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十四章
十六話 【ひと狩り行こうぜ!】
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荒野を走りながら惣一郎は、セシルからブローチを借り、サーズリへコールを飛ばす。
『惣一郎殿! どうされました!』
『急に済まない! 聞きたい事があるんだが、ゴリラング・ログって冒険者達と遭遇して厄災討伐について来るって言い出したんだ』
『なんと! ギルドからも散々注意したのですが、やはりジビカガイライのお手を煩わせてしまいましたか!』
『いや、まぁ小競り合いはあったんだが、それは良いんだ! どんなチームなんだ? 情報が欲しい』
『情報ですか? まさかお連れに!?』
『まだなんとも。ただ今度の厄災は数が多い。人手はあっても良いと思ってるんだ。後はそれに見合うかだな』
『なるほど、ですが転移はあくまでジビカガイライの方々のみ許された物です! まさかお話になっていませんよね?』
『ああ、まだ何も』
『人手ですか…… 確かに現地で探すのは困難かも知れませんな』
『俺もそう思う』
『確かに冒険者としては優秀なチームです。ギルドへの貢献も数多く、ただ血の気の多いメンバーが多くて問題も数多く報告が…… 正義感は強いんですがね……』
『そんな感じだな~ まぁ、手綱は握れると思うんだが』
『そうですな、ジビカガイライならあのチームも大人しく従うかも知れませんな! 分かりました。惣一郎殿がお連れになると言うなら転移施設利用の件、本部に掛け合ってみます!』
『よろしく頼む。結果が出たら知らせてくれ。以上』
『了解致しました。ゴリラング・ログの情報も、もう少し集めてみます。以上』
王都まで二日はかかるそうだし、こっちも少し仕掛けて見るか。
惣一郎は荷車に乗ったまま集中してサーチを広げる。
細かくではなく漠然と広範囲で!
するとコースを少し外れた先に、早速魔獣の気配を感知する。
しかもその近くにもう一匹!
「クロ! ゆっくりと左にずれて進んでくれ!」
ワン!
荒野を走るクロが、徐々にコースをずれて少し行くと、前方に魔獣が見えてくる!
「あれは、この前のザザメイトか!」
「今度はベンゾウだよね!」
「いや済まん! 今回は後ろに任せてみよう」
荷車を止めると馬が横に並ぶ。
「どうしたのだ! こんな所で!」
惣一郎が前方を指差す。
「なっ! ザザメイトか!」
「任せてもいいか?」
魔導士の女性エルは、黙って馬車へ駆け寄ると、団長のツナマヨを連れて戻って来る。
「なるほど、試験という訳か!」
「そんな所かな♡」
「よかろう!」
団長が皆を集めて、指示を飛ばす。
するとエルフのゴザとエルが、馬で魔獣めがけ走り出す。
大楯の大男[トーマ]が前に立ち、その左右後ろにツナマヨと長剣の青年[ギコル]が待機する。
誘い込んで盾で受け止めた後、左右から斬り掛かる計画の様だ。
馬に乗ったふたりが、光矢と炎槍をザザメイトに撃ち込みながら、戻って来る!
「来るぞ!」
トーマが盾を構え、ザザメイトの突進を受け止める!
そのまま押し戻されながらも、ゆっくりスピードが落ち、左右から深く剣が刺さる!
ザザメイトは大きなツノを振り上げ、咆哮を上げるとトーマが盾で、そのまま押し倒す!
仰向けになった腹部に、無数の光矢と炎槍が突き刺さり、ザザメイトは動かなくなった。
5人は得意げな顔で惣一郎を見る。
「いやいや、弁慶はソロで倒したよ」
ガーーーン
そんな効果音が聞こえる様な顔だった。
『惣一郎殿! どうされました!』
『急に済まない! 聞きたい事があるんだが、ゴリラング・ログって冒険者達と遭遇して厄災討伐について来るって言い出したんだ』
『なんと! ギルドからも散々注意したのですが、やはりジビカガイライのお手を煩わせてしまいましたか!』
『いや、まぁ小競り合いはあったんだが、それは良いんだ! どんなチームなんだ? 情報が欲しい』
『情報ですか? まさかお連れに!?』
『まだなんとも。ただ今度の厄災は数が多い。人手はあっても良いと思ってるんだ。後はそれに見合うかだな』
『なるほど、ですが転移はあくまでジビカガイライの方々のみ許された物です! まさかお話になっていませんよね?』
『ああ、まだ何も』
『人手ですか…… 確かに現地で探すのは困難かも知れませんな』
『俺もそう思う』
『確かに冒険者としては優秀なチームです。ギルドへの貢献も数多く、ただ血の気の多いメンバーが多くて問題も数多く報告が…… 正義感は強いんですがね……』
『そんな感じだな~ まぁ、手綱は握れると思うんだが』
『そうですな、ジビカガイライならあのチームも大人しく従うかも知れませんな! 分かりました。惣一郎殿がお連れになると言うなら転移施設利用の件、本部に掛け合ってみます!』
『よろしく頼む。結果が出たら知らせてくれ。以上』
『了解致しました。ゴリラング・ログの情報も、もう少し集めてみます。以上』
王都まで二日はかかるそうだし、こっちも少し仕掛けて見るか。
惣一郎は荷車に乗ったまま集中してサーチを広げる。
細かくではなく漠然と広範囲で!
するとコースを少し外れた先に、早速魔獣の気配を感知する。
しかもその近くにもう一匹!
「クロ! ゆっくりと左にずれて進んでくれ!」
ワン!
荒野を走るクロが、徐々にコースをずれて少し行くと、前方に魔獣が見えてくる!
「あれは、この前のザザメイトか!」
「今度はベンゾウだよね!」
「いや済まん! 今回は後ろに任せてみよう」
荷車を止めると馬が横に並ぶ。
「どうしたのだ! こんな所で!」
惣一郎が前方を指差す。
「なっ! ザザメイトか!」
「任せてもいいか?」
魔導士の女性エルは、黙って馬車へ駆け寄ると、団長のツナマヨを連れて戻って来る。
「なるほど、試験という訳か!」
「そんな所かな♡」
「よかろう!」
団長が皆を集めて、指示を飛ばす。
するとエルフのゴザとエルが、馬で魔獣めがけ走り出す。
大楯の大男[トーマ]が前に立ち、その左右後ろにツナマヨと長剣の青年[ギコル]が待機する。
誘い込んで盾で受け止めた後、左右から斬り掛かる計画の様だ。
馬に乗ったふたりが、光矢と炎槍をザザメイトに撃ち込みながら、戻って来る!
「来るぞ!」
トーマが盾を構え、ザザメイトの突進を受け止める!
そのまま押し戻されながらも、ゆっくりスピードが落ち、左右から深く剣が刺さる!
ザザメイトは大きなツノを振り上げ、咆哮を上げるとトーマが盾で、そのまま押し倒す!
仰向けになった腹部に、無数の光矢と炎槍が突き刺さり、ザザメイトは動かなくなった。
5人は得意げな顔で惣一郎を見る。
「いやいや、弁慶はソロで倒したよ」
ガーーーン
そんな効果音が聞こえる様な顔だった。
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