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第六章

二十四話 【お買い物】

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モモは下着が買いたかった……

「モモ、次これ!」

「あの……ベンゾウ様……そろそろ下着を買いに行きませんか?」

ベンゾウは露店で、食べ物を端じから喰いまくっていた。

「下着? そっか、じゃアレ食べたら」

「ベンゾウ様……惣一郎様に良く思われたく……無いですか?」

ピク!っとベンゾウの耳が動く。

「惣一郎様に……綺麗なお姿……見せたく無いですか?」

ピクピク……

「殿方は……裸より…下着姿に気分を高揚させると……聞いた事があります」

ピクピクピク……

「惣一郎様に触って「どこ! 下着どこ!」」

モモとベンゾウは、やっと目的の服屋へ向かう。





惣一郎は魔法を覚えた後、道具屋に来ていた。

モモにもマジックバッグを買ってあげようと思ってだ。

だが、やはり数が少ないのか店には置いて無かった。

店員に確認すると、受注生産になると言う。

残念だがそこまでは待ってはいられない。

諦めようとしたら店員が、ポーチなら在庫があると言う。

見せてもらうとベルトに下げる、長財布ぐらいの大きさのポーチだった。

容量を聞くと、バッグよりは全然小さく、約60ℓの水が入るぐらいと、いまいちピンと来なかった。

大型のマジックバッグ 約1300ℓ

通常のマジックバッグ 約 700ℓ

小型のマジックバッグ 約 300ℓ

マジックポーチ    約  60ℓ

ジュグルータさんに貰ったマジックバッグは大型で、約1,300Lは入る。

これは大型の熊、グルピーが約二匹は入る大きさで、マジックバッグは大きさ、長さ、重さ、関係なく体積量らしく、60ℓもあれば槍ぐらいなら余裕で入るそうだ。

ちなみ、ジュグルータさんに頂いたのは大型のマジックバッグはお値段も1,200~1,500ギーはするそうだ。

それを惣一郎の服の代金50ギーと交換なんて、手ぶらで現れた惣一郎にジュグルータさんは、最初からマジックバッグも白熊の代金に入れてたのだろう…… 粋な計らいをする人だ! 

それに気付くのは、大分後になってからだったが……

「いかかですか、お客様? 今なら110ギーとお安くなっておりますが」

「頂きます」

金銭感覚がどんどん狂って行くな……

宝くじを当てた人が破産する事が多い理由が、少し分かる惣一郎だった。

店を出る惣一郎は、倉庫に戻って食料の作り置きの続きをする事にする。





ベンゾウとモモは服屋の二階で、まだ下着を選んでいた。

「ベンゾウ様……それ逆です」

「それは……被る物では……ベンゾウ様……」

モモは疲れて、自分の買い物に専念する……



洒落た服の女性店員が、ベンゾウに近づく。

「如何ですかお客様。こちらなど王都で今流行りのデザインになっておりますが」

…………

「殿方に大変人気となっておりますが」

ピク!

「この色なんか、お客様にお合いになるかと」

…………

「殿方にも好評な色です」

ピクピク!

ニヤリ。

「殿方に今一番、愛されているのがこの高級下着に!」

ピクピクピク!

「如何でしょう、殿方に大変人気のロッソになっておりますが」

「ロッソ? 美味しいの?」

「いえお客様、食べ物では無くて、ロッソは胸につける下着ですのよ、おほほほ」

イラ!

「ロッソ、ああ~ ロッソのことでしたのね~ ケラケラケラ」

「では、シェルシュをお求めですか?」

「シェ、シェルシュね! しっ、知ってますわよ! そのぐらい…… でもまだ、食べたことはありませんのよ」

…………

ベンゾウの買い物は、失敗に終わった。





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