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第七章

四話 【挑戦】

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モモの案内でスムーズに攻略が進んで行く。

宝箱はあれから出ないが、道に迷う事もなく、トラップも避けて進めるモモのサーチは、ダンジョンでは必須となる。

一階層との事で、出る魔物もバオ達で十分なのだが、先を急ぎたいと惣一郎が倒しまくっていた。

そんな訳で早くも、一階層のボス部屋の前に到着する。

「俺がやるわ」

軽いノリで、まだ見ぬボスに挑む惣一郎だった。

大きな扉を開けると、中にいたのはオークの王だった。

「そんな、まだ第一階層なのに!」

驚くバオ……

戦棍と呼ばれる大きなメイスを持つ王は、惣一郎に気付くと雄叫びをあげ、その鈍器を振り上げ殴りかかる。

惣一郎は苦無を2本出し、盾を構える。

遠心力をフルに活かした戦棍は、弧を描き惣一郎へ振り下ろされる!

盾で斜めに受けると掠っただけで、地面に深くめり込むメイス。

そこに、赤く熱を帯びた苦無が、無防備な王の頭部に刺さり、貫通するとあっさり倒れる。

バオ達は何を見せられたのか?

理解に時間がいるだろう……

ゆっくり消える王の跡に宝箱が現れる。

モモを見ると大丈夫と頷くので、惣一郎はそのまま開ける。

中身は普通の剣だった。

「鉄の剣か…… ハズレだな」

時間が経てばまた、ボスが現れるのかバオに聞くと、不思議そうな顔で、ダンジョンを一度出ないとボスはもう出ないと言う。

リポップはゲームの中だけであった。

ボス部屋を抜けると階段が下へと続いていた。

階段を降って行く途中、横に広がる場所があり、中央には魔法陣が刻まれている。

ここから一気に、地上へ転移できるそうだ。

失われた古代魔法の割に縁がある惣一郎は、複雑な心境で下へと降りていく。

長い階段を降りていくと、下から冷気が噴き上げて来る。

肌寒い所の騒ぎでは無かった。

二階層に着くと、惣一郎は驚きの表情で、目の前の雪景色を見渡す。

そこは夜の雪山の様だった。

岩山の下から出てきた惣一郎達は、背面の岩肌が、どこまで上に伸びているのか見ることが出来なかった。

前には雪景色が広がり、ビルゲンのライトの魔法で反射した雪が明るく惣一郎達の周りだけを照らしていた。

「外? 雪山だよな…… さぶ!」

「ええ、今回の二階層は、空に小さく光るあの星だけを追いかければ、ボス部屋に着きます」

そう言いながらバオ達は、マジックバッグから防寒着を取り出して着始める。

惣一郎もベンゾウとモモに防寒着を取り出して渡す。

自分達の防寒着と大分違う作りに、バオは興味津々だった。

惣一郎はふたりにも新たに購入した防寒着を渡す。

「え、全然寒く無い…… 惣一郎! コレは凄いです、指先まで暖かいなんてありえない!」

コクコク!

喜んで頂けた様で……

惣一郎が上を確認すると、真っ暗な空にうっすらと小さな星が見えた。

アレか……

ダンジョンの中の異様な光景に翻弄されながらも、雪の中を歩き始める惣一郎達。

へっくしょっ!





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