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お仕事の時間ですよ 2
転+王宮騎士物語 第18話
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ホップスはマーキングした場所と僅かに離れていくように感じた。このまま進むと、沢に突き当たり進めなくなってしまう。
「エリー、このまま行くと方向が少し違うようですが……」
「ホップス。あなたが感じたのはクロードが遠話を発信した位置。すでにクロードも降りた後、首都へ移動しているはずだからもう追っても間にあわない。王女はクロードとは離れた場所に降りて、移動中だから、向かう先はこちらで間違いないわ。」
「行く先は沢ですか。」
マリーが頷く。
ホップスは何故エリーが見てきたかのように語るのか訝しんだが、王女の危機と時間に余裕がないと言う彼女の真剣な目を信じたいと思った。副隊長に視線を移すと気持ちを察したのか、頷いた。判断に間違いはないのだろう。
マリーは既に自分がエリーと呼ばれていることを理解していた。何故急にエリーと呼ばれるようになったのか、不思議だったけれど、今は前に進む事に集中しようと思った。
ドラマの台本もあらすじもマリーの頭に入っている。セリーヌの事故当日までのドラマ収録分の世界は大きく変化していないと考えて行方不明になる前に王女を発見し、連れ帰るつもりだ。だが、セリーヌの事故死により、この世界の物語の結末が変えられすでに王女が死亡していたら?不安が膨らむが、無事を信じるしかない。今私が不安そうな顔をすれば、副隊長もホップスも一緒に来ないだろう。
「お願い!間に合って!」
マリーは先を急いだ。
切り立った縁に近づき、立ち尽くすマリー。
「………」
「間に合わなかったのか!?」
足跡と、切れ切れに乱れた草と抉られ土の見える地面に、痕跡が残っている。崖下をのぞくが、遥か下に姿は見えない。
「…ホップス、人の背ぐらいの長さの丈夫な木か枝を二本切って来て。」
マリーは荷物から鉈を取り出し、ホップスに渡す。ホップスは不思議そうな顔をするが、鉈を手に言われた通りに探しに行く。
「副隊長、丈夫な木にこのロープをかけるから、手伝って!」
マリーが準備してきた長いロープを副隊長がしっかり結びつける。マリーはドレープが多い丈の長いマントをぬいでたたむと副隊長に渡した。
「小枝を落とした木の枝が準備できたら、こちらのロープにこのマントと一緒にくくりつけて下ろしてください。私は先に降りますので。」
マリーはもう一本のロープを渡すと、先程大木に結ばれたロープに近づき、用意してきた革の手袋を着ける。身体にロープを慣れた手付きでまくと、肩がらみ 懸垂下降で、ロープ一本を使って、迷うことなくするすると崖下へ降りていく。残された副隊長がマリーの行動を驚きの表情で見送った。
「エリー、このまま行くと方向が少し違うようですが……」
「ホップス。あなたが感じたのはクロードが遠話を発信した位置。すでにクロードも降りた後、首都へ移動しているはずだからもう追っても間にあわない。王女はクロードとは離れた場所に降りて、移動中だから、向かう先はこちらで間違いないわ。」
「行く先は沢ですか。」
マリーが頷く。
ホップスは何故エリーが見てきたかのように語るのか訝しんだが、王女の危機と時間に余裕がないと言う彼女の真剣な目を信じたいと思った。副隊長に視線を移すと気持ちを察したのか、頷いた。判断に間違いはないのだろう。
マリーは既に自分がエリーと呼ばれていることを理解していた。何故急にエリーと呼ばれるようになったのか、不思議だったけれど、今は前に進む事に集中しようと思った。
ドラマの台本もあらすじもマリーの頭に入っている。セリーヌの事故当日までのドラマ収録分の世界は大きく変化していないと考えて行方不明になる前に王女を発見し、連れ帰るつもりだ。だが、セリーヌの事故死により、この世界の物語の結末が変えられすでに王女が死亡していたら?不安が膨らむが、無事を信じるしかない。今私が不安そうな顔をすれば、副隊長もホップスも一緒に来ないだろう。
「お願い!間に合って!」
マリーは先を急いだ。
切り立った縁に近づき、立ち尽くすマリー。
「………」
「間に合わなかったのか!?」
足跡と、切れ切れに乱れた草と抉られ土の見える地面に、痕跡が残っている。崖下をのぞくが、遥か下に姿は見えない。
「…ホップス、人の背ぐらいの長さの丈夫な木か枝を二本切って来て。」
マリーは荷物から鉈を取り出し、ホップスに渡す。ホップスは不思議そうな顔をするが、鉈を手に言われた通りに探しに行く。
「副隊長、丈夫な木にこのロープをかけるから、手伝って!」
マリーが準備してきた長いロープを副隊長がしっかり結びつける。マリーはドレープが多い丈の長いマントをぬいでたたむと副隊長に渡した。
「小枝を落とした木の枝が準備できたら、こちらのロープにこのマントと一緒にくくりつけて下ろしてください。私は先に降りますので。」
マリーはもう一本のロープを渡すと、先程大木に結ばれたロープに近づき、用意してきた革の手袋を着ける。身体にロープを慣れた手付きでまくと、肩がらみ 懸垂下降で、ロープ一本を使って、迷うことなくするすると崖下へ降りていく。残された副隊長がマリーの行動を驚きの表情で見送った。
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