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陛下は頑張る。
しおりを挟む早朝。
朝日がゆっくりと見えてくる。
仕事はまだ机にあった。
一時間。ほんの少しの休憩を。
陛下は出来なかった。
「陛下、おはようございます。本日の仕事の一部をお持ちいたしました。」
机には書類があって追加で、5人が束で持っているものもあり、休憩など取れる筈もない。
宰相も目の下にはくまが出来ている。
「…そして本日も側妃達のお茶会がございます。」
これが一番の問題だった。
側妃達がお茶会をした次の日は必ず忙しくなる。
不正。反乱。不正。暗殺。不正。不正。不正。
仕官もどこかに魂を飛ばすくらいには忙しい。
大臣達も卓上で屍化する。
「…お暇下さい。休憩下さい。お休みください!」
仕官の1人がまたしても、錯乱した。
「一週間だけの休暇を出してやれ。」
既に13人の休暇があるが、入れ替わりで戻って来る。こいつらも側妃達の被害者だ。
思えば彼女たちが城に来た日の初夜も大概おかしかった。
1番目はノホラン妃。
「父から言われましたが、私陛下好きではないんですの。いつかとある方に下賜してくれません?」
頬を赤らめる姿に陛下初夜出来ず。
次はリリーエバン妃だった。
「陛下がそういう立場なのは解りますが、城の警備が気になりますね。」
一部に人の山が出来ていた。
ナイフを手で回しながら天井にいたもう1人の暗殺者を仕留める側妃。
初夜出来ず。
3番目は モーゼル妃。
部屋にはいったら甘い香りがして。陛下には記憶がなかった。
ただ、何事も無いのは確実だ。陛下は床で寝てモーゼル妃はベッドで寝ていた。
そして陛下はモーゼル妃の下に夜いくことはなくなった。
コントラセント妃はもっとひどかった。
ベッドの上に紙が置いてあり、出かけてくる。と書いてあるだけ。
未だに初夜出来ず。
ナターシャ妃は、居たし、普通にベッドに座ってまっていたし。まともだと陛下も思っていたが、
「血がついていれば大丈夫。お休み。」
シーツの真ん中あたりに血をつけてぐしゃぐしゃにして1人で陛下を放置して寝た。
その後も陛下の渡りはあるが、先に寝ている。
彼女たちが来てから陛下は不憫な感じになってしまった。まともな人だったのに。
書類に埋もれながら陛下は考えた。
「一応、利益はあるから。彼女たちはまぁ、側妃と言うよりも臣下や友に近いかなぁ。」
確かに彼女たちが来てから、不正が続々発見出来たり、諸外国と取引出来たり戦争回避したりしている。
友好関係が広いのだ。
「陛下追加の書類お持ちしました。それと後、数時間後に王妃様とお食事が、その後また書類仕事していただきます。午後から側妃様達のお茶会がございますのでそれまでには一段落つけましょう。」
あ、陛下気絶した。
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