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第七章

十三話 【謎!】

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ふたり居ないと、テントも広く感じる。

なんだかんだと賑やかなふたりであった。

このダンジョンを出るまではと、言っていたモモは、その後どうするのだろうか?

彼女も良い家の出だろうが、何も語らないし聞かない関係であった。

夕飯にも早いし、久々に風呂でも入りますか!

惣一郎は外で出せる場所を探すが、風呂のテントを出すスペースはなかった。

一旦ベッドがあるテントを収納して、入れ替えるか悩むが、そこまでして入りたいか?っと簡単に諦めた。

惣一郎は、落ち着かないだけだった……

片したソファーを出し、のんびりお茶を飲み、ダンジョン産の魔導書について考えていた。

自分自身に作用する燃費の悪い重力魔法は、どう使うのが一番良いだろうか。

売れば数億にはなるらしいが、贅沢な暮らしをしない俺に、お金は魅力を感じない。

俺自身に使えば、重い攻撃も盾で耐えれるだろうが、テレキシスまで魔力が回らなくなる心配がある。

ベンゾウに? 身軽で素早いベンゾウが使えば、より素早く斬撃は重くなる…… 悪く無いかも知れないが、ベンゾウに魔力がほぼ無いのが問題である。

そういえば、強魔力薬という丸薬があったが、どういう物なのか、さっぱり分からん。

モモの巨人の件もあるし、試すのも……

まだ、保留かな~

モモといえば、食事のせいもあるだろうが、メキメキ強くなっている気がする。

念願叶った感じだろう。

槍と盾があれば、冒険者としては十分に強いレベルだ。

この六階層でも十分戦えるだろう。

サーチもすごく使えるし、俺も覚えてもいいかも知れない。

そしてこのダンジョン、何階まであるのだろうか?

まだ戦えるが、このまま進めばいずれは敵わぬ魔物も…… Zzzz




「ご主人様!」

「はっ! 何?」

「お腹空いた!」

もう、飯の時間だったか。

多分翌朝、食事を済ませてテントをかたす。

「さて、行きますか!」

あれから一日経つと、魔獣もまだ少ないが出るようになっていた。

[サイロ]と呼ばれる一つ目の魔人である。

ハイオークよりやや強い程度で、ベンゾウには雑魚の部類だった。

サクサク倒し先に進む。

広い洞窟の中は、ビルゲンのライトが無いと薄暗く、ネットで買った電池式のルームライトが役に立っている。

調光出来るので、明るさも選べる優れ物だった。

明るさを求めた元の世界の商品は、ここでは調光が無いと失明しかねないのである。

しばらく進むとモモが、

「この先……右に…大きな空間が……強い反応も!」

宝箱かな?

覗いて見ると、4本の腕を持つ赤い肌の[オーガ]がいた。

ツノを生やし髭面に真っ黒な目で、4本の腕に武器と盾も持っていた。

これは魔獣なのか?

手足の数では厄災?

言葉が通じるかも知れない……

「あの~」

気付いたオーガは「ギャオォォォ!」っと雄叫びを上げる。

魔獣だな……

ベンゾウが前に出て、オーガの4本の猛攻をスルリスルリと躱しまくる。

あの距離で一つも当たらないのは、もう異常だ。

ベンゾウは避けるのを楽しんでいる様だった。

流石に可哀想になる……

避けながら、躱しながら、一本づつ失う腕に最後には首が落ちた。

ベンゾウが鬼に思える瞬間であった。


宝箱はトラップなしとの事で、開けて見ると、

「なんだコレ?」

思わず声に出る惣一郎だった。

中身は、乗船券だった。

しかも、ふたり分の使用済み。

見たことある気もするが…… 確証が無い。

どう言う事?

謎が多いダンジョンの謎だった……





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