246 / 409
十二章
十話 【先にお見積り!】
しおりを挟む
屋敷を出た惣一郎は、ギルバンと解体場を目指していた。
熱意に負けた惣一郎が、ダンゴムシを売る為だ。
ギルドで出すには場所がないので、直接解体場を目指す。
「ようギルバン! あの魔獣の外殻は凄いぞ! あの軽さであの強度、わしゃあんなもん見た事がないぞ!」
「ああ[ゲルシュ]今残りの魔獣も手に入れた所じゃ!」
惣一郎はギルバンの指示で、残りの4匹を出す。
すぐに解体が始まり、何人ものドワーフが手際良くダンゴムシをバラして行く。
「この外殻で何が出来るんだ?」
「そりゃ盾に鎧、何にでも使えるじゃろう!」
元は十分取れるのだろう。
嬉しそうなギルバンに惣一郎が、
「なぁ、ミチル鋼を扱える職人を紹介してほしいんだが」
「なんじゃ杖でも作るのか?」
「そんな所だ!」
ギルバンは、奥に工場を構える[プジャル]なら間違いないと、教えてくれた。
ダンゴムシのお金は後で届けると言うので、惣一郎はそのままプジャルを訪ねてみる。
ドワーフの街は何処も忙しなく、カンコンカンコン音を立てていた。
そんな街中を抜けて、プジャルの工場に着くと炉の熱気が外まで漏れていた。
「すいませ~ん! プジャルさん居ますか?」
数人のドワーフが、溶けた鉄を型に流し込みながら、裏に行けと教えてくれた。
裏に行くと出来た杖の試し撃ちをしてる、ドワーフがいた。
「プジャルさんですか?」
「ああ、あんたは魔獣を倒した冒険者か」
「ええ、惣一郎と言います。少しご相談がありまして!」
「ああ、畏まらんでいい! くすぐったいわ!」
「あら、そう?」
「で、相談とは?」
「公には出来ない話なんだが、口は堅いか?」
「当たり前じゃ! 職人だぞ!」
惣一郎はミチル鋼に代わるアルミ材の事から説明する事にした。
プジャルは驚きながらも、惣一郎の理喪棍で魔法を試し撃ちすると、青い顔で理解した。
「待て待て待て、どこまで公に出来ないんじゃ! こりゃとんでも無い事じゃぞ!」
「どの道、素材は俺しか持ってないしな~」
「分けてくれ! 頼む」
「出所はダンジョンとするなら条件付きで!」
惣一郎とプジャルは夢中で話続ける。
「なるほどの~ この自転車と言う物、こんな精密な作り見た事が無いぞ、この手の職人に教えたらどうなる事か……」
「ああ、これは内緒で!」
「わかった。じゃがお前さんが言う浮力と言うのがよくわからんが、この自転車自体が杖の様な物なのじゃろ! お前さん、翼なぞ付けなくても美王様から理玉を賜ったのなら、必要無いじゃろ?」
「どう言う事?」
「その娘さんが理玉を持ってグラビティーを使えば繋がった全員の体重も何も無いじゃろ」
「あれ、自身に効果ある魔法も共有可能なのか?」
「ああ、その杖にでも埋め込めば、握ってる限り皆んなに効果があるはずじゃ、軽けりゃいくらでもテレキシスで飛ばせるじゃろう!」
「なるほど!」
なら乗り心地だけ考えれば、済む話じゃないか!
惣一郎はプジャルに、理喪棍に紫のムカデの魔石と理玉を埋め込んで、もう少し長く作り直してもらう事にした。
それとは別に、理喪棍に取り付け可能な3人座れる椅子の様な物を考える。
ベンゾウ達に遅くなるとコールを送り、惣一郎はプジャルと遅くまで意見を出し合い、制作していった。
「プジャル、ちなみに金はいくらだ!」
熱意に負けた惣一郎が、ダンゴムシを売る為だ。
ギルドで出すには場所がないので、直接解体場を目指す。
「ようギルバン! あの魔獣の外殻は凄いぞ! あの軽さであの強度、わしゃあんなもん見た事がないぞ!」
「ああ[ゲルシュ]今残りの魔獣も手に入れた所じゃ!」
惣一郎はギルバンの指示で、残りの4匹を出す。
すぐに解体が始まり、何人ものドワーフが手際良くダンゴムシをバラして行く。
「この外殻で何が出来るんだ?」
「そりゃ盾に鎧、何にでも使えるじゃろう!」
元は十分取れるのだろう。
嬉しそうなギルバンに惣一郎が、
「なぁ、ミチル鋼を扱える職人を紹介してほしいんだが」
「なんじゃ杖でも作るのか?」
「そんな所だ!」
ギルバンは、奥に工場を構える[プジャル]なら間違いないと、教えてくれた。
ダンゴムシのお金は後で届けると言うので、惣一郎はそのままプジャルを訪ねてみる。
ドワーフの街は何処も忙しなく、カンコンカンコン音を立てていた。
そんな街中を抜けて、プジャルの工場に着くと炉の熱気が外まで漏れていた。
「すいませ~ん! プジャルさん居ますか?」
数人のドワーフが、溶けた鉄を型に流し込みながら、裏に行けと教えてくれた。
裏に行くと出来た杖の試し撃ちをしてる、ドワーフがいた。
「プジャルさんですか?」
「ああ、あんたは魔獣を倒した冒険者か」
「ええ、惣一郎と言います。少しご相談がありまして!」
「ああ、畏まらんでいい! くすぐったいわ!」
「あら、そう?」
「で、相談とは?」
「公には出来ない話なんだが、口は堅いか?」
「当たり前じゃ! 職人だぞ!」
惣一郎はミチル鋼に代わるアルミ材の事から説明する事にした。
プジャルは驚きながらも、惣一郎の理喪棍で魔法を試し撃ちすると、青い顔で理解した。
「待て待て待て、どこまで公に出来ないんじゃ! こりゃとんでも無い事じゃぞ!」
「どの道、素材は俺しか持ってないしな~」
「分けてくれ! 頼む」
「出所はダンジョンとするなら条件付きで!」
惣一郎とプジャルは夢中で話続ける。
「なるほどの~ この自転車と言う物、こんな精密な作り見た事が無いぞ、この手の職人に教えたらどうなる事か……」
「ああ、これは内緒で!」
「わかった。じゃがお前さんが言う浮力と言うのがよくわからんが、この自転車自体が杖の様な物なのじゃろ! お前さん、翼なぞ付けなくても美王様から理玉を賜ったのなら、必要無いじゃろ?」
「どう言う事?」
「その娘さんが理玉を持ってグラビティーを使えば繋がった全員の体重も何も無いじゃろ」
「あれ、自身に効果ある魔法も共有可能なのか?」
「ああ、その杖にでも埋め込めば、握ってる限り皆んなに効果があるはずじゃ、軽けりゃいくらでもテレキシスで飛ばせるじゃろう!」
「なるほど!」
なら乗り心地だけ考えれば、済む話じゃないか!
惣一郎はプジャルに、理喪棍に紫のムカデの魔石と理玉を埋め込んで、もう少し長く作り直してもらう事にした。
それとは別に、理喪棍に取り付け可能な3人座れる椅子の様な物を考える。
ベンゾウ達に遅くなるとコールを送り、惣一郎はプジャルと遅くまで意見を出し合い、制作していった。
「プジャル、ちなみに金はいくらだ!」
23
お気に入りに追加
1,868
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜
平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。
『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。
この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。
その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。
一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる