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第三章 再び隣国へ

4 採血マニア

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  国立治療センターに戻って来た。半年も経っていないのに、ここにいた時の事は昔のように感じる。
「ソルーシア、久しぶり。」
「お帰り。早速、採血。」
「少し休ませてくれよ。こっちは長旅してきて疲れているんだ。」
「……わかってないな、お前は拒否権ない。負荷のかかった状態が知りたいんだから、丁度、軽度負荷状態検査ができる。逆に一回分楽したと考えてほしな。」
「ん……負荷…明日からの検査が怖いな。」
「早く、行く!」
「はいはい。」
もう、やだな。こんな検査が毎日続くのか……
「あ、夜は自由でいいよな?」
「今日はいいよ。」
はいはい。今日はってことは、夜もあるわけね。
「あ、連れから連絡が来たら教えて欲しい。」
「了解。マック・レディだな。受付に伝えておく。」
お?一緒に来た奴の事まで知ってるのか。

  着いて早々検査に突入した俺はかなり疲れて寝落ちしてしまっていた。気がつけば、宿泊施設のベッドの上で、ここ、どこ?状態だった。
「うわぁ、やっちゃったな。マックから連絡、確認してないや。」
タイミングよくノックの音がして、ソルーシアが入って来た。
「おはよう。昨日はお疲れ様。よく眠っていたようなので、そのまま寝かせたが、夕飯抜きは辛かろうな。」
「全くだ。」
「丁度いいから、採血しとく。」
「はあ?おまえは口を開けば採血って、吸血鬼か。飯食わせろよ。訴えるぞ。」
「はーい、腕出して。」
「ぬぅぅ。」
採血しながらソルーシアが口を開く。
「あ、伝言。あるよ。マックから。」
「なんだ、早く言え。」
「明日…いや、今日だな。今晩どう?って。なに、夜のお誘いか?」
「言い方が、あるだろうが……誤解するなよな。ただ一緒に夕飯食うだけだろうが。」
「だよね~」
「はぁ……」
「ok出しといたから。」
「何、勝手に…まあ、いいか。行くから。」
「今日は早めに終わらせてあげるから。飲み過ぎはだめだよ。」
「と言うことは、飲酒しても良しか。」
「良し。はい、終わり。朝食は運ぶ?食堂行く?」
「行くよ。」

  その日の夜はマックと二人で屋台通りをうろうろした。
  何人か監視がついて来ていたが、あの人混みで何もつままずに長時間うろうろしてる方が、逆に目立つって。
「あ~癒されるわ~」
マックといると、なぜか落ち着く。この国に着いてから、緊張していたせいか、マックの側にいると、安心するぅ。
「何?」
「マックといると、俺は楽しいって事。」
「そうなんだ。俺もだよ。前にもいったかな、ソニーかわいいから、つい、撫でたくなるよ。」
あ、頭グリグリされた。こんな風にされた事って無かったよな……親父にも……優しかったけれど、覚えている限りでは、ないな。

  翌日………
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