポーズされちゃって。なんで贈り物にそんな大事なメッセージを込めるんだろね? 直接言葉にして男らしく伝えりゃいいのに」
リサの正論。「男なら男らしく正面から来い!」とシャンパンを飲みながら男らしく語る。
なんかカッコいい。リサ、地球でもモテたんだろーな。
「ショルゼアの男性は照れ屋なのです」
ミラディアさんが微笑みながらそんなことを。
「でも心の中では強い情熱を秘めている方が多くて。そこからこうした風習が生まれたんです。贈り物を手作りされる方も少なくないんですよ」
茶色の長い髪につけた銀色の、小さな紫の石がはめられた小さな髪飾りが煌めく。
誰から貰ったのか、それが手作りのものなのか、私にもわかるよ。
長老様がガルシオンに対して誤解を招くような意味深な言葉を使うのは、もしかして。
「ヒトには面白い習慣があるの。マロンの一族は、赤い月の夜に花を贈り合っていたことがあったの。その花の花びらの数が、気持ちの強さを現わしていたなの」
ってことは赤い月の夜には私もマロンに花を用意すべき!?
どでかい花束になるわ。
「それもロマンチック~~!」
なんて言いながら、スチャッて手渡すポーズのリサ。
「地球にはね、『恋愛記号』ってのがあってさ! 数字を組み合わせるとそれがメッセージになるんだよね。ショルゼアでもいつか流行らせようって思ってるんだ」
恋愛記号!? そんなのあるの? 初めて聞いたわ。
後で聞いてみよう。こういう文化があるなら、ショルゼアでも大流行する予感。
「で、優花ちゃんはその贈り主のこと、どう思ってるの? ショルゼアの男性って恋愛に真面目な人が多いから、ちゃんと答え出してあげないと! 私みたいにあとで修羅場になるとヤバいよヤバイよ?」
うはーー。修羅場ってーーーー。
モテ過ぎるのも大変なのね。
「さすが稀代の歌姫なの……。経験豊富なの」
「私、あんまり外に出ないから、とても気になります!」
ミラディアさん、女の子してる。でも、
「私は……」
ポソッと漏れた一言。なのに皆こっち見てる、うわあ。
えっと……。
「恋愛ってなんか怖くて。大事なモノを見失いそうで、それしか見えなくなりそうで。どうしていいかわからないし、今は他にも考えることいっぱいでそれどころじゃない……」
執務室で起こったことを思い出す。
もしあのまま長老様が来ていなかったら、私はどうしたんだろうか。
ううん、どうしたかったのだろうか。
――――怖い。
「優花様、そんなに怖がらなくても大丈夫です! 優花様がその方を想うことは『罪』ではありませんし、逆に優花様のお『力』になることだってあると思いますっ」
ミラディアさんには想いを寄せる方が居るんだね。相思相愛ってやつ。
「優花ちゃんは初恋中か。イイね! 私の場合はうやむやに終わったから、ちょっと羨ましい」
ちらっとリサがユーフォリアさんを見る。
ユーフォリアさんは、ガルシオンと剣について論戦を繰り広げている。
最強の剣について、ああでもないこうでもないと、語り合ってる。
地球ではありふれた光景。
美男美女が熱心に語り合うその光景はまるで映画の様だ。
ちょっと、チクっとするなにかを感じる。
待ち針で指をさしたかのような、微妙な痛み。トゲでも刺した?
「というかリサ、私、初恋……してる……の?」
ポカンとするみんな。
んん……? あれ、そんな変なこと言ったかな?
「んんん? まさかの自覚ゼロ!?」
「これは、難易度高そうですっ」
「優花の鈍さは最強なの」
後から加わったユーフォリアさん含めた女子会メンバー全員一致で――――
栄えある「最強」は私に決まった。
といっても……、じゃれ合ってるんだろうなアレは。
フニオの接近戦、珍しいかも。
でも聖獣同士の戦いに興味津々なのは男性陣+ユーフォリアさん。
ユーフォリアさんの目がキラリと鋭い……。
そんでもって私とマロン、リサとミラディアさんは女子会の真っただ中。
話題は私のネックレスについて。
誰から貰ったとは話さなかったのに、ミラディアさんには分かってた。
いやわかるか。フニオからな訳はないし。
リサ曰く、サルヴァ共和国では男性が女性にネックレスを贈る事は「独占」を意味する。
“貴女をひとりじめしても良いですか?”
と、問いかけるメッセージが込められているらしい。
それに対し贈られたネックレスを女性が付けることにも意味があって
“貴方と共にありたい”
というメッセージを込めるのだそうで。
更に女性に贈るアクセサリーを男性が手作りすることは。
“貴女にとっていつも身近な存在でいたい”
というメッセージがあるんだそう。
国が違えばメッセージも変わるのか。ややこしい……。
「私も最初知らなくてさ、単純にキレイだから着けてたら贈り主にプロポーズされちゃって。なんで贈り物にそんな大事なメッセージを込めるんだろね? 直接言葉にして男らしく伝えりゃいいのに」
リサの正論。「男なら男らしく正面から来い!」とシャンパンを飲みながら男らしく語る。
なんかカッコいい。リサ、地球でもモテたんだろーな。
「ショルゼアの男性は照れ屋なのです」
ミラディアさんが微笑みながらそんなことを。
「でも心の中では強い情熱を秘めている方が多くて。そこからこうした風習が生まれたんです。贈り物を手作りされる方も少なくないんですよ」
茶色の長い髪につけた銀色の、小さな紫の石がはめられた小さな髪飾りが煌めく。
誰から貰ったのか、それが手作りのものなのか、私にもわかるよ。
長老様がガルシオンに対して誤解を招くような意味深な言葉を使うのは、もしかして。
「ヒトには面白い習慣があるの。マロンの一族は、赤い月の夜に花を贈り合っていたことがあったの。その花の花びらの数が、気持ちの強さを現わしていたなの」
ってことは赤い月の夜には私もマロンに花を用意すべき!?
どでかい花束になるわ。
「それもロマンチック~~!」
なんて言いながら、スチャッて手渡すポーズのリサ。
「地球にはね、『恋愛記号』ってのがあってさ! 数字を組み合わせるとそれがメッセージになるんだよね。ショルゼアでもいつか流行らせようって思ってるんだ」
恋愛記号!? そんなのあるの? 初めて聞いたわ。
後で聞いてみよう。こういう文化があるなら、ショルゼアでも大流行する予感。
「で、優花ちゃんはその贈り主のこと、どう思ってるの? ショルゼアの男性って恋愛に真面目な人が多いから、ちゃんと答え出してあげないと! 私みたいにあとで修羅場になるとヤバいよヤバイよ?」
うはーー。修羅場ってーーーー。
モテ過ぎるのも大変なのね。
「さすが稀代の歌姫なの……。経験豊富なの」
「私、あんまり外に出ないから、とても気になります!」
ミラディアさん、女の子してる。でも、
「私は……」
ポソッと漏れた一言。なのに皆こっち見てる、うわあ。
えっと……。
「恋愛ってなんか怖くて。大事なモノを見失いそうで、それしか見えなくなりそうで。どうしていいかわからないし、今は他にも考えることいっぱいでそれどころじゃない……」
執務室で起こったことを思い出す。
もしあのまま長老様が来ていなかったら、私はどうしたんだろうか。
ううん、どうしたかったのだろうか。
――――怖い。
「優花様、そんなに怖がらなくても大丈夫です! 優花様がその方を想うことは『罪』ではありませんし、逆に優花様のお『力』になることだってあると思いますっ」
ミラディアさんには想いを寄せる方が居るんだね。相思相愛ってやつ。
「優花ちゃんは初恋中か。イイね! 私の場合はうやむやに終わったから、ちょっと羨ましい」
ちらっとリサがユーフォリアさんを見る。
ユーフォリアさんは、ガルシオンと剣について論戦を繰り広げている。
最強の剣について、ああでもないこうでもないと、語り合ってる。
地球ではありふれた光景。
美男美女が熱心に語り合うその光景はまるで映画の様だ。
ちょっと、チクっとするなにかを感じる。
待ち針で指をさしたかのような、微妙な痛み。トゲでも刺した?
「というかリサ、私、初恋……してる……の?」
ポカンとするみんな。
んん……? あれ、そんな変なこと言ったかな?
「んんん? まさかの自覚ゼロ!?」
「これは、難易度高そうですっ」
「優花の鈍さは最強なの」
後から加わったユーフォリアさん含めた女子会メンバー全員一致で――――
栄えある「最強」は私に決まった。
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