側妃達のお茶会

マヤ

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あちらの方よりこちらの鉱山が良いですわ。

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雨が降る。
庭の花もいつもと違う姿を見せる。
ゆったりとした時間の中。
側妃達はお喋りとお茶を楽しむ。
本日の話題は?

「陛下が、隣国からの宝石を頂いたようですわ。」
モーゼル妃が、珍しく自分から話題を提供した。
基本的には ノホラン妃が、話し始めるのが常であるが、そのノホラン妃は宝石を睨みつけている。

「皆様、何の石を貰いましたの?」
モーゼル妃は机にルビーの石を
ナターシャ妃はオパールの石を手で遊んだ。

リリーエバン妃はシトリンの石を太陽光にかざしている。
コントラセント妃アクアオーラの石を出した。

そして ノホラン妃はアゲートの塊を叩き付けた。

「何なんですの!?この統一性の無さは!しかも人鉱石まで!もはや我が国を馬鹿にしているようではないですか!」

「しかも陛下私達にまさか原石で渡してくるとはねぇ。流石に驚いたわ。」
モーゼル妃は貰った時を思い出して顔をしかめた。

「王妃様のは陛下が職人にダイヤでネックレスを造らせるみたいよ。残念な人ね。」
リリーエバン妃は宝石を見る目のなさを嘆いた。



「ダイヤの色が、黄色みかかっていたではありませんか!あんな粗悪品を我が国に渡すなんて!」
ノホラン妃は激怒している。


ナターシャ妃が、一度席を外した。
部屋に忘れ物をしたらしい、侍女と二人で退室中だ。


「宝石どう加工致しましょう?ネックレス?指輪?ブレスレット、耳飾りでも髪飾りでも良いですわね。私の職人、細工がとても上手なの。」

なんとかノホラン妃の怒りを逸らそうと、皆で石の加工について話し合った。


大きな袋を抱えたナターシャ妃が戻って参りました。
「めっちゃ、ダイヤある。」
袋をお菓子とお茶をどかしたテーブルにおくと中を開く。
そこには、ピンクダイヤやザ・ゴールデンジュビリー、ホープダイヤモンドが大量のダイヤモンドと共に乱雑に入っていた。カットまでされて。

「…聞いてもよろしくて?なにこのダイヤの数と質は?」
覗き込む皆の代表として、ノホラン妃が訪ねた。

「私の故郷の国、ダイヤめっちゃ、ある。いる?」

侍女が地図を広げ、今いる国とナターシャ妃の故郷を指差した。

「新しい事業。万歳。」

陛下の側妃の国と言うことで、ダイヤの輸入が増え、その加工の技術とレベルの高さに驚いたという。

…ナターシャ妃って、何者?

「そう言えば、隣の国の使者のひとね、ただの色石でも陛下は気づかないのではないのか?って、言ってたよ?」

陛下って、ドコまでも残念な人だ。

そしてナターシャ妃はどこでそんなことを聴いてくるのか?
永遠の謎だ…。


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