399 / 409
第十八章
十話 【たまたまあった玉】
しおりを挟む
「よく来てくれた! ロッドのギルドマスター兼施設長の[オッペン]だ」
「フジンカガイライの団長、ツナマヨです」
「ワイドンテ騎士団のイグラシオだ」
「厄災対策室室長のサーズリ氏から聞いている」
「それで、厄災は?」
「急に現れた厄災は、北西の[デマスの村]を襲い、近くの草原まで来ているそうだ。偵察の冒険者からの連絡では、草原でノイテを食い散らかしているそうだ!」
「厄災の詳細は?」
「油ぎった黒い2m程の長い髭を持つ素早い奴が、10匹前後いるそうだ」
「了解した。すぐに向かおう!」
ツナマヨ達は街で馬を借りすぐに現地へと向かう。
「エル! 詳細をセシル殿に伝えておいてくれ」
「おい、動かなくなったぞ」
「死んだのかな?」
近くの木の棒で、金の厄災を突っつくベンゾウ。
「死んだみたい」
「さて、どうするか……」
倒すつもりではいたが、ミルドラを誘き寄せてからの話だったし、コレがいないと姿を消すミルドラを探すのは至難の業だ。
辺りはすっかり暗くなっていき、寒さを増して行く。
惣一郎は取り敢えず、王をアイテムボックスに収納してキャンプへと戻る事にした。
キャンプに戻ると丁度、セシルがエルと連絡をしていた所だった。
「おかえりなさい惣一郎様! 今エルさんから連絡が入っていまして、黒い2m程の長い髭を付けた厄災が10匹前後だそうです」
「ただいま…… それアレかも知れんな…… エルに渡してある、黄色と黒の殺虫スプレーを使う様に伝えてくれ」
「はい!」
ゴキブリなら即死するだろう……
「で、どうだったのじゃ?」
まだ居たのかジゼル……
ビーチベッドに横になりながら、セシルの料理と酒を飲む老人。
「それが……」
惣一郎は暗い砂浜に王の死骸を取り出す。
「旦那様、もしかしてコレが?」
「ああ、多分……」
「ちょ旦那、どうするんだよ殺して!」
「いや、見つけたら死ぬところだったんだ。どうもゼリオス達の魔法が直撃だったみたいで」
「では、僕の御手柄!」
「まぁ~ そうなんだが……」
「なんじゃ歯切れが悪いの~」
「ミルドラがここに来なくなる。そういう事ですね……」
「まぁそう言う事だ」
「なんと! その女王は姿が見えぬのだろ? どうやって見つけるのだ!」
「ご主人様~ ジンにもらった玉使ったら?」
コイツ、たまに天才!
惣一郎が忘れていた死玉。
死んだ魔獣を操れる魔導具。
コレで騙せるかは謎だが、試す価値はある。
「厄災にも使えるといいが……」
ベンゾウがバッグから死玉を取り出す。
「惣一郎よ、お前さんなんでそんなもん持ってるんだ?」
「以前、獣王のジンから譲り受けたんだ」
「そりゃ戦争の火種にもなる品物だぞ!」
らしいな……
「「「「 ゴクリ! 」」」」
「で、どうやって使うんだコレ?」
「「「「 知るか! 食べる! 押し込む! 掲げるのでは? 魔力を流すんじゃなかろうか? ガオ! 死体に埋め込むのかの~ 」」」」
ん~ わからん!
「フジンカガイライの団長、ツナマヨです」
「ワイドンテ騎士団のイグラシオだ」
「厄災対策室室長のサーズリ氏から聞いている」
「それで、厄災は?」
「急に現れた厄災は、北西の[デマスの村]を襲い、近くの草原まで来ているそうだ。偵察の冒険者からの連絡では、草原でノイテを食い散らかしているそうだ!」
「厄災の詳細は?」
「油ぎった黒い2m程の長い髭を持つ素早い奴が、10匹前後いるそうだ」
「了解した。すぐに向かおう!」
ツナマヨ達は街で馬を借りすぐに現地へと向かう。
「エル! 詳細をセシル殿に伝えておいてくれ」
「おい、動かなくなったぞ」
「死んだのかな?」
近くの木の棒で、金の厄災を突っつくベンゾウ。
「死んだみたい」
「さて、どうするか……」
倒すつもりではいたが、ミルドラを誘き寄せてからの話だったし、コレがいないと姿を消すミルドラを探すのは至難の業だ。
辺りはすっかり暗くなっていき、寒さを増して行く。
惣一郎は取り敢えず、王をアイテムボックスに収納してキャンプへと戻る事にした。
キャンプに戻ると丁度、セシルがエルと連絡をしていた所だった。
「おかえりなさい惣一郎様! 今エルさんから連絡が入っていまして、黒い2m程の長い髭を付けた厄災が10匹前後だそうです」
「ただいま…… それアレかも知れんな…… エルに渡してある、黄色と黒の殺虫スプレーを使う様に伝えてくれ」
「はい!」
ゴキブリなら即死するだろう……
「で、どうだったのじゃ?」
まだ居たのかジゼル……
ビーチベッドに横になりながら、セシルの料理と酒を飲む老人。
「それが……」
惣一郎は暗い砂浜に王の死骸を取り出す。
「旦那様、もしかしてコレが?」
「ああ、多分……」
「ちょ旦那、どうするんだよ殺して!」
「いや、見つけたら死ぬところだったんだ。どうもゼリオス達の魔法が直撃だったみたいで」
「では、僕の御手柄!」
「まぁ~ そうなんだが……」
「なんじゃ歯切れが悪いの~」
「ミルドラがここに来なくなる。そういう事ですね……」
「まぁそう言う事だ」
「なんと! その女王は姿が見えぬのだろ? どうやって見つけるのだ!」
「ご主人様~ ジンにもらった玉使ったら?」
コイツ、たまに天才!
惣一郎が忘れていた死玉。
死んだ魔獣を操れる魔導具。
コレで騙せるかは謎だが、試す価値はある。
「厄災にも使えるといいが……」
ベンゾウがバッグから死玉を取り出す。
「惣一郎よ、お前さんなんでそんなもん持ってるんだ?」
「以前、獣王のジンから譲り受けたんだ」
「そりゃ戦争の火種にもなる品物だぞ!」
らしいな……
「「「「 ゴクリ! 」」」」
「で、どうやって使うんだコレ?」
「「「「 知るか! 食べる! 押し込む! 掲げるのでは? 魔力を流すんじゃなかろうか? ガオ! 死体に埋め込むのかの~ 」」」」
ん~ わからん!
13
お気に入りに追加
1,868
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる