155 / 409
第八章
二十三話 【捕縛!】
しおりを挟む
翌朝、マルジさんのコールで目を覚ます。
『惣一郎殿、惣一郎殿!』
『はい、聞こえます』
『今朝方ゴディップの冒険者がこちらに到着しました』
『早かったですね』
『ええ、夜通し作業してくれた様で』
『助かりますね!』
『ええ、荷車も回収しておきました以上!』
『ありがとうございます。では動きがあったらまた、お願いします以上!』
さて、準備が早く整い過ぎたな。
あとは待つだけか……
朝食の準備を始める惣一郎にまたコールが送られて来る。
『惣一郎殿、今内通者から連絡が、魔獣の死体を並べ始めたそうです以上!』
『了解しました、厄災が来ても慌てずに以上』
さ、いよいよだな。
「朝食はパワーモーニングと行きますか!」
ハンバーグにビーフシチューをかけご飯とサラダを並べると、ベンゾウ達が起きてくる。
食べ終わると惣一郎が、
「いよいよ厄災が動き出す様だ、弁慶はマジックバッグ持ってたよな? 厄災用の武器を渡すので空きがなければ中身預かるから言ってくれ」
「ああ、旦那様」
ベンゾウにマジックバッグを渡し、蟻用の殺虫スプレーを大量に渡す。
弁慶にも同じようにスプレーを渡し使い方を教える。
「厄災にこんな物が?」
「まぁ、すぐわかるよ!」
すると突然地鳴りがし出し、テントが揺れる。
封印を解いた様だ。
『マルジさん! 地鳴りを確認した。厄災が動き出すぞ! 以上』
『確認しました、以上』
しかし便利だなコール……
まぁ、魔力がそこそこ無いと使えないそうだが。
惣一郎はみんなクリーンをかけ食事の片付けを始める。
呑気な光景だった。
そしてこの弁慶。
大きな身体の割に細やかな気を使う女性だった。
片付けも率先して手伝い、ベンゾウの脱ぎ散らかした服も黙って畳み、惣一郎の負担は劇的に軽減した。
それに対してベンゾウは、腹を出し横になっている。
コイツ…… 俺の奴隷だよな?
言う割に、あまり気にしていない惣一郎だった。
テントをそのままにして、外で待機する惣一郎達! クロはテントの中でお留守番。
ポカポカといい天気に恵まれて、いつの間にか出したベンチテーブルで惣一郎達は、お茶を楽しんでいた。
『惣一郎殿! 厄災が現れました! 凄い数です! だが…凄い…… 本当に厄災が戻って行く。惣一郎殿! 厄災が戻って行きます! アロスは無事です! 以上!」
『了解、以上』
「興奮してるな~ マルジさん」
「ご主人様~ もう来る?」
「ああ、でも、もうちょいかな」
ズズズー ハァ~ お茶がうまい!
しばらくのんびり待つと、またマルジさんからコールが届く。
『惣一郎殿、内通者から連絡が! 作戦失敗と元王子らが撤退を開始、そちらに向かっています以上』
『了解です以上』
「さぁ、そろそろエリオットが来るぞ! 無傷で捕らえるからな!」
少しすると、馬に乗った騎士達が林の中を真っ青な顔で走って来る。
惣一郎の予想が的中した。
「どれが王子だ…… いた、あれだ!」
惣一郎は鉄球を出し杖を構える。
ひとり白い馬に乗るオレンジの髪の男が血相変えて走って来る。
惣一郎は鉄球を飛ばし、元王子を馬から落とすと、ベンゾウが瞬時に喉元へ小刀を突き付ける!
遅れて来た騎士が、
「その男が、エリオット元王子です!」
っと、内通者だろう。
弁慶に縛り上げられテントに放り込まれる。
「クロ! よく見張っててくれ」 ワン!
騎士が、
「ジビカガイライの方々ですね! ハァハァ自分は…… 潜伏中のアロス兵[レオ]です」
「お疲れレオ、マルジさんに聞いてるよ。後はテントでのんびりしててくれ!」
お礼をいいテントに入るレオ。
中でお茶を出してあげると、ホッとしたのかテーブルで眠りにつく。
「さぁ、残りは厄災だけだ!」
そう言いながら、お菓子を配る惣一郎だった。
『惣一郎殿、惣一郎殿!』
『はい、聞こえます』
『今朝方ゴディップの冒険者がこちらに到着しました』
『早かったですね』
『ええ、夜通し作業してくれた様で』
『助かりますね!』
『ええ、荷車も回収しておきました以上!』
『ありがとうございます。では動きがあったらまた、お願いします以上!』
さて、準備が早く整い過ぎたな。
あとは待つだけか……
朝食の準備を始める惣一郎にまたコールが送られて来る。
『惣一郎殿、今内通者から連絡が、魔獣の死体を並べ始めたそうです以上!』
『了解しました、厄災が来ても慌てずに以上』
さ、いよいよだな。
「朝食はパワーモーニングと行きますか!」
ハンバーグにビーフシチューをかけご飯とサラダを並べると、ベンゾウ達が起きてくる。
食べ終わると惣一郎が、
「いよいよ厄災が動き出す様だ、弁慶はマジックバッグ持ってたよな? 厄災用の武器を渡すので空きがなければ中身預かるから言ってくれ」
「ああ、旦那様」
ベンゾウにマジックバッグを渡し、蟻用の殺虫スプレーを大量に渡す。
弁慶にも同じようにスプレーを渡し使い方を教える。
「厄災にこんな物が?」
「まぁ、すぐわかるよ!」
すると突然地鳴りがし出し、テントが揺れる。
封印を解いた様だ。
『マルジさん! 地鳴りを確認した。厄災が動き出すぞ! 以上』
『確認しました、以上』
しかし便利だなコール……
まぁ、魔力がそこそこ無いと使えないそうだが。
惣一郎はみんなクリーンをかけ食事の片付けを始める。
呑気な光景だった。
そしてこの弁慶。
大きな身体の割に細やかな気を使う女性だった。
片付けも率先して手伝い、ベンゾウの脱ぎ散らかした服も黙って畳み、惣一郎の負担は劇的に軽減した。
それに対してベンゾウは、腹を出し横になっている。
コイツ…… 俺の奴隷だよな?
言う割に、あまり気にしていない惣一郎だった。
テントをそのままにして、外で待機する惣一郎達! クロはテントの中でお留守番。
ポカポカといい天気に恵まれて、いつの間にか出したベンチテーブルで惣一郎達は、お茶を楽しんでいた。
『惣一郎殿! 厄災が現れました! 凄い数です! だが…凄い…… 本当に厄災が戻って行く。惣一郎殿! 厄災が戻って行きます! アロスは無事です! 以上!」
『了解、以上』
「興奮してるな~ マルジさん」
「ご主人様~ もう来る?」
「ああ、でも、もうちょいかな」
ズズズー ハァ~ お茶がうまい!
しばらくのんびり待つと、またマルジさんからコールが届く。
『惣一郎殿、内通者から連絡が! 作戦失敗と元王子らが撤退を開始、そちらに向かっています以上』
『了解です以上』
「さぁ、そろそろエリオットが来るぞ! 無傷で捕らえるからな!」
少しすると、馬に乗った騎士達が林の中を真っ青な顔で走って来る。
惣一郎の予想が的中した。
「どれが王子だ…… いた、あれだ!」
惣一郎は鉄球を出し杖を構える。
ひとり白い馬に乗るオレンジの髪の男が血相変えて走って来る。
惣一郎は鉄球を飛ばし、元王子を馬から落とすと、ベンゾウが瞬時に喉元へ小刀を突き付ける!
遅れて来た騎士が、
「その男が、エリオット元王子です!」
っと、内通者だろう。
弁慶に縛り上げられテントに放り込まれる。
「クロ! よく見張っててくれ」 ワン!
騎士が、
「ジビカガイライの方々ですね! ハァハァ自分は…… 潜伏中のアロス兵[レオ]です」
「お疲れレオ、マルジさんに聞いてるよ。後はテントでのんびりしててくれ!」
お礼をいいテントに入るレオ。
中でお茶を出してあげると、ホッとしたのかテーブルで眠りにつく。
「さぁ、残りは厄災だけだ!」
そう言いながら、お菓子を配る惣一郎だった。
29
お気に入りに追加
1,854
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。
真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆
【あらすじ】
どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。
神様は言った。
「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」
現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。
神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。
それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。
あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。
そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。
そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。
ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。
この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。
さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。
そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。
チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。
しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。
もちろん、攻略スキルを使って。
もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。
下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。
これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる