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第十八章

三話 【扱いづらい新人】

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「惣一郎殿、我々も先に行っているぞ!」

アルミ材を削る惣一郎に、ツナマヨ達が話しかける。

「戻ったばかりなんだから、少し休んでからにしたらどうだ?」

「問題ない」

「そうか…… 数が多いから無理せずに、休み休みな! 戻る時はサーズリにコールを!」

「ああ、了解した」

ツナマヨ達フジンカガイライもギドに送られ、厄災の島に渡る。




「団長、あれ!」

「ふむ、デカいな! ミコ達だろう」

砂浜の大きなクレーターに、厄災だろう死骸。

「我々も負けてられん、いくぞ!」

武器を構え、浜辺を歩き出す。

森の中より開けた浜辺から、まわり込むツナマヨ達。

砂浜を少し進むと森の中から、

「チチチチッ、チチチチッ」

っと、聞き慣れない音を聞く。

盾を構えるトーマが前に、ゆっくり近付き、森へ足を踏み入れる。

「クソ、鳴き止んだか! どこだ!」

すると木の隙間からトーマの盾めがけて、一直線に突っ込んで来る厄災!

弾丸の様に盾ぶつかり、巨漢のトーマを押し返すと、着地した瞬間また弾丸と化す!

子供サイズの茶色い厄災は、長い触覚を鞭の様に振り回し、盾を叩くと、大きな後ろ足で弾丸と化し、トーマに撃ち込まれる!

押し戻されながら耐えるトーマ。

ギコル達も、厄災の連続攻撃に迂闊に前に出れない!

するとゴザが、後ろから上に光矢を撃ち込む!

青いレーザーは、障害物の枝やトーマの体をカクカク躱し、茶色い厄災を、仕留める!

「助かったゴザ!」

「まだじゃ!」

エルの声に、咄嗟に構えるトーマ。

その盾にまた頭から突っ込んでくる同じ厄災!

「もう1匹いたか!」

「いや、もっといるぞ!」

森の中ゾロゾロと長い触覚が揺れる。

フジンカガイライの初戦の相手は、大群の[カネタタキ]であった。





「惣一郎様! 遅くなりました」

セシルがゼリオス達と戻ってくる。

「おかえり、十分早いよ!」

「惣一郎殿、すいません遅れてしまって」

「いや、高価な回復薬を買ってまで、無理しなくても良かったのに」

「そうはいきませんよ! 大変な時に我々だけ休んでいるなんて、そんな事出来ません!」

真面目なんだよ……

すると、ゾロゾロと施設からワイドンテだろう冒険者が出てくる。

「すまないな、急に呼び出して」

「ジビカガイライの惣一郎か! 俺は、ワイドンテ騎士団、団長のイグラシオだ」

「初めまして、副団長のサリーワイズです」

「惣一郎だ、よろ……!」

17人と大所帯のワイドンテ。

その中に、知ってる顔がいた!

「まさか…… ピノか?」

「知ってるのか? 最近仲間になった魔導士だ」

ピノは惣一郎を無視し、そっぽを向く。

「ああ、随分立派になって……」

「彼女は最近頭角を表した冒険者でな、メンバーにスカウトした。光剣の魔法は強力だぞ!」

お揃いの赤銅の鎧に身を包み、亜瑠美を持つピノ。

「そうか…… 元気そうでよかった」

「フン! 貴様に心配される謂れはない!」

「………」

「まっ、まぁ、彼女はチームでも、その、男とは口を聞かんのでな、多少問題はあるが実力はあるのだ」

すると副団長のサリーワイズが、

「ピノ、失礼は許しませんよ! ギルドに所属する冒険者なら、トップに逆らってはいけません! 実力こそが正義です」

っと、声を荒げる。

「はい…… お姉様」

相変わらずの様だ……

だが、スワロを失い復讐を口にして消えたピノが、こうして冒険者として上り詰めて来ていた事に、惣一郎は嬉しかった。

スワロに託した亜瑠美も、大事に使っているのだろう。

銀色に輝いて見える。


「それで惣一郎よ、セシルから大体の事は聞いたが、ここで何が始まるのだ」

惣一郎はワイドンテに、詳しく経緯を話し始める。






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