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第三章輝き

7 天辺の木の下で

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  黒い癖っ毛にくりっとした黒い瞳。マックと同じくらいの年だろうか。
「さあ、行こうよ。」
手を繋いで走り出した。
  もう膝も痛くない。風が吹いて花の香りがする。ようやく、たどり着いた太い幹にタッチする。
「ターッチ!」
二人で幹にもたれ掛かり、笑いながら座りこんだ。
「僕はユーリ。君は?」
「マック。」
「あそこに見える家、わかる?」
  丘から見下ろすと、近くに大きなお屋敷が見えた。
「あの、あおいやねの?」
「あそこに住んでるんだ。また一緒に遊ぼう。」
  ユーリは自分と身長は同じくらいだろうに、お兄さんみたいだ。
「うん。あそぶ。」
「じゃ、約束。」
「うん。やくそく。」
「マック、誰?」
レイナが不思議そうに覗いてきた。
「ユーリ。」
「はじめまして。ユーリ・ダブ・ヤーン・ソライエヌです。」
「あ、はい、姉のレイナ・ミルク・タージニアです。よろしく。」

「またな、てっぺんの木の下で。」
「てっぺんの木の下で。」
  仲良くなったユーリとマックは、約束の丘の木をそう呼び、毎日木の下で待ち合わせして、日が暮れるまで遊んだ。
  学校が始まると、学校が終わってから、休日には弁当持って集合して、ピクニックに行ったりした。
                                       
  
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