79 / 81
終章 一つになる心
79. 情意投合
しおりを挟む
峰風は、離宮の控え室で待機していた。
延期になっていた見合いが、ついに行われる。
今日も峰風は正装をしている。凛月にお似合いですと言われた、あの衣裳だ。
巫女の準備が整ったと、中年の侍女が呼びにきた。
一度深呼吸をし、峰風は席を立った。
◇
「峰風様! またご心配をおかけして、申し訳ございませんでした」
峰風を見るなり、凛月は深々と頭を下げ謝罪した。
前回と同様に、今日の見合い相手が峰風だとまだ気付いていない。後ろに控える瑾萱が、意味深な笑みを浮かべている。
こちらに何かを伝えているようだが、峰風にはさっぱりわからない。
ひとまず、この状況のまま話をすることにした。
「体の具合は、どうだ?」
「医官様が投与してくださった薬のおかげで、すぐに良くなりました。私は早々に仕事へ復帰するつもりだったのですが、皆に止められまして……」
「当たり前だ。君は、巫女様なのだからな」
以前と変わらない様子の凛月に、峰風は心の底から安堵する。
無事とは聞いていたが、面と向かって確認をするまでは安心できなかった。
「桶の水があまり綺麗ではなかったようで、少し飲んだだけなのに体がおかしくなってしまいました」
「……そうだったのか」
「私が急に声をかけたので、下女が驚いて水をかけてしまったと聞きました。桑園のときのように処罰されないよう、宰相様へお願いしておきました」
「巫女様からの申し出だから、おそらく下女は罪には問われないと思う。とにかく、君が無事で何よりだった」
どうやら、騒動の一切が凛月には秘匿されているようだ。
峰風はすべての事情を知っているが、話を合わせた。
「そういえば、医官様の薬はあの子たちから作られたものだったのです!」
「あの子たち?」
急な話題の転換と興奮気味の凛月に、峰風は首をかしげる。
「市場で、峰風様が回収された植物たちですよ! 処分されずに、今も元気に育っていました!!」
医官から話を聞いた凛月が面会(?)を希望し、彼らと感動の再会を果たしたとのこと。
凛月と初めて出会ったときに、市場で回収した異国の毒草。
梓宸には強力な解毒薬になると伝え、その後の判断は任せた。
それが、凛月の希望通り医官に託され今回に繋がったのだ。
(いま思えば、あの出会いは必然だったのだろうな……)
凛月が国外追放をされたから、
峰風が担当外の仕事を押し付けられたから、
二人は出会うことができた。
「峰風様が騙されてしまうと思って、横から声をかけたのでしたね」
「俺以外にも偽物と見破れる者がいたと、あのときは驚いたな」
「ふふふ、まさか任務中とは思いもしませんでしたが」
懐かしさで、つい昔話に花が咲く。
和やかな雰囲気でいつまでも話を続ける二人の間に割って入ったのは、侍女だった。
「……ゴホン。畏れ入りますが、そろそろ本題をお願いいたします」
すっかり存在を忘れていたが、この部屋には瑾萱と浩然もいた。
痺れを切らした瑾萱の、遠慮のない非難の視線が峰風へ注がれる。
母のような鋭い圧に、そっと目をそらした。
「本題とは、なんの話?」
「ハア…凛月様、今日は何をする日でございますか?」
「あっ、お見合い……」
どうやら、凛月はお見合い自体を忘れていたらしい。
きらきらと輝いていた表情に、一瞬で憂いが帯びる。
峰風の前では、どうしても巫女らしく取り繕うことはできないようだ。
「……峰風様、本日はありがとうございました」
「まだ、終わってはいないぞ。瑾萱の言う通り、今からが本題だ」
「?」
立ち上がり見送りの姿勢をとった凛月へ、しっかり目線を合わせる。
「では改めて、巫女様へご挨拶をさせていただきます。私は、胡峰風と申します。宮廷では、第一皇子殿下の下で樹医という職に就いております。歳は二十で、兄が二人おります。父は、宰相の胡劉帆でございます」
「えっと……」
突然遜った態度へと変わった峰風に、凛月が戸惑っている。
「この場合は、『よく存じ上げております──』と、巫女らしく返せば良いのでしょうか?」
今度は、礼儀作法の練習だと思ったようだ。
やはり、見合いの挨拶だと気付いていない。
「凛月様! お見合いのお相手へ、きちんとご挨拶を返してくださいませ!!」
瑾萱が、堪らずに叫ぶ。
この鈍い主には、遠回しの表現はまったく通じていなかった。
「えっ、峰風様がお見合いの相手? でも、別の方とお見合いを……」
「そのお見合いが巫女様の急病で延期となりましたので、本日改めて参上しました」
峰風は、真面目に答える。
「……でも、峰風様のお相手は胡家にふさわしい身分をお持ちの、性格は穏やかで優しくて大変見目麗しい方だと」
「『巫女という』高位の身分をお持ちで、『植物を慈しみ、美味しいものを食すことを大層好まれる』性格は穏やかで優しく、『黒髪・黒目と銀髪・紫目の』大変見目麗しい方です」
「でも、瑾萱もよく存じ上げていると……」
「『お仕えしている』瑾萱は、当然よく存じ上げているはずですが?」
「で、でも……峰風様が心に決められた相手は…その方だけだ…と」
凛月の声が震える。徐々に小さくなっていく。
「俺がこれからも傍にいたい、守りたい、幸せにしたいと思うのは凛月……君だけだ」
「…も……」
最後は、言葉になっていなかった。
「ハハハ……これは困ったな。今日は、菓子は持参していないぞ」
「峰風様、わたくしが用意いたしますので、凛月様をお願いいたします」
「わかった」
瑾萱の後に続いて、浩然も部屋を出ていく。
峰風は、立ったまま泣いている凛月へ手拭いを渡した。
「巫女様は、もっと威厳を保つべきじゃないのか?」
「……峰風様…の前で……は…ただの……凛…月で…す」
「また、俺が泣かせたのか?」
「……私を泣か…すのは…峰風様……だけで…すから」
「これからも、泣かすかもしれないぞ」
「……嬉し涙なので…問題ありま…せん」
手拭いで半分以上顔を隠した凛月が、峰風を見上げる。
「あの……」
「どうした?」
「……私で、本当に良いのでしょうか?」
潤んだ瞳が、不安げに揺れている。
一歩踏み出し、峰風は小さな体を抱きしめた。
髪の香り、伝わる体温、鼓動、息遣い。すべてが愛おしい。
「俺は、君が良いんだ。君こそ……俺でいいのか?」
「私の望みは、これからもずっと峰風様のお傍にいることです」
「そうか……」
「助手としても、これからも傍にいていいですか?」
「ああ、よろしく頼む」
「はい!」
紫水晶が、きらりと輝いた。
◇◇◇
「……ねえ、浩然。私たちは、いつ中に入ったらいいのかしら?」
「そんなこと、俺にわかるわけがないだろう」
お茶菓子を盆に載せたまま、扉の外で瑾萱たちは待機していた。
気を利かせて二人きりにしたのは良いが、今度は部屋に戻る時機がわからない。
「もう、普段通りに『失礼いたします』と入っていけばいいんじゃないか?」
「でも、もし良い雰囲気だったら申し訳ないわ」
「はあ? また、そんな下世話なことを……」
「ようやく想いが通じ合ったんだから、普通口付けくらいするでしょう!」
「おまえ基準で考えるな!!」
浩然の突っ込みは早かった。
「ちょっと、声が大きい(!!)」
「おまえに言われたくない(!)」
従者二人の仲の良いやり取りは、扉の向こう側に立っていた峰風にすべて筒抜けだった。
抱き合っていたら、凛月のお腹の虫が鳴った。
凛月は顔を真っ赤にし、峰風は「君らしいな」と笑う。
お茶菓子を用意しに行った瑾萱たちはまだかと、峰風が様子を見に行こうと扉に手を掛けたときに、『下世話な話』が始まった。
外に出るに出られず、峰風は立ちつくす。
いつまで経っても部屋に戻らない従者と、扉の前に立ったままのやや顔の赤い峰風。
事情を知らない凛月は、ひとり首をかしげていたのだった。
延期になっていた見合いが、ついに行われる。
今日も峰風は正装をしている。凛月にお似合いですと言われた、あの衣裳だ。
巫女の準備が整ったと、中年の侍女が呼びにきた。
一度深呼吸をし、峰風は席を立った。
◇
「峰風様! またご心配をおかけして、申し訳ございませんでした」
峰風を見るなり、凛月は深々と頭を下げ謝罪した。
前回と同様に、今日の見合い相手が峰風だとまだ気付いていない。後ろに控える瑾萱が、意味深な笑みを浮かべている。
こちらに何かを伝えているようだが、峰風にはさっぱりわからない。
ひとまず、この状況のまま話をすることにした。
「体の具合は、どうだ?」
「医官様が投与してくださった薬のおかげで、すぐに良くなりました。私は早々に仕事へ復帰するつもりだったのですが、皆に止められまして……」
「当たり前だ。君は、巫女様なのだからな」
以前と変わらない様子の凛月に、峰風は心の底から安堵する。
無事とは聞いていたが、面と向かって確認をするまでは安心できなかった。
「桶の水があまり綺麗ではなかったようで、少し飲んだだけなのに体がおかしくなってしまいました」
「……そうだったのか」
「私が急に声をかけたので、下女が驚いて水をかけてしまったと聞きました。桑園のときのように処罰されないよう、宰相様へお願いしておきました」
「巫女様からの申し出だから、おそらく下女は罪には問われないと思う。とにかく、君が無事で何よりだった」
どうやら、騒動の一切が凛月には秘匿されているようだ。
峰風はすべての事情を知っているが、話を合わせた。
「そういえば、医官様の薬はあの子たちから作られたものだったのです!」
「あの子たち?」
急な話題の転換と興奮気味の凛月に、峰風は首をかしげる。
「市場で、峰風様が回収された植物たちですよ! 処分されずに、今も元気に育っていました!!」
医官から話を聞いた凛月が面会(?)を希望し、彼らと感動の再会を果たしたとのこと。
凛月と初めて出会ったときに、市場で回収した異国の毒草。
梓宸には強力な解毒薬になると伝え、その後の判断は任せた。
それが、凛月の希望通り医官に託され今回に繋がったのだ。
(いま思えば、あの出会いは必然だったのだろうな……)
凛月が国外追放をされたから、
峰風が担当外の仕事を押し付けられたから、
二人は出会うことができた。
「峰風様が騙されてしまうと思って、横から声をかけたのでしたね」
「俺以外にも偽物と見破れる者がいたと、あのときは驚いたな」
「ふふふ、まさか任務中とは思いもしませんでしたが」
懐かしさで、つい昔話に花が咲く。
和やかな雰囲気でいつまでも話を続ける二人の間に割って入ったのは、侍女だった。
「……ゴホン。畏れ入りますが、そろそろ本題をお願いいたします」
すっかり存在を忘れていたが、この部屋には瑾萱と浩然もいた。
痺れを切らした瑾萱の、遠慮のない非難の視線が峰風へ注がれる。
母のような鋭い圧に、そっと目をそらした。
「本題とは、なんの話?」
「ハア…凛月様、今日は何をする日でございますか?」
「あっ、お見合い……」
どうやら、凛月はお見合い自体を忘れていたらしい。
きらきらと輝いていた表情に、一瞬で憂いが帯びる。
峰風の前では、どうしても巫女らしく取り繕うことはできないようだ。
「……峰風様、本日はありがとうございました」
「まだ、終わってはいないぞ。瑾萱の言う通り、今からが本題だ」
「?」
立ち上がり見送りの姿勢をとった凛月へ、しっかり目線を合わせる。
「では改めて、巫女様へご挨拶をさせていただきます。私は、胡峰風と申します。宮廷では、第一皇子殿下の下で樹医という職に就いております。歳は二十で、兄が二人おります。父は、宰相の胡劉帆でございます」
「えっと……」
突然遜った態度へと変わった峰風に、凛月が戸惑っている。
「この場合は、『よく存じ上げております──』と、巫女らしく返せば良いのでしょうか?」
今度は、礼儀作法の練習だと思ったようだ。
やはり、見合いの挨拶だと気付いていない。
「凛月様! お見合いのお相手へ、きちんとご挨拶を返してくださいませ!!」
瑾萱が、堪らずに叫ぶ。
この鈍い主には、遠回しの表現はまったく通じていなかった。
「えっ、峰風様がお見合いの相手? でも、別の方とお見合いを……」
「そのお見合いが巫女様の急病で延期となりましたので、本日改めて参上しました」
峰風は、真面目に答える。
「……でも、峰風様のお相手は胡家にふさわしい身分をお持ちの、性格は穏やかで優しくて大変見目麗しい方だと」
「『巫女という』高位の身分をお持ちで、『植物を慈しみ、美味しいものを食すことを大層好まれる』性格は穏やかで優しく、『黒髪・黒目と銀髪・紫目の』大変見目麗しい方です」
「でも、瑾萱もよく存じ上げていると……」
「『お仕えしている』瑾萱は、当然よく存じ上げているはずですが?」
「で、でも……峰風様が心に決められた相手は…その方だけだ…と」
凛月の声が震える。徐々に小さくなっていく。
「俺がこれからも傍にいたい、守りたい、幸せにしたいと思うのは凛月……君だけだ」
「…も……」
最後は、言葉になっていなかった。
「ハハハ……これは困ったな。今日は、菓子は持参していないぞ」
「峰風様、わたくしが用意いたしますので、凛月様をお願いいたします」
「わかった」
瑾萱の後に続いて、浩然も部屋を出ていく。
峰風は、立ったまま泣いている凛月へ手拭いを渡した。
「巫女様は、もっと威厳を保つべきじゃないのか?」
「……峰風様…の前で……は…ただの……凛…月で…す」
「また、俺が泣かせたのか?」
「……私を泣か…すのは…峰風様……だけで…すから」
「これからも、泣かすかもしれないぞ」
「……嬉し涙なので…問題ありま…せん」
手拭いで半分以上顔を隠した凛月が、峰風を見上げる。
「あの……」
「どうした?」
「……私で、本当に良いのでしょうか?」
潤んだ瞳が、不安げに揺れている。
一歩踏み出し、峰風は小さな体を抱きしめた。
髪の香り、伝わる体温、鼓動、息遣い。すべてが愛おしい。
「俺は、君が良いんだ。君こそ……俺でいいのか?」
「私の望みは、これからもずっと峰風様のお傍にいることです」
「そうか……」
「助手としても、これからも傍にいていいですか?」
「ああ、よろしく頼む」
「はい!」
紫水晶が、きらりと輝いた。
◇◇◇
「……ねえ、浩然。私たちは、いつ中に入ったらいいのかしら?」
「そんなこと、俺にわかるわけがないだろう」
お茶菓子を盆に載せたまま、扉の外で瑾萱たちは待機していた。
気を利かせて二人きりにしたのは良いが、今度は部屋に戻る時機がわからない。
「もう、普段通りに『失礼いたします』と入っていけばいいんじゃないか?」
「でも、もし良い雰囲気だったら申し訳ないわ」
「はあ? また、そんな下世話なことを……」
「ようやく想いが通じ合ったんだから、普通口付けくらいするでしょう!」
「おまえ基準で考えるな!!」
浩然の突っ込みは早かった。
「ちょっと、声が大きい(!!)」
「おまえに言われたくない(!)」
従者二人の仲の良いやり取りは、扉の向こう側に立っていた峰風にすべて筒抜けだった。
抱き合っていたら、凛月のお腹の虫が鳴った。
凛月は顔を真っ赤にし、峰風は「君らしいな」と笑う。
お茶菓子を用意しに行った瑾萱たちはまだかと、峰風が様子を見に行こうと扉に手を掛けたときに、『下世話な話』が始まった。
外に出るに出られず、峰風は立ちつくす。
いつまで経っても部屋に戻らない従者と、扉の前に立ったままのやや顔の赤い峰風。
事情を知らない凛月は、ひとり首をかしげていたのだった。
33
お気に入りに追加
564
あなたにおすすめの小説
炎華繚乱 ~偽妃は後宮に咲く~
悠井すみれ
キャラ文芸
昊耀国は、天より賜った《力》を持つ者たちが統べる国。後宮である天遊林では名家から選りすぐった姫たちが競い合い、皇子に選ばれるのを待っている。
強い《遠見》の力を持つ朱華は、とある家の姫の身代わりとして天遊林に入る。そしてめでたく第四皇子・炎俊の妃に選ばれるが、皇子は彼女が偽物だと見抜いていた。しかし炎俊は咎めることなく、自身の秘密を打ち明けてきた。「皇子」を名乗って帝位を狙う「彼」は、実は「女」なのだと。
お互いに秘密を握り合う仮初の「夫婦」は、次第に信頼を深めながら陰謀渦巻く後宮を生き抜いていく。
表紙は同人誌表紙メーカーで作成しました。
第6回キャラ文芸大賞応募作品です。
~後宮のやり直し巫女~私が本当の巫女ですが、謂れのない罪で処刑されたので後宮で人生をやり直すことにしました
深水えいな
キャラ文芸
明琳は国を統べる最高位の巫女、炎巫の候補となりながらも謂れのない罪で処刑されてしまう。死の淵で「お前が本物の炎巫だ。このままだと国が乱れる」と謎の美青年・天翼に言われ人生をやり直すことに。しかし巫女として四度人生をやり直すもののうまくいかず、次の人生では女官として後宮入りすることに。そこで待っていたのは後宮で巻き起こる怪事件と女性と見まごうばかりの美貌の宦官、誠羽で――今度の人生は、いつもと違う!?
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。
男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜
春日あざみ
キャラ文芸
<第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。応援ありがとうございました!>
宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。
しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——?
「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!
雇われ側妃は邪魔者のいなくなった後宮で高らかに笑う
ちゃっぷ
キャラ文芸
多少嫁ぎ遅れてはいるものの、宰相をしている父親のもとで平和に暮らしていた女性。
煌(ファン)国の皇帝は大変な女好きで、政治は宰相と皇弟に丸投げして後宮に入り浸り、お気に入りの側妃/上級妃たちに囲まれて過ごしていたが……彼女には関係ないこと。
そう思っていたのに父親から「皇帝に上級妃を排除したいと相談された。お前に後宮に入って邪魔者を排除してもらいたい」と頼まれる。
彼女は『上級妃を排除した後の後宮を自分にくれること』を条件に、雇われ側妃として後宮に入る。
そして、皇帝から自分を楽しませる女/遊姫(ヨウチェン)という名を与えられる。
しかし突然上級妃として後宮に入る遊姫のことを上級妃たちが良く思うはずもなく、彼女に幼稚な嫌がらせをしてきた。
自分を害する人間が大嫌いで、やられたらやり返す主義の遊姫は……必ず邪魔者を惨めに、後宮から追放することを決意する。
捨てられ更衣は、皇国の守護神様の花嫁。 〜毎日モフモフ生活は幸せです!〜
伊桜らな
キャラ文芸
皇国の皇帝に嫁いだ身分の低い妃・更衣の咲良(さよ)は、生まれつき耳の聞こえない姫だったがそれを隠して後宮入りしたため大人しくつまらない妃と言われていた。帝のお渡りもなく、このまま寂しく暮らしていくのだと思っていた咲良だったが皇国四神の一人・守護神である西の領主の元へ下賜されることになる。
下賜される当日、迎えにきたのは領主代理人だったがなぜかもふもふの白い虎だった。
【完結】捨てられた双子のセカンドライフ
mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】
王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。
父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。
やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。
これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。
冒険あり商売あり。
さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。
(話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる