384 / 409
第十七章
十三話 【惣一郎の策】
しおりを挟む
誰も居ないエキオの町に、念の為サーチを唱える惣一郎。
無事全員、避難出来た様だ。
映像を見たガブガが、日の高さからミルドラが現れるのは午後と予測していた。
広場に残る惣一郎とギド。
それ以外は、町の外、東側と西側に分かれて待機している。
なるべく町を壊したくは無いが、そうも言ってられない。
東にはベンゾウとミコ、ツナマヨとトーマが待機している。
西側には、弁慶とゼリオス、エルとギコル。
セシルはクロにまたがり、やや北で見守る。
通信の要として。
残りは広場前にあるギルドで待機する。
「すまないなギド、年寄りに頼ってしまって」
「気にするな、コレも俺のやり残した使命みたいな物だ」
全身を惣一郎の出したプロテクターで身を包むギド。
ジュラルミンで出来たアームガードには、魔石が光っていた。
広場で待ち構える惣一郎とギド。
中央と東と西に分かれたみんなも緊張し、今かと待ち構える。
特に映像を見た者は……
『セシル! そろそろだ、みんなに寝てない所悪いが気合い入れるよう伝えてくれ!』
『はい!』
緊張の時間が流れる……
すると広場に突然現れた獣人の男!
「ネウロか! すぐに離れろ!」
「そ…… 惣一郎なのか?」
広場で膝を突き、息の荒いネウロ。
驚き固まっていると、後ろに女性が現れる。
長い赤毛のドレスの女。
よく見るとドレスは、凶々しく身体から生えた鎧の様な外殻であった。
焦り動こうとするギド!
「まだだ!」
っと止める惣一郎。
遠く建物の上から見ていたセシルが、みんなにコールを飛ばす!
「ミルドラだな!」
刑事が犯人を捕まえる時の様な口調であった。
ニヤリと笑うミルドラが、手を広げる。
左右に大きな青い魔法陣が現れると、地面から大きな厄災が姿を現す。
「いまだ!!」
大声を出し姿を消す、惣一郎とギド!
ギドが緑の厄災に触れると、一瞬で厄災ごと消える!
惣一郎はミルドラの後ろに現れ、背中に触れると、同じ様に消える!
広場には大きな黒い厄災と、状況が理解できないネウロがまだ、膝を突いていた。
広場前のギルドから出て来る6人の冒険者。
「行くぞ! 町を守るのじゃ」
ガブガが両手に斧を持ち、黒い厄災に走り寄る!
ガオがそれを追い越す。
呼び出された厄災も状況が分からないのか何もせず、ガオの右ストレートを顔面に受ける!
少し、ほんの少しだけ下がる黒い厄災。
立て続けにゴザの光矢が、レーザーの様な黄色い光線を放ち、大きな鋏の間の顔に刺さっていく!
たまらず一歩下がる巨大なサソリ。
反り返る尻尾が目の前のガオに、勢いよく襲い掛かるが、
「どっこいしょ!」
っと、2本の斧で撃ち返すガブガ。
巨大な身体で俊敏に後退するサソリ。
追いかける様に、グリコの水弾がサソリを襲う!
嫌がるサソリ!
やはり水が苦手なのか、大きな鋏でガードする厄災!
キンブルとクトルの兄弟が、ガブガとガオに支援魔法をかける。
「お前達は…… いったい誰なんだ……」
理解出来ないネウロは、まだ地面に手を突いていた。
東に現れた緑の厄災。
町の外の荒野に現れた、長い脚に棘を纏う巨大な厄災。
二度の連続瞬間移動で巨体を運び現れるギドが、青い顔で「後は任せたぞ!」と、さらに奥の離れた場所に飛んで座り込む。
惣一郎の魔力無しで巨体をここまで連れて来ただけで、大分辛そうだった。
「任せろ、おっさん!」
すでに獣化していたミコが、両手の鉈を振り回し、弾丸となり厄災の長い脚に体当たりする!
右前脚の関節部分にあたる弾丸は、厄災の脚を曲げて、回転が止まる。
六本中の一本を、折ってもバランスは崩れない。
「まず一本だ!」
「二本だよ」
小刀を抜いたベンゾウが、奥で横たわる大きな厄災の脚の先と一緒に立っていた。
ようやく異変に気付いた緑の厄災が、耳が裂ける様な高い大きな声をあげる。
腰を落とす様に残された脚を曲げ、平な腹部を反らせ、大きな葉っぱに似た姿で威嚇すると、口から毒霧を放つ!
それを大きな盾で受け止めるトーマ。
その後ろ居合の姿勢で構えるツナマヨが、毒霧を受け切ったトーマが横に身体をずらすと、半月状の光を放つ。
前屈姿勢の緑の厄災は、そのツナマヨの一閃を頭を下げて避けるが、反り返る腹部に大きな傷を残す。
西に現れたミルドラは、状況が理解出来ずにいた。
無事全員、避難出来た様だ。
映像を見たガブガが、日の高さからミルドラが現れるのは午後と予測していた。
広場に残る惣一郎とギド。
それ以外は、町の外、東側と西側に分かれて待機している。
なるべく町を壊したくは無いが、そうも言ってられない。
東にはベンゾウとミコ、ツナマヨとトーマが待機している。
西側には、弁慶とゼリオス、エルとギコル。
セシルはクロにまたがり、やや北で見守る。
通信の要として。
残りは広場前にあるギルドで待機する。
「すまないなギド、年寄りに頼ってしまって」
「気にするな、コレも俺のやり残した使命みたいな物だ」
全身を惣一郎の出したプロテクターで身を包むギド。
ジュラルミンで出来たアームガードには、魔石が光っていた。
広場で待ち構える惣一郎とギド。
中央と東と西に分かれたみんなも緊張し、今かと待ち構える。
特に映像を見た者は……
『セシル! そろそろだ、みんなに寝てない所悪いが気合い入れるよう伝えてくれ!』
『はい!』
緊張の時間が流れる……
すると広場に突然現れた獣人の男!
「ネウロか! すぐに離れろ!」
「そ…… 惣一郎なのか?」
広場で膝を突き、息の荒いネウロ。
驚き固まっていると、後ろに女性が現れる。
長い赤毛のドレスの女。
よく見るとドレスは、凶々しく身体から生えた鎧の様な外殻であった。
焦り動こうとするギド!
「まだだ!」
っと止める惣一郎。
遠く建物の上から見ていたセシルが、みんなにコールを飛ばす!
「ミルドラだな!」
刑事が犯人を捕まえる時の様な口調であった。
ニヤリと笑うミルドラが、手を広げる。
左右に大きな青い魔法陣が現れると、地面から大きな厄災が姿を現す。
「いまだ!!」
大声を出し姿を消す、惣一郎とギド!
ギドが緑の厄災に触れると、一瞬で厄災ごと消える!
惣一郎はミルドラの後ろに現れ、背中に触れると、同じ様に消える!
広場には大きな黒い厄災と、状況が理解できないネウロがまだ、膝を突いていた。
広場前のギルドから出て来る6人の冒険者。
「行くぞ! 町を守るのじゃ」
ガブガが両手に斧を持ち、黒い厄災に走り寄る!
ガオがそれを追い越す。
呼び出された厄災も状況が分からないのか何もせず、ガオの右ストレートを顔面に受ける!
少し、ほんの少しだけ下がる黒い厄災。
立て続けにゴザの光矢が、レーザーの様な黄色い光線を放ち、大きな鋏の間の顔に刺さっていく!
たまらず一歩下がる巨大なサソリ。
反り返る尻尾が目の前のガオに、勢いよく襲い掛かるが、
「どっこいしょ!」
っと、2本の斧で撃ち返すガブガ。
巨大な身体で俊敏に後退するサソリ。
追いかける様に、グリコの水弾がサソリを襲う!
嫌がるサソリ!
やはり水が苦手なのか、大きな鋏でガードする厄災!
キンブルとクトルの兄弟が、ガブガとガオに支援魔法をかける。
「お前達は…… いったい誰なんだ……」
理解出来ないネウロは、まだ地面に手を突いていた。
東に現れた緑の厄災。
町の外の荒野に現れた、長い脚に棘を纏う巨大な厄災。
二度の連続瞬間移動で巨体を運び現れるギドが、青い顔で「後は任せたぞ!」と、さらに奥の離れた場所に飛んで座り込む。
惣一郎の魔力無しで巨体をここまで連れて来ただけで、大分辛そうだった。
「任せろ、おっさん!」
すでに獣化していたミコが、両手の鉈を振り回し、弾丸となり厄災の長い脚に体当たりする!
右前脚の関節部分にあたる弾丸は、厄災の脚を曲げて、回転が止まる。
六本中の一本を、折ってもバランスは崩れない。
「まず一本だ!」
「二本だよ」
小刀を抜いたベンゾウが、奥で横たわる大きな厄災の脚の先と一緒に立っていた。
ようやく異変に気付いた緑の厄災が、耳が裂ける様な高い大きな声をあげる。
腰を落とす様に残された脚を曲げ、平な腹部を反らせ、大きな葉っぱに似た姿で威嚇すると、口から毒霧を放つ!
それを大きな盾で受け止めるトーマ。
その後ろ居合の姿勢で構えるツナマヨが、毒霧を受け切ったトーマが横に身体をずらすと、半月状の光を放つ。
前屈姿勢の緑の厄災は、そのツナマヨの一閃を頭を下げて避けるが、反り返る腹部に大きな傷を残す。
西に現れたミルドラは、状況が理解出来ずにいた。
13
お気に入りに追加
1,868
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる