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十三章
十三話 【目的を探す】
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「惣一郎殿、やはり今回の件でお戻りに?」
「ええ、そんな所です」
「この国の恩人を、まさかこの国の者が…… 私からもお詫び、お悔み申し上げます。国中が今その事で大騒ぎでして、急な国葬もそうですが、国王が教会を解散させたりと、ここ毎日新たな情報が目まぐるしく…… ですが惣一郎殿が現れたということは、やはり本当だったのですね、まさか教会が内乱を起こすとは……」
惣一郎はギルマスに、経緯を簡単に説明する。
「そうでしたか…… 今や教会関係者は、国境を越えることが出来なくなっております。昨日盛大に行われた国葬で国王が、聖母スワロ様を手にかけたのが教会と言われたそうで、あれからこの国では、教会よりもあなた方ゴキコロリを救世主と崇める者も多かった為、教皇派の仕業だと各地では、教会そのものが襲われる事件も起きたと聞きます」
なるほど、ガイロンはこれを予測して聖女を託したのか……
「しかし情報が早いですね」
「ええ、厄災が倒された後すぐ各地に連絡員を配置する事が義務付けられまして、これも惣一郎殿が厄災の素材を国に寄付してくれたおかげです」
「なるほど、大量でしたしね魔石」
「ええ、それはそうと、今後どうするおつもりですか?」
「依頼で彼女を国外に連れてくと、約束してまして」
「聖女セシルをですか…… しかし…… いえ、分かりました。ご協力させて頂きます」
「ありがとうございます」
「それで、どちらに?」
「さぁ? どちらに?」
「えっ! 私ですか? ……さぁ?」
沈黙が続く……
「それでは、惣一郎殿! 一つ提案があるのですが」
「提案?」
「ええ、実はここより船で15日ほど行った先にある[コーライ大陸]の[ザザンド]と言う国では、今まさに厄災による被害が拡大してると言います。どうでしょう、また救ってみては?」
「厄災ですか、正直もう今回の件で、祭り上げられるのも国と絡むのも……」
「ゴキコロリ様! いえ、惣一郎様! 行くべきです! 私は見届けたい、あなたが破滅の魔王ではなく、人々に希望を与える魔王になる所を!」
「マオウ?」
「いや、こっちの話です! あはは。おい! いい加減にしろよ! 俺はのんびりと」
「何故ですか、困っている人がいるのですよ! そしてあなたは救う事が出来るのでしょ! 何を迷うのですか!」
「その結果どうなった! 純粋に故郷を救いたいと願ったスワロは、どうなった!」
「ご主人様、スワロは喜んでたよ! ご主人様に一杯感謝してたよ! マイズを、エリリンテを救った事、きっと今でも絶対感謝してるよ!」
ベンゾウ……
「アタイは旦那様について行く! 何処だろうとアタイは旦那様に従い後悔はしない! だが、アロスもワーテイズの人達も、旦那様に感謝してるはずだ!」
「決めました! 私は聖女として魔王を導いてみせます! 誰もが魔王を、世界を救う救世主と呼ぶまで!」
「……勝手な」
「惣一郎殿、紹介したい者がいる、少し待っててください」
サーズリが席を外し、ギルドの一階から連れてきたのは、リヴォイとサヴォイの兄弟だった。
「「 惣一郎殿! 」」
「リヴォイ! サヴォイ!」
「戻られたのですね!」
「惣一郎殿、ふたりはザザンドの出身だ! 惣一郎殿が依頼を受けるなら、案内させますが……」
「依頼を受ける? 何をですギルマス?」
「お前らの故郷を厄災から救う旅だ!」
「惣一郎殿が…… 出来るのですか!」
するとセシルが、
「ええ、彼は魔王、ゴキコロリです!」
「「 !!!!! 」」
言いやがった……
サーズリはニヤつき、リヴォイとサヴォイはキラキラした眼差しを向ける。
ベンゾウは腕を組み自慢げに、弁慶もニコニコと惣一郎を見る。
聖女は、新たな生き甲斐を見つけた目を向け、
クロは…… 寝てた。
そしてスワロが、笑顔で背中を押した……
そんな気がした。
「ええ、そんな所です」
「この国の恩人を、まさかこの国の者が…… 私からもお詫び、お悔み申し上げます。国中が今その事で大騒ぎでして、急な国葬もそうですが、国王が教会を解散させたりと、ここ毎日新たな情報が目まぐるしく…… ですが惣一郎殿が現れたということは、やはり本当だったのですね、まさか教会が内乱を起こすとは……」
惣一郎はギルマスに、経緯を簡単に説明する。
「そうでしたか…… 今や教会関係者は、国境を越えることが出来なくなっております。昨日盛大に行われた国葬で国王が、聖母スワロ様を手にかけたのが教会と言われたそうで、あれからこの国では、教会よりもあなた方ゴキコロリを救世主と崇める者も多かった為、教皇派の仕業だと各地では、教会そのものが襲われる事件も起きたと聞きます」
なるほど、ガイロンはこれを予測して聖女を託したのか……
「しかし情報が早いですね」
「ええ、厄災が倒された後すぐ各地に連絡員を配置する事が義務付けられまして、これも惣一郎殿が厄災の素材を国に寄付してくれたおかげです」
「なるほど、大量でしたしね魔石」
「ええ、それはそうと、今後どうするおつもりですか?」
「依頼で彼女を国外に連れてくと、約束してまして」
「聖女セシルをですか…… しかし…… いえ、分かりました。ご協力させて頂きます」
「ありがとうございます」
「それで、どちらに?」
「さぁ? どちらに?」
「えっ! 私ですか? ……さぁ?」
沈黙が続く……
「それでは、惣一郎殿! 一つ提案があるのですが」
「提案?」
「ええ、実はここより船で15日ほど行った先にある[コーライ大陸]の[ザザンド]と言う国では、今まさに厄災による被害が拡大してると言います。どうでしょう、また救ってみては?」
「厄災ですか、正直もう今回の件で、祭り上げられるのも国と絡むのも……」
「ゴキコロリ様! いえ、惣一郎様! 行くべきです! 私は見届けたい、あなたが破滅の魔王ではなく、人々に希望を与える魔王になる所を!」
「マオウ?」
「いや、こっちの話です! あはは。おい! いい加減にしろよ! 俺はのんびりと」
「何故ですか、困っている人がいるのですよ! そしてあなたは救う事が出来るのでしょ! 何を迷うのですか!」
「その結果どうなった! 純粋に故郷を救いたいと願ったスワロは、どうなった!」
「ご主人様、スワロは喜んでたよ! ご主人様に一杯感謝してたよ! マイズを、エリリンテを救った事、きっと今でも絶対感謝してるよ!」
ベンゾウ……
「アタイは旦那様について行く! 何処だろうとアタイは旦那様に従い後悔はしない! だが、アロスもワーテイズの人達も、旦那様に感謝してるはずだ!」
「決めました! 私は聖女として魔王を導いてみせます! 誰もが魔王を、世界を救う救世主と呼ぶまで!」
「……勝手な」
「惣一郎殿、紹介したい者がいる、少し待っててください」
サーズリが席を外し、ギルドの一階から連れてきたのは、リヴォイとサヴォイの兄弟だった。
「「 惣一郎殿! 」」
「リヴォイ! サヴォイ!」
「戻られたのですね!」
「惣一郎殿、ふたりはザザンドの出身だ! 惣一郎殿が依頼を受けるなら、案内させますが……」
「依頼を受ける? 何をですギルマス?」
「お前らの故郷を厄災から救う旅だ!」
「惣一郎殿が…… 出来るのですか!」
するとセシルが、
「ええ、彼は魔王、ゴキコロリです!」
「「 !!!!! 」」
言いやがった……
サーズリはニヤつき、リヴォイとサヴォイはキラキラした眼差しを向ける。
ベンゾウは腕を組み自慢げに、弁慶もニコニコと惣一郎を見る。
聖女は、新たな生き甲斐を見つけた目を向け、
クロは…… 寝てた。
そしてスワロが、笑顔で背中を押した……
そんな気がした。
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