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十五章
十三話 【レンタル】
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「……っと、言う訳で、明日にでも大森林へ向かう。参加する者には武器を貸し出す! いいか貸すだけだからな! ガルドとイミーナは、子供達を連れて、応援を呼んできてほしい。急ぐことはないが、なるべく多くのマジックバッグを持ってくる様に伝えてくれ! 厄災の数が多いので、一応その事をセシルも、サーズリに連絡しといてくれ! 以上だ」
………………
「あれ、わかったのか?」
「「「「 断る! 」」」」
えっ!
ビルゲンを筆頭に、バオ、ツナマヨ、エル、セシル、イミーナまでもが、声を揃える。
「我々は下着を要求する!」
「「「 そうだ! 」」」
「あの下着をくれるなら、命を預けよう!」
「「「 そうだ! 」」」
「俺たちは別に…… なぁ」
「「「「 キッ! 」」」」
「な、なんでもないです……」
「「「「 だそうだ! 」」」」
なにこの統一感、みんな仲良しか!
「つまり、君たちは報酬がないと動かないと?」
「「「「 そうだ! 」」」」
ベンゾウ…… お前は持ってるだろ。
目を閉じ考える惣一郎。
「よし、わかった! 見事厄災を討伐した暁には、ひとり4着の下着を報酬として用意しようではないか!」
「「「「「 おおおおお! 」」」」」
「ハイ!」
手を上げる、エル。
「ハイ、エル君!」
「それは、上と下で2着ですか?」
「そんなケチな事言わんさ、セットだ! 4セットだ!」
「「「「 おおおおおおおお! 」」」」
「ハイ!」
「ハイ、バオ君!」
「い、色は、色は選べるのだろうか?」
「もちろん好きなのを選ぶと良い!」
「「「「 おおおおおおおおおお! 」」」」
「は、ハイ!」
「なんだねガルド君!」
「我々、男性にも、あるのだろうか?」
「ああ、男性用も多数取り揃えているぞ!」
「「「 おおおお! 」」」
はぁ~ 何してんだろ……俺。
作戦会議? は遅くまで続いた。
翌朝、朝食後に惣一郎は、ガルドと子供達を見送る。
「素晴らしい雨具だな、家宝にしよう! いいかくれぐれも嫁入り前のビルゲンに手を出すなよ!」
「貴様、いい加減にせぬか!」
「「 バイバイおじさん 」」
「えっ! あっ、えっ、うん、気を付けてな」
お…じ………
「では、必ず報酬を受け取りに戻りますので!」
「ああ、子供達をよろしく頼むな」
おじさんか……
受け入れたくない現実を突き付けられた惣一郎はテントに戻ると、みんなに防具を渡す。
「これは中に着るインナーだ! 防刃だから刃物も通さない。それと腕にこれを!」
アームガードを配る。
「ツナマヨ、その刀を戻せ」
嫌がるツナマヨから刀を取ると、代わりに別の刀を渡す。
「これは[兼房虎徹]と言う刀だ。当時人気があった虎徹は偽物(ぎぶつ)が多く、虎徹を見たら偽物と思えとまで言われていたが、その中でも最も優れた偽物とされる、兼房虎徹! 切れ味は本物をも越えると言われていた。いいか、貸すだけだからな!」
話も聞かず、目を奪われるツナマヨ。
「それと、バオとゴザ! ふたりにはアルミカーボン製のアーチェリーを貸す!」
光矢を使うふたりに魔石を取り付けた洋弓を渡す。
ふたりも滑車のついた細やか作りの弓に、驚きを隠せない。
「弦が軽く弾けるのに、力強い反動だ!」
「魔力が……流れる様に…… 以前頂いたダンジョン産の弓より、遥かに……」
「トーマ! お前には防御面強化に全身プロテクターと強化アクリル樹脂の盾だ!」
「おお~ 視界が遮られないし軽い! こんな軽くて大丈夫なのか?」
「ああ、今使ってる盾よりはな!」
「ギコル、お前には使い慣れたダンジョン産の炎剣があるだろうが、この[千住院大和物]両手剣で両刃の長物、火は出ないが切れ味は本物だ」
「おお、ズシリとくるな~」
「そして最後にビルゲン! 俺と同じ超々ジュラルミンで出来た杖だ。説明は無い、使ってみればわかる!」
「いえ…… 持っただけでわかります…… 魔力が杖だけに流れていく……」
「大森林までは2日! 途中で1泊する事になるが、時間はこの雨で十分稼げている。まずは急ぎ金色の厄災を捕らえる事だ。いいか殺すなよ! コイツは厄災を呼び寄せる餌だからな!」
結構な金額を消費した惣一郎は、テントを収納すると荷車に乗り込み、町を後にする。
馬に乗ったビルゲンとバオが続き、ゴリラング・ログの馬車が後を追う。
西のヴォル大森林を目指して。
だが、覚悟よろしく走り出した矢先、雨が止んだ。
「急ぐぞーーーーー!」
………………
「あれ、わかったのか?」
「「「「 断る! 」」」」
えっ!
ビルゲンを筆頭に、バオ、ツナマヨ、エル、セシル、イミーナまでもが、声を揃える。
「我々は下着を要求する!」
「「「 そうだ! 」」」
「あの下着をくれるなら、命を預けよう!」
「「「 そうだ! 」」」
「俺たちは別に…… なぁ」
「「「「 キッ! 」」」」
「な、なんでもないです……」
「「「「 だそうだ! 」」」」
なにこの統一感、みんな仲良しか!
「つまり、君たちは報酬がないと動かないと?」
「「「「 そうだ! 」」」」
ベンゾウ…… お前は持ってるだろ。
目を閉じ考える惣一郎。
「よし、わかった! 見事厄災を討伐した暁には、ひとり4着の下着を報酬として用意しようではないか!」
「「「「「 おおおおお! 」」」」」
「ハイ!」
手を上げる、エル。
「ハイ、エル君!」
「それは、上と下で2着ですか?」
「そんなケチな事言わんさ、セットだ! 4セットだ!」
「「「「 おおおおおおおお! 」」」」
「ハイ!」
「ハイ、バオ君!」
「い、色は、色は選べるのだろうか?」
「もちろん好きなのを選ぶと良い!」
「「「「 おおおおおおおおおお! 」」」」
「は、ハイ!」
「なんだねガルド君!」
「我々、男性にも、あるのだろうか?」
「ああ、男性用も多数取り揃えているぞ!」
「「「 おおおお! 」」」
はぁ~ 何してんだろ……俺。
作戦会議? は遅くまで続いた。
翌朝、朝食後に惣一郎は、ガルドと子供達を見送る。
「素晴らしい雨具だな、家宝にしよう! いいかくれぐれも嫁入り前のビルゲンに手を出すなよ!」
「貴様、いい加減にせぬか!」
「「 バイバイおじさん 」」
「えっ! あっ、えっ、うん、気を付けてな」
お…じ………
「では、必ず報酬を受け取りに戻りますので!」
「ああ、子供達をよろしく頼むな」
おじさんか……
受け入れたくない現実を突き付けられた惣一郎はテントに戻ると、みんなに防具を渡す。
「これは中に着るインナーだ! 防刃だから刃物も通さない。それと腕にこれを!」
アームガードを配る。
「ツナマヨ、その刀を戻せ」
嫌がるツナマヨから刀を取ると、代わりに別の刀を渡す。
「これは[兼房虎徹]と言う刀だ。当時人気があった虎徹は偽物(ぎぶつ)が多く、虎徹を見たら偽物と思えとまで言われていたが、その中でも最も優れた偽物とされる、兼房虎徹! 切れ味は本物をも越えると言われていた。いいか、貸すだけだからな!」
話も聞かず、目を奪われるツナマヨ。
「それと、バオとゴザ! ふたりにはアルミカーボン製のアーチェリーを貸す!」
光矢を使うふたりに魔石を取り付けた洋弓を渡す。
ふたりも滑車のついた細やか作りの弓に、驚きを隠せない。
「弦が軽く弾けるのに、力強い反動だ!」
「魔力が……流れる様に…… 以前頂いたダンジョン産の弓より、遥かに……」
「トーマ! お前には防御面強化に全身プロテクターと強化アクリル樹脂の盾だ!」
「おお~ 視界が遮られないし軽い! こんな軽くて大丈夫なのか?」
「ああ、今使ってる盾よりはな!」
「ギコル、お前には使い慣れたダンジョン産の炎剣があるだろうが、この[千住院大和物]両手剣で両刃の長物、火は出ないが切れ味は本物だ」
「おお、ズシリとくるな~」
「そして最後にビルゲン! 俺と同じ超々ジュラルミンで出来た杖だ。説明は無い、使ってみればわかる!」
「いえ…… 持っただけでわかります…… 魔力が杖だけに流れていく……」
「大森林までは2日! 途中で1泊する事になるが、時間はこの雨で十分稼げている。まずは急ぎ金色の厄災を捕らえる事だ。いいか殺すなよ! コイツは厄災を呼び寄せる餌だからな!」
結構な金額を消費した惣一郎は、テントを収納すると荷車に乗り込み、町を後にする。
馬に乗ったビルゲンとバオが続き、ゴリラング・ログの馬車が後を追う。
西のヴォル大森林を目指して。
だが、覚悟よろしく走り出した矢先、雨が止んだ。
「急ぐぞーーーーー!」
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