上 下
390 / 409
第十八章

一話 【集まる戦力】

しおりを挟む
砂浜に囲いを作り、露天風呂を楽しめるキャンプで惣一郎は、弁慶と夕飯の準備をしている。

戻った左腕は幻腕と変わりなく、当たり前なのだが違和感なく鍋を振る。

夕飯はクリームシチュー。

ミコのリクエストであった。

「なるほど、それでそんなに見た目若くなったのか」

「腕まで生えるとは、流石に呆れるわ」

「ガオ」

「体は軽いし、やっぱ若いっていいな~」

「発言がおっさん臭いぞ」

料理をしながらミコ達に説明をする惣一郎。

正直もっと驚いて欲しかったが、淡白な反応であった。


ミコがシチューをご飯にかけ、掻き込み始めると、ツナマヨ達フジンカガイライが到着する。

ギドは、青い顔で疲れ切っていた。

「なんだ惣一郎殿、また若返ったのか?」

「お若い惣一郎様も、素敵です!」

「腕まで生えてるぞ」

「旦那の変態っぷりは、今日に始まった事じゃないが…… おっ、いい匂いだ!」

「まぁ、無事で何よりですな」

当たり前の様に席に着く、フジンカガイライ。

「惣一郎よ、まさかもう島の存在がバレたのか?」

瞬間移動し過ぎて青い顔のギドが、心配そうに話しかける。

ザスの実のジュースを出し、惣一郎は、

「いや、バレる前に掃除しないと、厄災を取り込まれてミルドラが、また強くなっちゃうだろ!」

っと、ギドにもシチューを皿に盛る。

あの数をか!っと言いかけ止めるギド。

「それで、どこまで追いかけたんだ?」

「それが、飛び去った方角をくまなく探したんだが、全く足取りが掴めんかった」

「アタイ達も先の街をいくつかまわったんだが、目撃者もいなかったよ、おかわり!」

ギドはミコにこき使われたのか、また青ざめる。

奴は厄災ごと、姿を消せるのかも知れん……

ベンゾウが「おかわり!」っと、皿を差し出すと、サーズリがテントから出てきて、

「惣一郎殿、朝には応援が間に合いそうです。先程セシル殿とも連絡が取れ、ワイドンテの方々と明日戻るそうです」

「えっ、流石にゼリオスの骨折は、まだ治らんだろ?」

「それが、町に戻った商人ギルドから、高額で回復薬を購入し、セシル殿の回復魔法もあって、すでに歩ける位には、回復したそうです」

なるほど、ダンジョンの町の商人ギルドなら、持ってそうだな……

満点の星空のした、自前のテントを出し、各々朝まで休み始める。




翌朝、朝食の準備をする惣一郎の元に、サーズリが応援の冒険者を連れて来る。

「ガッハハ、この格好も久しぶりじゃな!」

「ジゼル!」

「よお、惣一郎。手伝うぞ!」

現れたのは、五賢人のジゼルとギリアークの2人。

年寄りの割にゴツい体のジゼルは、大きな斧を持ち、ドワーフの老人ギリアークは、大きな杖を持っていた。

「おいおい、爺さんが戦えるのかよ!」

後から現れたミコが茶化すと、ガブガが、

「ドアホ! お二人とも生きた伝説じゃ!」

「ほぉ、ガブガの小倅か? 立派になったの~」

「ギリアーク様、ご無沙汰しております」

ガブガが畏まる、五賢人のドワーフ。





しおりを挟む
感想 67

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜

平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。 『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。 この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。 その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。 一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

処理中です...