側妃達のお茶会

マヤ

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小さな乱入者です。

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葉の紅葉がきれいな暖かな天気
庭の葉に隠れてこちらをみるのは小さな少年。
側妃達はお茶会最中。
たまには交流したいです。


「殿下。見ていないでこちらにいらっしゃい。」

微笑みながら隠れている場所を見るのはノホラン妃だ。
美人だが父上にずけずけ言う猛者だ。私は側妃達の中で一番常識的だと思う。無理なことは言わないし。



「でーんか、殿下の好きなお菓子がありますよ~。」

私の好物のアップルパイを食べるコントラセント妃は意地悪だ。よくいつの間にか城を抜け出す。
彼女のおかげでさまざまな抜け道や王族の脱出口が発見できた。


「殿下のお好きな飲み物もございますよ。」
モーゼル妃は父上がちょっと恐れている方だ。魔女の娘として有名だったと、きいている。魔法は使えないらしい。残念。


「お勉強は終わりましたの?殿下。」
リリーエバン妃は騎士団長の娘だ。すごく腕に自信が有り、私の剣の師匠でもある。怖い。



「お昼寝する?」

ナターシャ妃はのんびりしている。彼女と昼寝をするとろくなことがない。変なところで寝ていたり、知らなくていい重要機密を知ることになる。


「ち、父上から偶には交流をするようにと言われている。私のことは気にせずにいつも通りにせよ!」


嘘だ。そんなことは一言も言われていない。だが、私は勉強を逃げ出して来ている。だってお茶会ばかりしているこいつらが、うらやましい。お茶とお菓子を食べてのんびりしているのだから。

「では、いつも通りに。
最近、とある旅芸人が有名なの知っていて?」
ノホラン妃はにっこり笑う。

「あぁ、あれですね。とても綺麗な声と踊り。そして変わったことをしているとか。」
モーゼル妃はお茶を飲んだ。

やはりお茶会ばかりずるい。

「それでしたら私も知っていますわ。何故か、ずっと人前に出ているのに帰るさい、家の奥にあるはずの貴重品が消えてしまう泥棒さんとか。」
リリーエバン妃まで、まるで噂話が好きな女のようではないか。

「そりゃそうだよ。有名だったからねぇ。またしても出た!美しすぎる泥棒、そのやり方はいかに?って昔の新聞にのってたもん。」

コントラセント妃は身振りでぶりで、昔の新聞を表している。


「今日、つかまるんじゃないかな。」
ナターシャ妃はクッキーを粉々にして遊んでいる。
全く汚らしい。


「あら、どうしてですの?その理由は何故?」

確かにノホラン妃の言うとおりだ。
何故そんな理由を知っている。


「?。だって今日の夜会でその旅芸人呼んだでしょ?陛下が。捕まえるためじゃないの?」

本気でナターシャ妃は気で疑問に思っているようだ。
その前に夜会だと?聞いてないぞ。


「え!夜会あるの?知らなかったの私だけ?」
焦るコントラセント妃。

と、同時に城が騒がしくなり、後ろで侍女達も動き出した。


勉強抜け出したのがばれたか。


「本日はこれで私は失礼する。」
逃げるように去る私にリリーエバン妃から声がかかる。


「殿下。本日は多めに見ますが余り感心しません。次訓練の時ご覚悟くださいね。ちょっと厳しくいたします。」

泣きたくなった。


「ちょっと陛下に聞いてみますね?夜会私達も知りませんでしたし。今から夜会の準備とかふざけるなと。」



ノホラン妃とモーゼル妃が黒い笑顔を浮かべ立ち上がった。


うん。
父上逃げてー。

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